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福島原発20キロ圏内を撮影したドキュメンタリーがベルリンで上映「家を追われた人々の気持ちが重要」

第62回ベルリン国際映画祭

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「家を離れなければならない人の気持ち」が重要と語った藤原敏史監督
「家を離れなければならない人の気持ち」が重要と語った藤原敏史監督 - photo:Yukari Yamaguchi

 2月18日(現地時間)、第62回ベルリン国際映画祭フォーラム部門で藤原敏史監督映画『無人地帯』が上映された。藤原監督と撮影の加藤孝信が質疑応答に登壇した。

 本作は、原発事故後の福島の原発から20キロ圏内を撮影したドキュメンタリー映画。藤原監督が「ベルリン映画祭での最後の上映です」とあいさつするこの日は、本映画祭での4回目となる上映だ。

 撮影の加藤は、「われわれの師匠である土本典昭監督が『記録なくして事実なし』とよく言っていました。映像がなければ、悲劇の記憶も消え去ってしまうのではないかという危惧(きぐ)があり、撮影に入りました」と制作に至った動機を明かす。

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 作品中では、アルシネ・カーンジャンの静かに染み入るようなナレーションが印象的だ。藤原監督は、アルシネについて、「すごい女優なだけでなく、素晴らしい人です。そして(アルメニア人であるため)追放された人でもあります。彼女は、家をなくした人、家を離れなければならない人の気持ちがわかる。それはこの映画で重要な感情で、適任と思いました」と起用の理由を語った。

 家が壊れてしまった人々と同様に、幸いにも家は無事だったものの、放射能汚染のため家を離れなければいけない人々の、複雑な心境も率直に明かされている本作。それをとらえることができた理由とも思われる、藤原監督とチームの真摯(しんし)な姿勢がうかがえる質疑応答となった。(取材・文:山口ゆかり/Yukari Yamaguchi)

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