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山形出身の歌姫!夢は新宿コマ劇場で歌うこと!渚ようこ、自力でリサイタル開催に至るまで

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熱唱します-渚ようこ
熱唱します-渚ようこ - Photo:Harumi Nakayama

 2008年末に52年間の歴史に幕を下ろした東京・新宿コマ劇場を、独力で借り切った歌手のその日を追ったドキュメンタリー映画『新宿伝説-渚ようこ☆新宿コマ劇場ゲバゲバリサイタル』が、開催中の山形国際ドキュメンタリー映画祭2009で上映された。

 歌手の名は、山形県白鷹町出身の渚ようこ。1994年にデビュー後、クレイジーケンバンド横山剣プロデュース「Yoko legance 渚ようこの華麗なる世界」や俳優・半田健人とデュエットした「かっこいいブーガルー」をリリースし、昭和歌謡の担い手として活躍する一方で、新宿ゴールデン街のバー「汀」のママでもある。

 そんな渚の夢は、「阿久悠に作詞してもらうこと」と「新宿コマ劇場で歌うこと」の2つ。故阿久氏とのコラボは2006年にリリースしたミニ・アルバム「HEY YOU!」で実現した。しかし、演歌の殿堂として知られ、かつて美空ひばり北島三郎がホームグラウンドにしていた新宿コマ劇場の方は、簡単にかなう夢ではない。

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 しかしコマ劇場の閉館を知った渚は、レコード会社や所属事務所に頼ることなく、独力で借りるべく行動に移す。渚の思いを知ったコマ側も異例の、2008年10月3日にリハーサル、同10月4日にリサイタルという日程を空けた。さらに、若松孝二監督やフォーク歌手の三上寛内藤陳ら新宿の仲間たちが共演というカタチで渚をサポートすることに。本作で自らカメラを持ち、舞台ウラを記録した映像作家かわなかのぶひろ監督もその一人だ。

 かわなか監督は「渚が新宿に出て来て、何をしたらいいのかわからない不安定な時期があった。彼女を見ていて、世代は違うけど、心は似ているなと思った。彼女とは(東京造形大教授時代の)教え子がバーに行っていて知り合ったんだけど、僕のような上の世代と、学生のような下の世代をつないでいく不思議な魅力がある。男には、なかなかそれができないんだけどね」と渚の魅力を語った。

 念願のリサイタルまで準備期間は1年あったが、渚は「未経験のことがたくさんあって、ものすごいプレッシャーだった。資金や人間関係で押しつぶされそうになり、加えてチケットの売り上げが伸びず、どうしよう!? と思った」という。結果当日は、1,800人を動員。約1,000万円の制作費も無事に完済した。渚は「当日一日は恍惚(こうこつ)の時間になった。幸せなリサイタルになりました」と振り返る。

 その恍惚(こうこつ)のひとときを再現するかのようにこの日は、中川レオの「かもねぎ音頭」「ダンチョネ節」「白い朝」の3曲を熱唱するミニライブも開催。立ち見も出た客席からは、地元が生んだスターに拍手喝采(かっさい)が送られていた。(取材・文:中山治美)

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