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あらためて!『千と千尋の神隠し』魅力&裏話&すごいとこ

今週のクローズアップ

 2001年7月に公開された宮崎駿監督、スタジオジブリによる映画『千と千尋の神隠し』。現在空前の大ヒットを記録している『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』に抜かれはしたものの、日本国内の歴代映画興行収入ランキング1位の座を20年近く守り続けた名作アニメーションの魅力を改めて振り返っていきます。(編集部・海江田宗)

■みんなが元気をもらえる少女・千尋の成長記

千と千尋の神隠し
Studio Ghibli / Disney / Photofest / ゲッティ イメージズ

 原作・脚本・監督を務めたのは宮崎駿。引っ越しの途中に神々が暮らす不思議な町に迷い込んだ10歳の少女・千尋が、掟を破って豚にされてしまった両親を助けるために奔走します。最初は無気力で弱々しかった千尋ですが、自分の名前さえ忘れてしまいそうな過酷な状況でも踏ん張り、少しずつ成長を遂げていきます。

 柊瑠美が千尋の声を務め、千尋が出会う少年ハクの声は入野自由が担当しました。ほかにも湯婆婆/銭婆役で夏木マリ、番台蛙役で大泉洋、千尋の両親役で内藤剛志沢口靖子らが参加。泣き出しちゃうと怖すぎる大きな赤ちゃんの坊は神木隆之介が声を吹き込んでおり、その可愛い声は必聴です。

 音楽を手がけたのはジブリ作品に欠かすことのできない作曲家・久石讓です。主題歌は木村弓が繊細に歌い上げた「いつも何度でも」。出だしの歌詞を読むだけで自然とメロディーが頭に浮かぶ人も多いのではないでしょうか。

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■心に残る名セリフの数々!

千と千尋の神隠し
Studio Ghibli / Disney / Photofest / ゲッティ イメージズ

 同じく宮崎駿監督作品の『もののけ姫』はついつい日常生活で使ってしまうほどセリフが最高でしたが、『千と千尋の神隠し』にも名セリフが多数登場します。2019年に「金曜ロードSHOW!」(日本テレビ系)で放送された際にはデータ放送企画「名セリフdeキター!」が実施され、投票総数958万7,792票(推定)が集まって名セリフのランキングTOP5が決まりました。

 1位は千尋が銭婆の元へ向かう際に先輩・リンが千(千尋)に言った「セーン! お前のことドンクサイって言ったけど、取り消すぞー」(93万923票)、2位は釜爺の「エンガチョ」(85万9,681票)、3位は湯婆婆の「ん~~~! 湯屋一同、心をそろえて引けや~~、それェッ!」(81万2,995票)、4位は千尋の「ハクー、しっかりィーッ!! こっちよー」(80万314票)、5位は湯婆婆の「ずいぶん、生意気な口をきくねぇ いつからそんなにエラくなったんだい」(77万2,891票)でした。

 みなさんもそれぞれ心に残っているセリフがあるのではないでしょうか。ちなみに私は「湯屋一同、心をそろえて引けや~~」の後にオクサレさまかと思われた神様が湯から出てきて言った「よきかな」がお気に入りです。温泉に入っている時はいつもあの神様の顔が頭に浮かび、同じような顔になって「よきかな」としみじみとつぶやいてしまいます。いちおう誰にも聞こえないように小声で言ってます。

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■世界的評価もすごい!

千と千尋の神隠し
Studio Ghibli / Disney / Photofest / ゲッティ イメージズ

 日本だけでなく北米をふくめ全世界で公開されました。第75回アカデミー賞では長編アニメ映画賞に輝き、世界三大映画祭の一つであるベルリン国際映画祭の最高賞・金熊賞も獲得しています。日本のアニメーションのクオリティーの高さを世界に知らしめた作品と言っても過言ではないでしょう。

 2016年にイギリスの大手メディアBBCが発表した「21世紀の偉大な映画ベスト100」では見事4位にランクイン。同年にアメリカの映画サイト「The Playlist」が発表した21世紀のアニメーション映画ベスト50では栄えある1位に輝いており、世界中の映画ファンから愛されていることがうかがい知れます。同サイトは「グロテスクで恐ろしく、スリリングで美しいという、西洋のアニメーションを観て育った誰にとってもとても異質な作品」と評しています。

 世界的歌姫のアリアナ・グランデも自身の腕に千尋のタトゥーを入れており、『スピリテッド・アウェイ/Spirited Away』の英題で公開された本作のファンは世界中にいるようです。

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■夏木マリは鈴木敏夫Pをイメージして湯婆婆を演じていた!

千と千尋の神隠し
Studio Ghibli / Disney / Photofest / ゲッティ イメージズ

 数々のキャラクターが登場する『千と千尋の神隠し』ですが、特に強いインパクトを与えるのは千尋が働くことになる湯屋「油屋」を取り仕切っている湯婆婆でしょう。あの顔の大きさに声の恐ろしさ、魔法、そしてダッシュのスピード……。正直、上司にはなってほしくないです。対峙して「ここで働かせてください!」と言い切れる千尋の勇気には毎回感服してしまいます。

 そんな湯婆婆に声を吹き込む際、夏木マリは本作の鈴木敏夫プロデューサーをイメージしていたんです。2019年に開催された「鈴木敏夫とジブリ展」のプレス内覧会に夏木と鈴木プロデューサーが出席した際にアフレコ時のことについてコメントしていました。

 夏木は宮崎監督から「ジブリの一番上には鈴木敏夫という金勘定をしている人間がいるのですが、悪役だと思って張り切ってやらないで、湯屋を立て直す一人の女性として、働く女性としてやってください」と言われたそう。それに対して鈴木プロデューサーは「ジブリを経営しているのは僕じゃないですか。それでいうと湯屋を経営しているのは湯婆婆だから、(宮崎は)アニメーターにも鈴木だと思って描くように指示していたし、夏木さんにもそういう風に言ったんだと思う」と解説していました。

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■やっぱり『千と千尋の神隠し』はイイ!

 「あれ、私の好きなシーンに触れてない」「『千と千尋の神隠し』だったらあのキャラだろ!」。様々な意見あると思います。記事を書くにあたり改めて観てみたら、また新しい発見がありました。今まで気づいてなかった不意にグッとくるセリフ、あの千尋の表情、入りたくなる温泉……。やっぱり『千と千尋の神隠し』はイイです。

 『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』の歴代映画興行収入ランキング1位の更新、誠におめでとうございます。そんな時だからこそ、また『千と千尋の神隠し』の世界に浸りにいくのも、よきかなぁ……。

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