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低迷中のボックスオフィスに新王者誕生!コーエン兄弟『トゥルー・グリット』が全米トップに! -1月10日版

全米ボックスオフィス考

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今週第1位に輝いた映画『トゥルー・グリット』より
今週第1位に輝いた映画『トゥルー・グリット』より - (C) 2010 PARAMOUNT PICTURES. All Rights Reserved.

 映画『トゥルー・グリット』 がデビュー3週目にしてついに映画『リトル・フォッカーズ(原題) / Little Fockers』から王座を奪い全米映画第1位の栄冠に輝いた。

映画『トゥルー・グリット』場面写真

 オスカー候補の呼び声も高いジョエル、イーサン・コーエン監督の本作は、1,461万ドル(約12億4,185万円)をたたき出し、封切り後18日にしてすでに総合収益1億ドル(約85億円)の大台を超えてこれまでに1億1,100万ドル(約94億3,500万円)の収益を上げており、クリント・イーストウッド監督・主演作品でアカデミー賞受賞作にもなった映画『許されざる者』、そしてメル・ギブソンジョディ・フォスター出演のウエスタン・コメディー映画『マーヴェリック』を優に超える大ヒット作となっている。この記録は映画祭シーズンも終盤を迎えたアメリカでこれからも上昇するものとみられており、配給スタジオはPR作戦に余念がない。(1ドル85円計算)

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 今週の第2位は、2週連続第1位の座を明け渡した『リトル・フォッカーズ(原題) / Little Fockers』で1,349万ドル(11億4,665万円)。先週から47.7パーセントの収益ダウンである。19日で1億2,370万ドル(105億1,450万円)の総合収益を上げているこの作品だが、封切り後の同時期、すでに2億430万ドル(173億6,550万円)の売り上げを記録していた前作の映画『ミート・ザ・ペアレンツ2』と今週も比較されてしまい、またもやトホホな扱いを受けている。

 代わって第3位は2,816館・推定3,000スクリーンにて公開されたニコラス・ケイジの新作映画『シーズン・オブ・ザ・ウィッチ(原題) / Season of the Witch』で1,061万ドル(約9億185万円)。中世を舞台にした映画にしてはなかなかの成績となっており、最近ヒット作に恵まれておらず、ボックスオフィスでの株も下がり気味なニコラスの作品にしては上々の滑り出しといえる。配給による観客調査によると、映画を観に来ていた52パーセントは男性、そして61パーセントが25歳以上の観客だったという結果が出ている。

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 さて、先週から46.2パーセントの下降率で、第4位となったのは映画『トロン:レガシー』。1,009万ドル(約8億5,765万円)の収益で、公開後24日にしての全米総合興行収入は1億4,821万ドル(約125億9,785万円)と大台に乗ったものの、推定製作費が1億7,000万ドル(約144億5,000万円)ということから、もうひと踏んばりしてほしいところである。

 トップ5の最後は、ナタリー・ポートマン主演の映画『ブラック・スワン』で、811万ドル(約6億8,935万円)の収益。先週と比べ8.7パーセント減と、今週のチャート内トップ10で落下率が一番低い作品で、配給によると今週14日の週末から上映を拡大し、現在の1,584館から2,000館にすると発表している。この作品でのナタリーの演技はかなり評判が良く、アカデミー賞主演女優賞レースの下馬評でほかの女優たちを尻目にトップを走っている。今週末に発表されるゴールデン・グローブ賞の作品賞と主演女優賞にノミネートされているこの作品は受賞するかしないかで、これからのチャート動向に大きな差が出てくるものと思われる。

 さて次回のランキング予想に移ろう。先ほども触れたように今週の日曜日はゴールデン・グローブ賞が発表されるため、賞の行方によっては映画館の客足が多少動く可能性がある。

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 まずは、やっとのことで封切りにこぎつけた映画『グリーン・ホーネット』。

 チャウ・シンチーが降板したり、撮影現場で爆弾騒ぎがあったりとゴタゴタした作品で、しかもよりによってノミネートされた作品に注目が集まるゴールデン・グローブ賞発表の週末に封切られる。とはいうものの3Dアクション大作ということで、取りあえず上位デビューとなるのはほぼ確実と思われる。だが、勢いづいている『トゥルー・グリット』を果たしてトップから引きずり降ろせるかどうかは、フタを開けてみないとわからない。

 今週末の封切り作品ラインナップは、『グリーン・ホーネット』のほかに大型作品はなく、トップ5に入るかどうかギリギリな作品が2本。まずはダスティン・ホフマンポール・ジアマッティ出演の映画『バーニーズ・バージョン(原題) / Barney’s Version』だ。

 最近映画ではごぶさただったミニー・ドライヴァーも共演しているこの作品は、ラインアップだけ見るとオイシイ俳優ぞろいだが、公開規模はかなり小さいためトップ5に食い込めるかどうかは少々疑問。

 トップ5入り微妙作品の2本目は、ヴィンス・ヴォーンウィノナ・ライダー共演のコメディー映画『ザ・ジレンマ(原題) / The Dilemma』。この作品は、ジェニファー・コネリーが出演しており、最近食傷気味な感ありのヴィンスのマンネリ度を緩和している。

 週末のゴールデン・グローブ賞の結果によってランキングの変動が予想される次回の全米ランキングに、こうご期待である。(文・取材: アケミ・トスト/Akemi Tosto)

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