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北朝鮮の映画界に初密着!俳優の卵たちの日常を捉えたドキュメンタリーが公開へ

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左から、鄭茂憲、野中章弘
左から、鄭茂憲、野中章弘

 北朝鮮の映画界に初めて密着したドキュメンタリー映画『シネマパラダイス★ピョンヤン』の上映会付きトークショーが25日、早稲田大学大隈記念講堂で行われ、早稲田大学政治経済学術院 ジャーナリズム大学院教授の野中章弘と、朝鮮新報社記者の鄭茂憲(チョン・ムホン)がトークショーを行った。

映画『シネマパラダイス★ピョンヤン』場面写真

 本作は北朝鮮で俳優を目指す生徒が通う演劇映画大学や人気監督の撮影現場に、シンガポールのクリエイターが迫ったドキュメンタリー作品。主体思想に忠実な映画作りを学ぶ一方、太り気味だということを気にする女優の卵の姿や、俳優が談笑し合う日常風景がごく自然なタッチで映し出される。

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 野中は「わたしたちが普段耳にする北朝鮮の情報はとても限られていて、マスメディアの流す情報も指導者の姿や北朝鮮の軍隊が行進するところであったり飢餓であったりと、どこか偏っている」と述べ、本作で映し出される北朝鮮の一般人の日常がとても興味深かったと明かす。

 その上で「実は『この映画の描くものは全部嘘だ』という人もいるんです。でも、仮に嘘だとしても、北朝鮮の人たちがわたしたちと同じように喜んだり悲しんだりするという人間性は、いくら取り繕うとしたところで見えてくるもの。出てくる人たちは国の目を意識して模範的なことしか言おうとしないが、実際にそこで生きている人たちの呼吸や鼓動が垣間見られるような作品でよかった」と本作を絶賛した。

 また、記者として2011年から日本と北朝鮮を行き来している鄭は、北朝鮮の街の写真などを持参し、「この映画は北朝鮮の人々の素の部分がよく映し出されている。一般家庭の朝食風景が映し出されたりするのは異例のこと」と話すと「日本での北朝鮮の情報というのは全てを政治化していて、おかしな国という確立したイメージでしか捉えようとしていない。それこそ2,000万人もの人が住んでいるんだから、そこに住む人の笑いや涙、生活の息吹などもっと文化的な部分も報道されてもよいのでは」と本作を通じてマスメディアの在り方に警笛を鳴らしていた。(取材・文 名鹿祥史)

映画『シネマパラダイス★ピョンヤン』は3 月8日より渋谷シアター・イメージフォーラム他全国順次公開

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