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ヒトラーはなぜパリを壊滅できなかったのか、ミスターNHK『パリよ、永遠に』に興味津々

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トーク付き特別試写会に出席した磯村尚徳と堀潤
トーク付き特別試写会に出席した磯村尚徳と堀潤

 26日、第2次世界大戦中のパリを舞台にヒトラーの「パリ壊滅作戦」をめぐる駆け引きや攻防を描いた映画『パリよ、永遠に』のトーク付き特別試写会が都内で行われ、“ミスターNHK”として知られる元NHK報道局長の磯村尚徳が登壇した。

映画『パリよ、永遠に』フォトギャラリー

 60年近く前に特派員として初めてパリに行った際、「なぜ大戦でこのきれいなパリの街がほとんど爆撃も受けずにそのままだったんだろう」と興味を持っていたという磯村は、「パリ壊滅作戦」を進めるドイツ軍将校と、パリを守りたい一心で彼のもとを訪れたスウェーデン総領事の緊迫した一夜を活写した本作に興味津々。

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 外交の現場を「命懸けの仕事」「弱肉強食そのものの世界」と福澤諭吉らの言葉を引用して力説しつつ、一方で、国や都市の防衛について「文化こそ最大の安全保障」と説いた京都大学の梅棹忠夫の言葉を紹介。第2次大戦でパリが守られた理由はパリの持つ文化の力にあったと分析し、「日本でいえば、京都・奈良も同じ。ハーバート大学の(ラングドン・)ウォーナーという博士がルーズベルト大統領に直訴して救われた。パリのように文化を発信し続けることがある意味で(国の)最大の安全保障になる」としみじみ語った。

 磯村はまた、20年から30年前の日本の輸出がどんどん伸びていた頃、経済ばかりが目立ち、日本の文化が認知されていなかったがゆえに、オランダのある新聞が「もしある日、日本列島が海中に没しても世界で涙を見せるものはいないであろう。だが、パリなら誰もが涙するであろう」と辛口の日本評を述べていたことも触れた。「でも、今はだんだんお寿司が好きな人が増えてきたり、日本のポップカルチャーが世界中に浸透してきたりしてきた。『文化こそ最大の安全保障』という梅棹さんの言葉が今になって生きてくる」と笑顔を見せた。

 この日のイベントには、元NHKアナウンサーで現在はフリーの堀潤も出席した。(取材・文:名鹿祥史)

映画『パリよ、永遠に』は3月7日よりBunkamura ル・シネマ、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国公開

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