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元大統領とテレビ司会者の舌戦!名優が『フロスト×ニクソン』を語る

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フランク・ランジェラ
フランク・ランジェラ - Photo:Nobuhiro Hosoki

 映画や舞台などオールマイティーに活躍する名優フランク・ランジェラが、新作映画『フロスト×ニクソン』について語ってくれた。

映画『フロスト×ニクソン』

 アメリカを揺るがしたウォーターゲート事件によって、大統領辞任に追い込まれたリチャード・ニクソン(フランク)。沈黙を守っていた彼が政界復帰をもくろみ、イギリスやオーストラリアで活躍するテレビの司会者デビッド・フロスト(マイケル・シーン)とのインタビューに挑むことにする。劇中の舌戦は素晴らしく、オスカーも有力視されている。

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 「舞台だと、観客に見やすい場所に立ったり、大げさなジェスチャーを取る場合があるが、映画のようにカメラが近くにあると、まゆを動かすだけで、何かを主張することができる。映画は内面的に入り込める利点があるからこそ、素晴らしいと思うんだ」と語るフランクは、本作の舞台版でもニクソンを演じた。

 ロン・ハワード監督との仕事については「俳優経験のある監督だから、俳優にはいつも輝いてほしいと思っている人物さ。ロン監督は映画だからといってシーンを変化させる必要はなく、ゆっくりと時間をかけて、舞台をやっていたときのリズムで演じてほしいと言ってくれてね。ロン監督はこの映画を作るのにぴったりの人物だよ」と絶賛する。

 一般的な評価と違って、劇中のニクソンはどこか感傷的で、ユーモアすら感じさせる。「舞台と映画でずっとニクソンを演じてきたことで、わたしの中に彼を援護したり、同情的になってしまう部分が生まれたのかもしれないね。わたしはニクソン成り切ろうとはせず、自分の想像するニクソンにしたわけだ。何せ舞台で2年間も彼を演じてきたからね。だからロン監督がどんなシーンを投げかけてこようと、自分の反応をニクソンの反応として自然に取り入れることができたんだ」と長きにわたりニクソンを演じた経験が、自らを納得させる演技に結び付いたことを明かした。

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 ブッシュ政権の失態が明らかとなった昨今に、本作を公開するのは妥当だろうか。「この映画を政治的作品とは思っていないんだ。個人的にはサバイバル映画だと考えていて、二人の男がそれぞれの仕事で再起を図ろうと躍起になっている姿があるんだよ。その感情は普遍的なもので、誰もが抱えているものだと思うんだ」と意外な答えを返してくれた。(取材・文:細木信宏 / Nobuhiro Hosoki)

映画『フロスト×ニクソン』は2009年3月よりシャンテ シネほかにて全国公開

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