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2013年、亡くなった偉大な映画人をしのぶ

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大島監督の代表作『戦場のメリークリスマス』より
大島監督の代表作『戦場のメリークリスマス』より - (C)大島渚プロダクション

 『ワイルド・スピード』シリーズのポール・ウォーカーさんが40歳という若さでこの世を去った衝撃が記憶に新しい2013年、亡くなった偉大な映画人たちを振り返ってみた。

 1月、長年にわたって病と闘った大島渚監督が亡くなった。1960年、安保闘争のデモが渋谷の街を練り歩く様子を捉えながら、一方で欲望のために犯罪に手を染める男女の姿を描いた『青春残酷物語』を監督し「松竹ヌーヴェル・ヴァーグ」と称された。その後も、『白昼の通り魔』や『愛のコリーダ』といった刺激的な作品を世に送り出し、タブーに挑み続けた大島監督。代表作『戦場のメリークリスマス』はデヴィッド・ボウイ坂本龍一ビートたけしと意外性のある配役も話題となり、第2次世界大戦下の日本人兵士とイギリス人捕虜の衝突を通して、日本人特有の価値観とその不条理さを浮かび上がらせた。

 大島監督と同様、戦後の日本映画界に大きな功績を残した三國連太郎さんも2013年に逝去した偉大な映画人の一人。後年の代表作となった『釣りバカ日誌』シリーズは20作を数える。三國は1951年に木下恵介監督作『善魔』でデビュー。『釣りバカ日誌』『息子』といった作品での素朴な役柄で愛される一方、『飢餓海峡』『にっぽん泥棒物語』など多くの作品で、人間の業の深さを強烈に演じてみせた。

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 遺作となった『永遠の0』が現在公開中の夏八木勲さんは生涯現役を貫いた。1966年、『骨までしゃぶる』でヒロインである遊女にほれる青年役でデビュー。1970年代より『戦国自衛隊』をはじめとする角川映画に数多く出演。2012年の園子温監督作『希望の国』で原子力発電所の事故に翻弄(ほんろう)される一家のあるじを演じ、毎日映画コンクール男優主演賞を受賞した。

 海外ではポール・ウォーカーさんのほかにも、特撮映画の巨匠レイ・ハリーハウゼンさんやアカデミー賞に8回もノミネートされた『アラビアのロレンス』のピーター・オトゥールさんなど、世界の映画史に名を残す巨星が永眠した。偉大な映画人が亡くなることは寂しいが、この世に遺(のこ)った彼らの作品はこれからもわれわれを楽しませてくれるだろう。(岩永めぐみ)

映画『戦場のメリークリスマス』は12月29日午前9時よりWOWOWシネマにて放送

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