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75歳息子と98歳母のドキュメンタリー映画『ジュニア』、超若い観客を迎えて上映

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ジェナ・ロシャー監督映画『ジュニア』(原題)
ジェナ・ロシャー監督映画『ジュニア』(原題)

 3月4日からロンドンで開催中の第6回バーズ・アイ・ビュー映画祭で、75歳の息子と98歳の母の暮らしを追ったジェナ・ロシャー監督映画『ジュニア』(原題)が4度の上映を終えた。登場人物の平均年齢では本映画祭中、最年長と思われる本作、観客の平均年齢の方は最年少となりそうだ。
というのは、本作の4回の上映が、どれも赤ちゃん連れ歓迎で行われたため。気軽に映画館には出かけられないママたちにも楽しんでもらおうという、女性映画製作者を応援することを掲げた本映画祭らしい、女性に優しい企画の一環だ。

 本作は、98歳の母ジョセフィーン・ベラスコのもとに戻った75歳の息子エディ・ベラスコの暮らしを追ったもの。音楽業界で働き、あちこちで暮らした息子も年をとり、98歳になった母の近くに住むようになったらしく、頻繁に訪れ、いっしょに時を過ごす。明るくウィットに富んだ母と奔放に暮らしてきたらしい息子とも元気だが耳は遠く、シャウトするように交わされるユーモラスな会話が楽しい。年老いた息子を、いまだに「ジュニア」と呼ぶ母に、いくつになっても変わることがない母と子の情がにじむ。だが、やはり、別れの時がやってくる。まさに笑いと涙のドキュメンタリーとなっている本作は、ウッドストック映画祭ドキュメンタリー賞、シェフィールド映画祭観客賞などを受賞している。

 本映画祭は、『E.T.』などの愛らしい子役から、女優として、またプロデューサーとしてもキャリアを積んできたドリュー・バリモアの初監督映画『ローラーガールズ・ダイアリー』をクロージング作品として現地時間3月12日に閉幕する。

 『JUNO/ジュノ』のエレン・ペイジを主演にローラーゲームを通したガールズ・ムービーとなっている『ローラーガールズ・ダイアリー』は5月公開予定。(取材・文:山口ゆかり / Yukari Yamaguchi)

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