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ジブリの後継者?一人のアニメ監督?宮崎吾朗監督、父と同じ道を歩むことには「相反する気持ちがある」

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次回作は3D作品!? 宮崎吾朗監督
次回作は3D作品!? 宮崎吾朗監督

 3日、三鷹市芸術文化センターで行われた「三鷹の森アニメフェスタ2012」で映画『コクリコ坂から』が上映され、宮崎吾朗監督が父・駿監督について語った。

 古今東西の優れたアニメ作品を上映してきた本イベントの会場には、三鷹市民やアニメ業界志望の若者など約250名が来場。会場から「高畑勲監督の新作と宮崎駿監督の新作があるらしいが、現状は?」という質問が飛び出すと、「その件についてはあまり分からない」と前置きしつつも、「高畑勲監督が76歳、宮崎駿監督が71歳。彼らの情熱はすごい。だから宮崎、高畑ときて、その次に作品を発表するのは嫌だなと。昨日、『借りぐらしのアリエッティ』の麻呂(米林宏昌監督)に会ったときに『先にやってよ』と言ったら、えへへと笑っていました」と明かす。

 「宮崎駿の絵はマンガで、高畑さんの絵は実写のカメラ」と両者のスタイルを評したのを筆頭に、この日は父、駿監督の作画スタイルに関する考察を数多く披露。くしくも父と同じ道を歩むことになった吾朗監督だが、自身を「ジブリの後継者」「自分のスタイルを持つアニメ監督」とどちらに考えているのだろうか。「自分が言うのも変ですけど、父と同じ道を歩むことになったわけですが、自分なりに作りたいものもあれば、ジブリだからこそやれるものもある。自分の中には相反するものがあって、簡単には言えないですね」と言葉を選ぶようにコメントする吾朗監督は、同じく偉大な父(深作欣二監督)を持ちながらも、同じ道で活躍する深作健太監督と対談したときを振り返り、「健太さんも悩んでるなと思いました」とポツリと漏らした。

 そんな吾朗監督だが、「昨日プロデューサーと5分くらい話をして、(次回作は)それかなと思っています」と次回作の構想はすでにある様子。さらに「プロデューサーに3Dを勉強してと言われた」と明かす吾朗監督だが、「(技術者に)お茶わんとお箸でご飯を食べさせられますかと聞くんです。これはアニメーターにとって本当に難しいんですよ」と語るとおり、技術的な課題がクリアになれば、吾朗監督の次回作は3D作品になるかも!?(取材・文:壬生智裕)

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