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寺島しのぶ、若松監督との別れに放心状態 涙で悲痛な思い

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涙で思いを語った寺島しのぶ
涙で思いを語った寺島しのぶ

 24日、青山葬儀場で執り行われた映画監督・若松孝二さんの告別式に参列した女優・寺島しのぶが、若松監督との突然のお別れに「放心状態です」と涙を見せた。

若松孝二監督の通夜、弔問に訪れた関係者

 若松監督とは、寺島にベルリン国際映画祭で主演女優賞をもたらした『キャタピラー』以来の付き合い。寺島は「『キャタピラー』のPRではいろいろな地方をまわって、仕事以外にもかけがえのない話ができました。本当に短かったですが、監督からはいっぱい教えていただきました」と当時を振り返る。

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 また『キャタピラー』は「子どもが欲しくて、1年間仕事をやめようと思っていたときに巡り合った台本だった」と切り出した寺島は、「監督もその事情を知っていて。だから子どもが生まれたときに、一番に電話をかけたのが監督。そのときは『やっとできたんだね、おめでとう』と言ってくださいました」と笑顔を見せる。

 それ以来、若松監督のお気に入りの女優となった寺島は、遺作『千年の愉楽』にも出演。劇中では、血に彩られた高貴な一族の男たちを見守る産婆として圧倒的な演技を見せているだけに、若松監督からは「寺島さん、試写会のとき子どもを連れて舞台あいさつをしてよ」と言われたそうで、「それが最後になるとは思わずに……」と言葉を詰まらせた。

 そんな若松監督を「優しい人でした」と評する寺島。「『キャタピラー』の撮影で体調を崩したんですけど、監督が自ら運転して現場まで連れて行ってくれたことがあって。わたしが『監督危ないですよ。誰かに運転してもらったらいいんじゃないんですか』と言ったら、『ボスが動かないと下は動かない。ボスがふんぞりかえったら下もふんぞりかえるんだよ』とおっしゃって。いろんな意味で、本当に弱い者の味方だったと思います。特に女性と子どもには優しかったかも」と付け加えた。

 若松監督との最後の別れとなったこの日。「監督に教えていただいたことをちゃんと……。これからも監督をびっくりさせるような芝居を心掛けて頑張りたいと思います」と改めて決意を語る寺島だった。(取材・文:壬生智裕)

若松孝二監督の遺作で寺島しのぶが主演した『千年の愉楽』は来春公開予定

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