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ジブリ美術館館長に直撃! この夏ジブリが贈る『アズールとアスマール』のヒットの秘密とは?

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公開第1週目よりも2週目のほうが、観客動員が伸びている三鷹の森ジブリ美術館配給の『アズールとアスマール』
公開第1週目よりも2週目のほうが、観客動員が伸びている三鷹の森ジブリ美術館配給の『アズールとアスマール』

 この夏、渋谷・シネマアンジェリカなどで上映中の長編アニメーション作品『アズールとアスマール』が、映画ファンの間で話題を呼び、大ヒットを記録している。同作を配給する三鷹の森ジブリ美術館の中島清文館長に作品の持つ魅力や、“三鷹の森ジブリ美術館ライブラリー”について話を聞いた。

 『アズールとアスマール』は、2人の少年が不思議な世界を冒険しながら、成長を遂げるファンタジー。物語の面白さはもちろん、フランスアニメーション界をリードするミッシェル・オスロ監督が作り出す圧倒的な映像美も見どころだ。しかし本当の意味で、この作品が観る人の心をつかむ理由は別にあると中島館長は語る。「作品の裏に、異文化間の偏見がいかに作られるものなのか、また“常識を疑え”っていうメッセージが描かれています。面白い、美しいってだけじゃなく、2度、3度と観るたびに発見がありますね」と作品に散りばめられたスパイスについて教えてくれた。

 観ればその良さが分かる。そんな『アズールとアスマール』を支えているのが、口コミのパワーだ。実際、公開第1週目よりも2週目のほうが、観客動員が伸びているそうで、派手な宣伝が目立つ最近の映画界では、珍しいヒット現象を生み出している。「意義のあるテーマを描いた作品なので、できるだけ多くの人に語ってもらい、その“声”を発信しようと考えました。ブログでの評価もいいし、そういう声がもっと広がっていけばいいなと思っています」と中島館長。

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 「たくさんの声を発信したい」という思いの一環として、毎週火曜日、劇場でさまざまなゲストを迎えたトークイベントが行われている。ホスト役を務めるのは、中島館長だ。「毎回、大変なんですよ」と照れながら語るが、ゲストとのトークを通して、作品の見どころを引き出す姿は、まるで“宣教師”のよう。中島館長自身が『アズールとアスマール』にほれこんでいるのが、よく分かる。

 映画配給とともに、三鷹の森ジブリ美術館ライブラリーが行っているのが、過去の名作を中心にしたアニメーション作品のDVDリリースだ。現在、若き日の宮崎駿、高畑勲に影響を与えた名作『王と鳥』、オスロ監督の『キリクと魔女』『プリンス&プリンセス』など5タイトルが発売されている。「優れた作品にちゃんとスポットをあてることは、とても意義がある」と語る中島館長。今後も、ライブラリーの名にふさわしいクオリティの高い作品がDVD化される予定だ。

 印象的だったのは、繰り返し語られる「意義がある」という言葉。単に映画をヒットさせるだけではなく、優れた映像が持つパワーを信じ、それを広く伝えていこうとする三鷹の森ジブリ美術館ライブラリーのポリシーが強く感じられた。超大作やシリーズものが幅を利かせる最近の映画界にあって、純粋な視点で楽しみ、考えることができる『アズールとアスマール』はより多くの観客に広がってほしい、見ごたえある作品だ。

『アズールとアスマール』は渋谷・シネマアンジェリカほかにて絶賛公開中。
*8月14日、19:30の上映前に、テリー伊藤と千原ジュニアを迎えたトークイベントが開催されます。
オフィシャルサイト ghibli-museum.jp

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