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トム・クルーズ主演『アウトロー』の製作秘話

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(左から)デヴィッド・オイェロウォ、ロザムンド・パイク、クリストファー・マッカリー監督、リー・チャイルド
(左から)デヴィッド・オイェロウォ、ロザムンド・パイク、クリストファー・マッカリー監督、リー・チャイルド

 映画『ユージュアル・サスペクツ』でオスカーを受賞したクリストファー・マッカリーが、人気俳優トム・クルーズとタッグを組んだ監督作『アウトロー』について、作家リー・チャイルド、女優ロザムンド・パイク、男優デヴィッド・オイェロウォと共に語った。

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 同作は、ピッツバーグで一般市民5名が、無差別な銃撃で命を落とす事件が発生。警察は事件発生後すぐに元軍人で腕利きのスナイパー、ジェームズ(ジョセフ・シコラ)を容疑者として拘束するが、彼は容疑を否認し、退役軍人で現在は流れ者のジャック(トム・クルーズ)へ連絡するように頼んだことで、事件の真相が暴かれていくアクション/スリラー作品。イギリス人作家リー・チャイルドの「ジャック・リーチャー」シリーズの小説「ワン・ショット(原題)/ One Shot」を映画化したもので、ロザムンド・パイクは弁護士ヘレン、デヴィッド・オイェロウォは捜査官エマーソンを演じている。

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 原作のジャックは190cm以上の大男だが、トム・クルーズの出演経緯についてクリストファー監督は「僕とプロデューサーのドン・グレンジャーは、知名度のある俳優をキャストすれば、この映画が製作できると考えていた。それに主人公のように身長190cm以上、体重114kg、しかも青い目をしたアメリカ人の俳優なんて居なかったし、最初から誰をキャストしようとも、原作のファンから批判を受けることもわかっていた。そのため、主人公の身体面では妥協するが、それ以外はどんな要素も妥協せずにやろうと思ったんだ。さらに原作では、ジャックの思考能力と人々への対応が魅力で、僕自身はそれほど身体的なことを気にしなかったから、トムがこの役に興味を示した時点で、彼をキャストすることに決めた」と明かした。

 ジャックとヘレンの関係についてロザムンドは「流れ者のジャックは、訪れるどこの街ででも、周りとは違った行動を取るタイプで、社交的ではないし、きっちりとした振る舞いもしない。そのため、ヘレンはジャックの行動に事あるごとに驚かされるの。ヘレン自身は有能で熟練した弁護士だけれど、ジャックのような頭の回転の速さを持ち合わせてないことが、彼女をイライラさせるの。それは、まるで数学ができる女の子が、数学者に会ったような感じね。でも、わたしがこの役を気に入った点は、映画で観る弁護士は、大抵は状況をしっかりコントロールできているけれど、今作のヘレンは、普段弁護士がやらないことまで、ジャックに強制的にやらされるはめになっていくところなの」と語るように、そんな常識外れのジャックと型にはまったヘレンの関係が面白い。

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 捜査官エマーソンを演じたデヴィッド・オイェロウォは「監督から決して映画『リーサル・ウェポン』の(メル・ギブソンとダニー・グローヴァー)ような関係にはならない、ジャックと真に対抗するキャラクターが必要だと言われた。僕もそういう仲間意識の強い警官を描いた映画に拒否反応を示してしまうため、エマーソンのようにジャックと平行に描かれ、真に対抗する人物として自分のレールを走るこのキャラクターが気に入ったんだ」と自身の役柄について語った。

 最後にリー・チャイルドは、悪役を演じるヴェルナー・ヘルツォークに注目すべきだとコメントした。映画はリー・チャイルドの男くさい小説を、クリストファー監督が独特の演出でスリリングな映画に仕上げている。 (取材・文・細木信宏/Nobuhiro Hosoki)

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