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ロンドン映画祭、『カムイ外伝』には行列、『空気人形』には拍手喝さい-日本映画も好評のうち閉幕!

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ジョン・ハート
ジョン・ハート - Photo:Yukari Yamaguchi

 第53回ロンドン映画祭が現地時間29日に閉幕し、受賞結果が発表された。ベスト・フィルム賞はジャック・オーディアール監督の映画『ア・プロフィット』(英題)、ザ・サザーランド賞はスキャンダー・コプティ、ヤロン・シャニ共同監督の映画『アジャミ』(原題)が獲得した。

 今年新設された、オリジナルで創造的な作品に与えられるベスト・フィルム賞には、アンジェリカ・ヒューストンを審査員長とした6人の審査員によって、オーディアール監督のスリリングな犯罪ドラマ『ア・プロフィット』(英題)が選ばれた。またジョン・ヒルコート監督『ザ・ロード』(原題)にも、息をのむ映像、素晴らしい演技、メッセージ性に対して賛辞が寄せられた。本映画祭中、最も歴史ある賞で1958年に設けられた、初監督作品に送られるザ・サザーランド賞は、ノミネート10作品からコプティ、シャニ共同監督の『アジャミ』(原題)が獲得。弟が行方不明の刑事や、違法入国のレストラン店員など、それぞれに進むストーリーが、ほんの小さな偶然から一つにつながり、一気に悲劇的な結末へとなだれ込むラストが圧巻の作品だ。

 ドキュメンタリー映画賞は、ヨアフ・シャミール監督が反ユダヤ主義を扱った映画『デファメイション』(英題)、今年新設の最優秀イギリス新人賞には、ひと夏のティーンエイジャーたちの冒険を描いた映画『ザ・スカウティング・ブック・フォー・ボーイズ』(原題)の脚本家ジャック・ソーンが選ばれた。また映画界への貢献に対し、イギリスの俳優ジョン・ハートと、マリ共和国の監督スレイマン・シセに、BFIフェローシップが与えられた。

 各国の秀作が一般公開を待たずに観られる場でもある本映画祭では、日本映画の人気も高かった。キャンセル待ちの行列ができた崔洋一監督の映画『カムイ外伝』、上映後に拍手が巻き起こった是枝裕和監督の映画『空気人形』、鮮烈な長編デビュー作映画『ジャーマン+雨』に続き2年連続参加となる横浜聡子監督の映画『ウルトラミラクルラブストーリー』も上々の集客となった。(取材・文:山口ゆかり / Yukari Yamaguchi)

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