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アフリカのライオン、50万頭から2万頭に減少!父親を失った3頭の赤ちゃんを母親ライオンが育てていく感動作品!

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デレク・ジョーバート、ビヴァリー・ジョーバート
デレク・ジョーバート、ビヴァリー・ジョーバート

 50年前に50万頭いたライオンが、今ではわずか2万頭に減っている現実の中で、力強く生き残っているライオンたちの姿を描いた新作映画『ザ・ラスト・ライオンズ(原題) / The Last Lions』について、監督のデレク&ビヴァリー・ジョーバート夫妻が語った。

 同作は、父親ライオンが敵対するライオン・グループに打ちのめされて動けなくなってしまい、3頭の赤ちゃんライオンを抱えた母親ライオンが、この厳しい野生の中で必死に子どもを育てていくという姿を描いたドキュメンタリー作品。

 まず、なぜこれほどライオンは減少したのか、との質問に「実はライオンだけでなく、大型のネコ科の動物やシロクマが50年前に比べ、約90%近く減少しているんだ。そんな中でライオンが減少した理由の一つは、これまでアフリカでは牛(食用、酪農用含め)を中心に生計を立てている家庭が多く、牛がライオンに襲われたりすると、そのたびに襲ったライオンを人々は殺してきたんだ。次に、密猟者の人口が増えていることが理由で、その密猟者の中で最も価値があるとされる雄のライオンが、統計では年間に約600頭も密猟されているんだ」とデレクが答え、さらにその密猟したライオンの肉を人が食べているケースもあると仰天するような話も付け加えた。

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 次に、ライオンの減少が与える影響についてデレクは「ライオンを含めた頂点捕食者(自分自身を補食するするものがいない動物)が少なくなるということは、生態系に大きな変化を及ぼすんだよ」と語る。それは草食動物を増加させることになり、その増加によりエサがなくなった彼らが畑のある農家を襲うケースがあるそうだ。さらに「エコーツーリズム(環境学習の要素を持って自然を探訪するツアー)に大きな影響を与えることになる。アフリカの多くのコミュニティは、このエコーツーリズムが重要な生計で、その総額が1年間で800億ドル(約6兆6,400億円=1ドル83円の換算)あると言われているんだ。つまりエコーツーリズムの中でいちばん価値のある動物とされているライオンが減少すれば、このエコーツーリズムに影響を与え、いちばん被害を受けることになるのは我々人間なんだよ」とデレクは明かした。

 撮影中には苦労したり、危険な目にあったりしたのだろうか。「ライオンやヒョウなどは、人間を襲ったりするというイメージが勝手に人々に植え付けられているが、ほとんどの大型のネコ科の動物は、(人間には)関心を持たずに暮らして生きている。だから、そういったライオンに近付いて、我々に慣れさせてから、自然な表情や行動を撮影するのはずいぶん苦労したんだ。撮影中には象に突撃されたり、蛇に噛まれたり、マラリアを患ったときもあったが、我々が生き残ってこれたのは、一日の始めに今日することに恐怖を感じずに、新たな日々を過ごそうと思ってきたからだ」とデレクが答えた後に、ようやくビヴァリーが「私たちは高校生のときから35年間一緒で、どんなときでも自分の胸の内を、ちゃんとパートナーに伝えてきて、さらにこれまで同じ情熱を持ってこれたからうまくやってこれた」と二人三脚でこの撮影を乗り切ったことを語った。

 映画内では、子どもを狙って追走してくる敵対するライオン・グループから子どもを守りながら、普段ライオンが苦手とされる水の中で、子どものために自分の体の何倍もある水牛に向かっていく母親ライオンの姿は圧巻。ナレーションも、オスカー俳優ジェレミー・アイアンズが担当し、完成度の高いドキュメンタリー作品に仕上がっている。

 (取材・文・細木信宏/Nobuhiro Hosoki)

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