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ジェイミー・フォックスが語る、「僕が世界平和のためにできること」

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ジェイミー・フォックス
ジェイミー・フォックス

 10月13日から公開されている映画『キングダム/見えざる敵』で、常に冷静なFBI捜査官をタフに演じたジェイミー・フォックスが、この作品で提示されている"アメリカの現実"を語った。

「僕たちの国で、911という恐ろしいテロが起きた。でも、あのときに僕らが感じた恐怖と、日本の人たちが感じた恐怖は、まるで違うと思うんだ。すごく遠いところで起こっていたことだからね。どんなときでも、人が悲劇を見たとき、みんな自然と気の毒に感じる。そうだろ?」

 確かに、911が起きたあの日、われわれ日本人はブラウン管に流れる映像を、ぼうぜんと眺めているだけだった。そしてジェイミーはこの日を境に、アメリカ国民は“外側の人間”から“内側の人間”になったのだと言う。

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 「この映画のすごいところはまさに、そこにあるんだよ。僕が演じたロナウドは、どんなシチュエーションにも慣れているFBI捜査官で、爆発が起きても“爆発が起きた”で終わる。でもその爆発に、自分の親友が巻き込まれたことが分かったときに、それが他人事ではなくなるんだ。それは、まさに今のアメリカの姿だと思う。僕らだって911が起こるまで、世界で起きているテロや爆発を外側から見ている気分だった」

 ただ、“戦争”を外側から見ていたアメリカが、内側の人間となってしまった日。この映画のラストでは、衝撃的なセリフが、わたしたちに"終わらない憎しみの連鎖"という大きな課題を提示している。それは、いまだ“外側”の人間である日本人も考えなければいけない、世界全体の問題だ。

 「日本の皆さんが、この映画を観てどう感じるか。僕には予想がつかないけど、ただ政治的な話は全部抜きにして、考えて欲しい。誰かがあなたを攻撃したとき、すぐにやり返していいのか? 大切なのは、誰かがあなたを攻撃したときに、まず“なぜ自分は攻撃されたのか”。それをよく考えなければいけないんだ」

 4年間続いているイラク戦争で、アメリカ兵の死者はすでに2000人を超えている。最後にジェイミーは、「俳優として僕にできることは、真実をよく知り、そして役柄や映画を通して人々に演技で伝えることなんだ。そして、映画を観た人たちに考えてもらいたい。日本もアメリカも民主主義なのだから、国民が変えようとすれば、少しは変化が訪れると思う。だから僕は、僕という役者を好きでいてくれる人たちに、PEACE(平和)が一番だということを、声を大にして伝え、そして背中を押していきたいんだ」と語った。

『キングダム/見えざる敵』は、スバル座ほかにて全国公開中
オフィシャルサイトkingdom-movie.jp

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