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クセが強すぎなキャラクターにアッと驚く!『代理教師 / The Substitute』

10分の極上無料短編映画体験

ブリリア ショートショートシアター オンライン × シネマトゥデイコラボ企画

 3月に入り、木々の色や風の匂いに春を感じるようになってきた。こんな季節は屋外に出かけたくなるもの。密は避けながらも適度に気分転換をしたいところだ。さて、ショートフィルム専門のオンラインシアター Brillia SHORTSHORTS THEATER ONLINE(BSSTO)では、今月も世界の傑作ショートフィルムをセレクション。毎週水曜日に1本ずつ公開している。3月14日はホワイトデーということもあり、未来に希望を感じる恋物語も配信する。日常の散歩と同じくらい自然に短く、映画で気分転換を図ってみてはいかがだろうか?

癖が強すぎイタリア映画『代理教師 / The Substitute』

代理教師
『代理教師 / The Substitute』より

『代理教師 / The Substitute』
監督 アンドレア・ジュブリン
製作年 2006年
製作国 イタリア
上映時間 約16分
配信期間 3月3日~6月2日

 高校の教室に現われた、やりたい放題のエキセントリックな1人の男。一体この男は何者? そしてデルピエロのサインボールの行方はいかに!?

 高校の教室に突如現れたハイテンションな男。自らを代理教師だと言うその男は、生徒たちをからかい、あおり、混乱を巻き起こす。男の傍若無人ぶりと無茶苦茶な展開に、初めて観たときには目が点になった。しかし、少し時間を置いて改めて鑑賞してみると、今度は男の背景を想像し、なかなか深いことを描いているのではないかとうなった。

 この映画は、「社会人」として生きていく中でため込むストレスや我慢を描く。そして理不尽に直面しても営業スマイルで体よくやり過ごし、その理不尽を別の誰かに転嫁するわたしたちの姿を告発する。「行動する難しさに悩むすべての人に捧げる」というテロップが言い得て妙。誰にでも少なからず共感できる部分があるのではないだろうか。

 男のラストシーンの一言がとても良い。最後までじっくりご覧いただきたい。

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どん底な男に訪れたときめく出会い『バス停留所 / Bus Stop』

バス停留所
『バス停留所 / Bus Stop』より

『バス停留所 / Bus Stop』
監督 ジェイミー・シムズ
製作年 2014年
製作国 イギリス
上映時間 約12分
配信期間 3月10日~6月9日

 クビになった男と、フラれた女。見ず知らずの2人がバス停で出会ったのはきっと必然。彼らが思いつきで始めた小さな町の観光ツアーには、ちょっぴりビターな結末が。

 目は口ほどに物を言うというが、恋の始まりを描く方法でもっともポピュラーな方法の1つは目と目の会話に違いない。相手の息の音が聞こえそうな距離。出会って間もない2人が、互いをじっと見つめることで艶めいた何かが生まれる予感がする。場所は郊外の街のファストフード店だけれども。映画のような恋の始まりが実社会にあるかどうかはわからないが、気になる相手がいたら目で伝えることを意識してみよう

 ちなみに、ちょっとビターな結末とあらすじにあるが、ラストシーンの「音」に気が付くと、実はその後に期待を持たせるエンディングだとわかる。

新居に現れたアレの正体は…?『不思議な黒いシミ / This is she』

不思議な黒いシミ
『不思議な黒いシミ / This is she』より

『不思議な黒いシミ / This is she』
監督 タリク・カラム
製作年 2015年
製作国 アメリカ
上映時間 約10分
配信期間 3月24日~6月23日

 引っ越してきた先のアパートで見つけた不思議な黒い“染み”と、ゲームを始めた女の話。

 新しい街、新しい仕事で新しい人生の一歩を始める女性が主人公のショートフィルム。女性はどこか浮かない表情で、新生活の背景には大人の事情が見え隠れする。そんな彼女の部屋に、「シミ」が現れる。シミと言うには立体的で、触ると弾力がある。まるで生き物のようだ。シミは部屋の中の壁を自らの意思で移動しているようで、最初は気味悪がっていた彼女も次第にシミとの同居を受け入れていくようになる。

 原題が示すところは、シミは彼女自身を投影した幻想ということだろうか。謎解きのようにも感じられ、さまざまな角度で解釈を試みられる作品だ。

 超大作の長編映画と違い、ショートフィルムの多くは日常を舞台にしている。わたしたちの暮らしの中にある疑問や、クスリと笑える一瞬一瞬を、あるときは大胆に、あるときは緻密に映画に再構成する。どの作品でも描かれているのは、どこかわたしたちの暮らしの中にも通じる物語だ。

 退屈しがちな日常にも、物語は潜んでいる。日々の暮らしを時折見方を変えて楽しんでみよう。ありふれた日常の中に、幸せも笑いも感動も悲しみも怒りもあるはずだ。物語を浮かび上がらせる感性を意識して保ってみたい。(大竹悠介)

今回紹介した各作品は「Brillia SHORTSHORTS THEATER ONLINE」で配信予定。

Brillia SHORTSHORTS THEATER ONLINE公式サイト

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