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“いる”だけでストーリーが生まれる 多くを語らぬ男の、爆発力と訴求力~佐藤勝利

銀幕のジャニーズ

 映画で活躍する銀幕ジャニーズの俳優としての面にフォーカスして、デビュー作から最新作まで、どんな俳優なのかを見ていきます。第14回は、Sexy Zone佐藤勝利。(文・新亜希子)

 2010年、ジャニーズ事務所に入所。2011年11月16日、Sexy Zone のメンバーとして15歳でCDデビュー。俳優としては、映画、ドラマ出演のほか舞台でも活躍。2017年公開の『ハルチカ』にて映画初出演、橋本環奈とダブル主演を務めた。

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映画デビュー作:『ハルチカ』(当時20歳)

 初野晴による小説「ハルチカ」シリーズを原作としているが、映画はオリジナルストーリーで展開する。弱気な少年ハルタ(佐藤)と、幼なじみのチカ(橋本)が、吹奏楽を通して気持ちをつなげてゆく青春ラブストーリー。少しずつ距離が近づいてゆく二人の胸キュンシーンは“吹キュン”と表現された。吹奏楽の演奏シーンはほぼ生演奏で撮影され、佐藤はホルンを、橋本はフルートを担当。佐藤はのちに、自身のライブでもホルン演奏を披露している。

ドラマデビュー作:「ハングリー!」(当時15歳)

 ミュージシャンを目指していた青年が、母の死をきっかけにフレンチレストランをオープンすべく奮闘するストーリー。主人公・英介役を務めたのは向井理。佐藤は、英介の作る料理の虜になった千絵(瀧本美織)の弟、素直でマイペースな佐助を演じた。

映画俳優としての主な活躍:

 今後の飛躍を期待する若手として、佐藤勝利をピックアップしたい。とにかく、成長し続けている俳優だ。そして佐藤の芝居には、彼にしか出せない“味”がある。

 恵まれたルックスと、圧倒的かつ絶対的な主人公感を持っていながら、佐藤がこれまで多く演じてきたのは“じゃないほう”の青年だ。ごく普通、冴えない、弱虫、まるで空気……。だが佐藤には、そうした主人公的ではない役をヒーローにする力がある。

 『ブラック校則』のマイクを握りしめ、生徒たちに想いをぶつけるシーンでは、弱々しくとも、頼りなくとも、間違いなくその瞬間、佐藤演じる創楽はヒーローだった。佐藤の魅力である優しい声が、荒々しく絞りだされ、感情のままに震えるさまは、視聴者の胸を揺さぶった。訴求力がある俳優だ。

 佐藤自身、多くを語る男ではない。だからこそ、内に秘めた情熱が爆発したとき、計り知れない威力を発揮する。純度の高い、少年性の残るルックスと、不意にみせる儚げな表情、強くも脆(もろ)くも見える不思議な瞳は、観る者を惹きつけ、想像をかき立てる。“俳優”というイメージはまだ定着していないかもしれないが、そこにいるだけでストーリーが生まれる、稀有な存在だ。

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最新作:『ブラック校則』(2019年11月1日公開)小野田創楽役

 佐藤の単独初主演映画。社会的問題となっている「ブラック校則」をテーマに、空気のような存在だった主人公が、想いを寄せる女生徒を救うべく理不尽な校則に立ち向かう。映画と一部並行し、日本テレビ系シンドラ枠でオリジナルストーリーが展開。Huluでの配信も行われるという、新しい試みが話題となった。

 物語の舞台は、理不尽な校則で生徒を縛り付ける「ブラック校則」が存在する光津高校。佐藤演じる創楽は、生まれつきの栗色の髪を黒く染めるよう強要される町田希央(モトーラ世理奈)との出会いをきっかけに、校則を変えようと思い立ち、奮闘する。

 創楽の想いに共感し、協力・助言するクラスメイト・月岡中弥役を King & Prince高橋海人、光津高校の生徒会副会長であり、不良グループのボス・松本ミチロウ役をSixTONES田中樹が担った。佐藤、高橋、田中は母校が同じであり、本作ほどではないものの、校則は厳しかったという。(高橋海人の「高」は「はしごだか」が正式表記)

 脚本を担当したのは、大ヒット漫画「セトウツミ」で知られる此元和津也。現代社会にマッチした新しい形の作品として、「ジャニーズ映画」の前評判を打ち破り、幅広い層に受け入れられた。

フィルモグラフィー(映画)

『ハルチカ』(2017年3月4日公開)上条春太役(劇中でホルンを演奏。練習では、一度目から音を出すことができたという)

『ブラック校則』(2019年11月1日公開)小野田創楽役(映画・ドラマとも主題歌は Sexy Zone「麒麟の子」を起用)

■フィルモグラフィー(ドラマ)

「ハングリー!」(2012年1月10日 - 3月20日)大楠佐助役

「SUMMER NUDE サマーヌード」(2013年7月8日 ‐ 9月16日)谷山駿役

「49」(2013年10月5日 - 12月28日)加賀美暖役

「吾輩の部屋である」第6話(2017年10月24日)自転車役(声の出演)

「99.9-刑事専門弁護士-SEASONII」(2018年1月14日 - 3月18日)尾崎雄太役

「Missデビル 人事の悪魔・椿眞子」(2018年4月14日 - 6月16日)斉藤博史役

「ブラック校則」(2019年10月15日 - 11月26日)小野田創楽役

「誰も知らない明石家さんま第6弾」特別ドラマ「笑顔に会いに行く道」(2020年12月13日)大竹二千翔役

「でっけぇ風呂場で待ってます」(2021年1月25日スタート)梅ヶ丘龍大役

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