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今年最後の週末ボックスオフィスは、『ミート・ザ・ペアレンツ』シリーズの続編がナンバーワン!

全米ボックスオフィス考

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今週第2位の映画『トゥルー・グリット』より
今週第2位の映画『トゥルー・グリット』より - (C) 2010 PARAMOUNT PICTURES. All Rights Reserved.

 クリスマスも終わり、2010年もいよいよあと数日を残すのみとなったが、映画『ミート・ザ・ペアレンツ』シリーズ第3弾となる映画『リトル・フォッカーズ(原題) / Little Fockers』が、3,083万ドル(約26億2,055万円)で全米ボックスオフィス今年最後の週末ボックスオフィスナンバーワン映画となった。(1ドル85円計算)

初登場第2位の映画『トゥルー・グリット』場面写真

 2004年に公開された映画『ミート・ザ・ペアレンツ2』から約6年ぶりの続編で、前作のオープニング週末の興行成績には及ばなかったが、コメディー作品は同じ人気を持続することが非常に難しいといわれており、特に3作目は2作目よりも収益が下がる傾向にあることから仕方のない結果であろう。

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 トップの作品にしては何となくさえない雰囲気だがそれもそのはず、映画『アバター』『シャーロック・ホームズ』などが大ヒットしていた2009年のクリスマス時期と比べて、今年は全体興行収入が48パーセントも減少しているのである。この状況は今週で7週連続となっており、週末の東海岸での記録的な大雪と荒れ模様の天候もこのマイナス状態に拍車を掛けたようだ。

 さて、今週の第2位も初登場で、映画『トゥルー・グリット』の2,490万ドル(約21億1,650万円)。3,047館・推定3,900スクリーンで封切られたこの作品は、歴代の正統派西部劇映画の中で最高の初週ウイークエンド収益を記録した。若い映画ファンはご存じないと思うが、1969年に公開された今は亡きジョン・ウェインが最初で最後のアカデミー賞を受賞した作品と同一原作である。

 ジョエル、イーサン・コーエン監督版の『トゥルー・グリット』は、すでにアカデミー賞にノミネートされるのではとのうわさもあり、この流れはクリント・イーストウッド監督のアカデミー賞受賞映画『許されざる者』のときと雰囲気が似ている。

 配給のパラマウント ピクチャーズの調べによると。この映画を観にきていた65パーセントは男性客、そして70パーセントは25歳以上という結果が出ている。

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 次は、56.5パーセントの収益減で先週の第1位から第3位に落下してしまった映画『トロン:レガシー』で1,920万ドル(約16億3,200万円)。1982年のオリジナルにはカルト的なファンが付いたものの、興行的には失敗に終わったことを考えると、今回の『トロン:レガシー』は封切り後10日間で8,740万ドル(約74億2,900万円)を記録しており、いささかリスクを伴った続編作戦は、結局成功を収めたといっていいだろう。

 先週から23.5パーセント減で第3位からワンランク・ダウンしたのは、今週第4位の映画『ナルニア国物語/第3章:アスラン王と魔法の島』で948万ドル(約8億580万円)。封切りから3週間が経過しているという点や上映館が205館減ったことなどを考えるとこれは悪くない成績。同作品は公開17日目にして6,260万ドル(約53億2,100万円)の総合興行収入を記録している。

 そして今年最後トップ5のラストを飾るのは、先週から一気に3ランクも落ちてしまった映画『ヨギ・ベアー(原題) / Yogi Bear』で784万ドル(約6億6,640万円)の収益だったが、封切り後2週目にして早くも52.3パーセント減とすでにガス欠状態である。

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 今週末公開された大型作品で、トップ5入りできなかった意外な作品は3Dコメディー・アドベンチャー映画『ガリバー旅行記』。何と初登場で第8位、631万ドル(約5億3,635万円)の興行成績にとどまっており、ジャック・ブラックが主演の大作にしてこの売り上げはかなり寂しい状況である。今年は週末がクリスマスだったことから、ほかの封切り作品を避け、家族連れを狙い定めて大型リリースにしては珍しい土曜公開としたものの、それがかえって裏目に出てしまったようだ。しかしまだ1、2週間子どもたちの冬休みが続くことから、この先に巻き返しを図れるかどうかにこの映画の命運がかかっている。

 来週のランキング発表は2011年の新年となるわけだが、大みそかと新年が金曜と土曜にあたるため、先陣を切って12月29日の水曜日に公開される話題作が数本ある。これらの作品はトップ5入りはしないかもしれないが、アカデミー賞候補になるべくまい進している意欲作で映画ファン必見の作品だ。

 1本目は映画『Biutiful ビューティフル』。不治の病に侵された犯罪者が近づきつつある死を目の前にして、自分の過去に片を付けるために、そして愛する家族ために奔走するというドラマ。菊地凛子が、アカデミー賞助演女優賞にノミネートされた映画『バベル』のアレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ監督の作品で、アカデミー賞助演男優賞受賞経験者のハビエル・バルデム主演と、中々興味をそそられる作品である。

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 そして2本目はライアン・ゴズリングミシェル・ウィリアムズ主演の映画『ブルーバレンタイン』。アメリカ映画協会がいったんはNC-17指定(17歳未満鑑賞禁止)にしたのだが、アカデミー賞候補に挙がっている作品がNC-17では、映画賞バトルが始まる前から負けたも同然……ということで、スタジオの親玉がこれに猛反対。協会に異例の直訴をするなどして大モメにモメた揚げ句、滅多に折れないといわれている協会側が譲歩し、スタジオ側が根性でR指定を勝ち取ったというちょっとゴタゴタした作品。だが内容は、夫婦を演じるライアンとミシェルのテンションの高い演技が非常に話題となっている。

 それでは皆さん、楽しく映画を観て良いお年を! (文・取材: アケミ・トスト/Akemi Tosto)

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