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仲代達矢、年金不正受給問題に迫る『日本の悲劇』に主演!自ら餓死を選ぶ男に 監督は小林政広

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映画『日本の悲劇』仲代達矢
映画『日本の悲劇』仲代達矢

 俳優仲代達矢が、昨今話題になった年金不正受給問題を題材にした映画『日本の悲劇』に主演していたことがわかった。『春との旅』の小林政広監督と再びタッグを組んだ問題作だ。

 『日本の悲劇』は、仲代の「また一緒に映画を」という要望を受けて小林監督が書き下ろしたオリジナル脚本だ。仲代演じる主人公・不二男は、愛妻の死、心の病が原因で失業した息子、そして自身の病と不幸の連鎖が連なり、虚無感に捕らわれてしまう。さらに東日本大震災が追い打ちをかける。不二男は、最後の希望を息子に託すことを決意する。それは、部屋で自らが餓死し、不正受給した年金を息子の生活費に当てさせ、再就職という新たな一歩を踏み出させること。

 部屋に閉じこもって自ら死を選択しようとする不二男と、父の横暴を阻止しようとする息子。一軒家の密閉された空間で、父子の息詰まる攻防戦が展開する。映像はモノクロ。しかも出演者は仲代ほか、北村一輝寺島しのぶ大森暁美のわずか4人だ。木下恵介監督が1953年に製作した作品と同じタイトルに、小津安二郎や成瀬巳喜男監督作を彷彿とさせる家庭劇の様相だが、扱っている内容はまさに現代の“日本の悲劇“だ。

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 小林監督が脚本を書き始めた2010年当時、世間ではちょうど100歳以上の存在未確認事例が多発していた。中には死亡届を出さず、家族が年金を不正受給していた驚がくの真実もあった。『春との旅』で高齢者社会が生んだ祖父と孫の悲劇を描いた小林監督は、またも社会の片隅で葬られていく命に目を向けた。

 小林監督は「ニュースを聞いたときに、こういう不正をして賃金を得る方法があるのかと衝撃を受けた。ただこんな地味な話を脚本にしても仲代さんに断られるだろうと思っていたが、一読してすぐに『ぜひ、やりましょう』と快諾いただき、逆に驚きました」という。

 撮影はすでに昨年の10月に撮り終え、今年1月に完成した。劇場公開はまだ未定だが、国際映画祭への出品を狙っている。小林監督は「お客さんが、いまだかつて見たことのない仲代さんに出会えることを保証します」と自信の程を語っている。(取材・文:中山治美)

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