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こんな俳優はもう出てこない!? 希代の俳優・勝新太郎、 男の生きざまとは?

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希代の俳優・勝新太郎
希代の俳優・勝新太郎 - (c)1963 角川映画

 1997年の死去からすいぶんたっても、今でも映画館では特集上映が組まれ、テレビ番組ではその伝説が語られ、新たなファンを増している勝新太郎だが、これぞといえる彼の生きざまを振り返ってみた。

 かつてブルース・リーが共演を熱望し、クエンティン・タランティーノのような映画人、または遠くキューバのカストロ元議長までをも魅了した勝新太郎。『座頭市』『悪名』『兵隊やくざ』の3本の人気シリーズを世に出し、“勝新”の愛称で親しまれた。破天荒な生き様にスポットが当たりがちだが、俳優としてだけではなく時には監督や殺陣師と同等の大きな役割を担ったことも見逃せない。

 勝の代表作といえば、やはり『座頭市』シリーズだろう。市のキャラクターがウケたのは、盲目の男が目明きを倒す荒唐無稽(むけい)な設定ばかりではなく、勝の役づくりによるところが大きい。刀さばきは、目にも留まらないほどのスピード感。まゆを大きく動かしながら話すさまはどこかユーモラスで、アップになった耳がぴくっと動くと緊張感が走る。役のために耳まで動かしたことからもわかるように、役に徹底してのめりこんでいく勝の演技者として生きざまが、型破りで唯一無二のキャラクター・市を生み出したといえるだろう。

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 勝プロダクション設立後の作品群はもう勝の独壇場だ。昨年発売された勝の評伝「天才 勝新太郎」にもあるように、その場で台本を変更することもしばしばだったという。そんなオレ様な生きざまを貫く勝の現場は、スタッフ泣かせ、出演者泣かせの現場かと思いきや……。テレビドラマ「新・座頭市 (第二期)」の原田美枝子がゲスト出演した「冬の海」は、用意された台本を捨ててのゼロからのスタートだったが、なんと傑作として語られている。また、勝自身が監督した映画『新座頭市物語 折れた杖』のアバンギャルドな作風は、狂気と紙一重の天才、そんな勝の特徴が作品にも現れている。

 プライベートでも、勝は言わずと知れたお騒がせな人物だった。勝プロの運営や派手な生活で借金がかさんでも、勝はその奔放な生きざまを変えることはなかった。また、麻薬をパンツに隠していたことが発覚し「もうパンツははかない」と言い放った会見からは、ただ騒動を巻き起こすだけではない、そこには勝らしい愛嬌(あいきょう)とサービス精神が感じられる。

 これほど強烈な魅力を放つ俳優は、二度と出てこないかもしれない。『座頭市』などの作品でスクリーンに刻み付けられた勝の生きざまを、ぜひ堪能してほしい。(岩永めぐみ)

映画『新座頭市物語 折れた杖』は11月17日(木)よる7:00よりWOWOWシネマにて放送

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