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ポン・ジュノ監督を直撃!ウォンビン起用の理由など激白

第62回カンヌ国際映画祭

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ポン・ジュノ監督
ポン・ジュノ監督 - Photo:Harumi Nakayama

 映画『母なる証明』(今秋日本公開)が第62回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門に出品されている韓国のポン・ジュノ監督が現地時間18日、インタビューに応じ、ウォンビンの起用理由などを明かした。

 ポン・ジュノ監督長編4作目となる本作は、韓国の母と称される女優キム・ヘジャの、美ぼうの内側に秘めた感情の激しさと繊細さにインスピレーションを受けて企画した、キム・ヘジャありきの作品。そのキムが、殺人容疑がかかった息子を救うべく奔走する母親を演じ、究極の母子愛を描いている。ポン・ジュノ監督は「母親役は決まっていたが、息子役を誰にすべきか? この母親が爆発するようなきっかけを作る息子の存在は、物語にとって重要だった」と息子役の人選に苦慮したという。

 その中でウォンビンに白羽の矢を立てたのは、まずは彼が韓国の江原道という地方出身であることもポイントだったという。ポン・ジュノ監督は「物語の舞台となるのが韓国の田舎町なので、自分よりもウォンビンのように田舎で育った若い人の心情を理解できるのでは? と思ったんです」と言う。

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 また、実際にウォンビンに会ったときの印象から、息子役にふさわしいと確信したと言う。「息子役はちょっとマヌケでナイーブで、また、いざというときにあいまいな態度をとったり、無責任な一面も持っている。彼に会ったとき、内面にそれらの素質を持っているのを感じて、彼ならこの役ができると思ったんです。なので、今から日本のウォンビン・ファンにはお詫びをしておきますが、いつものハンサムな彼ではなく、ちょっと天然が入った彼をお見せしてしまいますが、すいません(笑)」とちゃめっ気たっぷりに語った。 

 映画は、ポン・ジュノ監督の出世作となった『殺人の追憶』と同じく殺人事件を扱っているだけに比較されがちだが、ポン・ジュノ監督は「主題として扱っているテーマがまったく違う」と力説する。「『殺人の追憶』や『グエムル-漢江の怪物-』は、意図的に外に向けてどんどん物語を拡散させていったんです。例えば『グエムル-漢江の怪物-』はモスターの話が、家族や社会へと広まり、最後はアメリカをも巻き込む展開となった。今回はその手法とはまったく真逆で、ディテールをどんどん消していって、母子の関係に集中させていくという描き方でした。今回は社会風刺とか時代背景とかすべてを忘れて作りたかったんです」と説明する。

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 映画の評判は上々で、公式上映でスタンディングオベーションを受けた際には、ポン・ジュノ監督夫人が泣き崩れて、席から立てなくなってしまったほどだった。ポン・ジュノ監督は「妻が泣いていたのは映画に感動したとかではなく、大変だった製作を思い起こさせたんだと思いますよ。でもそうして苦労させた関係者や俳優たちとその瞬間を分かち合えたのは、ステキな時間でした」と満面の笑みで語った。同作品は5月28日に韓国での公開を控えており、カンヌの勢いがそのまま興行につながるか期待されている。(取材・文:中山治美)

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