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カナダの鬼才、アトム・エゴヤン監督が明かすウェスト・メンフィス3のえん罪を描いた映画とは?

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アトム・エゴヤン監督
アトム・エゴヤン監督

 映画『スウィート ヒアアフター』のカナダの鬼才アトム・エゴヤン監督が、新作『デビルズ・ノット(原題) / Devil's Knot』について語った。

アトム・エゴヤン監督映画『アウェイ・フロム・ハー 君を想う』フォトギャラリー

 本作は、1993年にアーカンソー州ウェスト・メンフィスで3人の少年殺害事件が発生し、すぐに3人の青年が逮捕されたが、弁護士ロン・ラックス(コリン・ファース)は無罪を信じて、さまざまな証拠をもとに事件の調査を行うというドラマ。マラ・レヴェリットの同名著書を基にアトム・エゴヤンが映画化した。

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 同事件に関する事前の知識について「ジョー・バーリンジャー監督の映画『パラダイス・ロスト(原題) / Paradise Lost』シリーズの第1弾を1996年に鑑賞し、強い印象を受けて事件に取りつかれた。この事件はかなり特殊で、マラ・レヴェリットの原作では(現在真犯人がわからないため)全てが解決しているわけではないが、 体の一部を切り落とされた3人の少年が裸の状態で腕を靴ひもで結ばれ、そのうえ沼に投げ込まれていた。さらに血や足跡は犯罪シーンに全く残されていなかったため、まるでクラシック映画の犯罪スリラーの雰囲気を漂わせていた」と事件の状況を説明した。

 そんなアトムの食指を動かしたのは「この事件が起きたのは信心深い信者が暮らす町で、彼らは何が悪で何が善であるか鋭い判断を持つ。同事件は明らかに悪の行動で、町の人たちはそんな悪魔を捜すことになるが、発見できずにいたため、(青年3人の逮捕で)悪魔を勝手にクリエイトした。ある意味、現代の魔女狩りだね。でも最も興味があったのは、裁判の過程で何が起きたかということだった。(3人の青年を除いた)容疑者に浮上した人たちはろくに調査もされず、一方3人の青年は(物的証拠もない)状況証拠だけで、意図的に調べられた。そんな状況がドラマに適していたんだ」と製作意図を明かした。

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 本作は『スウィート ヒアアフター』をほうふつさせることについて「あの作品とはトーンが違う。あの作品は叙情的で、ロマンチックな感情も描かれていたが、今作は全くロマンスの箇所はなく、事実の要素が強い作品だ。『スウィート ヒアアフター』は僕にとっては個人的な映画で、本作とは異なる映画だとは思うが、街全体が(子供たちが亡くなり)想像できない喪失感に襲われるのは似ている」と答えた。

 映画は、これまで同事件を扱ったドキュメンタリーと違い、容疑者として浮上した人や事件に影響された人たちを中心に描いている。 (取材・文・細木信宏/Nobuhiro Hosoki)

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