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社是を大声で復唱させる姿にベルリンの観客が衝撃…高橋泉監督『ダリー・マルサン』

第65回ベルリン国際映画祭

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ベルリン映画祭でQ&Aを行った高橋泉監督
ベルリン映画祭でQ&Aを行った高橋泉監督 - Photo:Yukari Yamaguchi

 現地時間11日、第65回ベルリン国際映画祭で映画『ダリー・マルサン』のインターナショナルプレミアが開催され、メガホンを取った高橋泉監督が登壇した。フォーラム部門に出品された本作は、“だるまさん”が転じて“ダリー・マルサン”というニックネームが付いた耳が聞こえない女性を中心にした群像劇。

 上映前に登壇した高橋監督は、プレミアの30分前に日本から到着したばかり。「頭がボーッとしています」としながらも、ほぼ満席の観客を前に「こんなにお客さんが入って、ちょっと驚いています」と感激した様子。「映画が始まる前にあまり話すのはよくないと思うんですけど、この映画は小さいことに気付けなかったときに起こっていく連鎖(を描いた作品)。そこには暴力や痛みも伴うのですが、誰か1人を見るというより、映画をぶわっと食らってほしいです」と独特の表現であいさつした。

 上映後のQ&Aでは、社是を大声で復唱させる姿や、ゆがんだ残虐な暴力が映し出される職場のシーンの衝撃を語る観客が多かった。「声を出させたりするのは、日本人にとってはそんなに珍しくありません。映画では極端な人を出していますが、ブラック企業とかいわれる中で、ああいう人も出てくるのではという危惧で描きました」と高橋監督は解説した。

 暴力を振るう方ではなく、それに逆らわず、受け入れてしまう男性キャラクターたちの方に驚く声も上がった。高橋監督は「日本人は下克上みたいなことのやり方がわからないのではと思います。例えば、デモとか革命がニュースで流れても、日本人はポーズとしては捉えられるけど、本当には捉えられない気がします。そういうことを描きたいわけではなかったのですが、逆に今、質問を受けて、ああそうだなと思いました」と高橋監督にも発見があるベルリン上映となったようだ。(取材・文:山口ゆかり / Yukari Yamaguchi)

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