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『スター・ウォーズ』旧3部作とのリンク連打!

今週のマンダロリアン

 世界中の『スター・ウォーズ』ファン絶賛のスピンオフ「マンダロリアン」のシーズン2がついに配信開始! 1話ごとの見どころを毎週解説します。チャプター9(シーズン2第1話)の舞台は、懐かしのあの惑星。あの人気キャラクターが登場する!? (文:平沢薫)

※ご注意:このコンテンツは、「マンダロリアン」シーズン2についてネタバレが含まれる内容となります。後半の「もう観ちゃった方向け」はご注意ください。

今週のマンダロリアン(シーズン2)連載:第1回

<これから観る方向け:ネタバレなし>ジョン・ファヴローが前シーズンに続き参戦!

(C)2020 Lucasfilm Ltd.

 マンダロリアンとは、『スター・ウォーズ』旧3部作で敵キャラクターなのに絶大な人気を集めた賞金稼ぎ、ボバ・フェットの属する戦闘集団の名称。その一員である孤高の賞金稼ぎ、通称マンドー(ペドロ・パスカル)と、ヨーダと同じ種族の孤児、通称ザ・チャイルドの旅を描く大人気作が、ついにシーズン2に突入。

 チャプター9(シーズン2第1話)となる本作では、シーズン1のクリエイターであるジョン・ファヴローが、本作で初めて監督に着手。脚本は何話も書いている彼が、これだけは監督したかったに違いない、『スター・ウォーズ』愛がたっぷりあふれる1編になっている。

 作品の尺も、現時点でこのシリーズ最長。このシリーズは配信作品の特質を生かしてエピソードごとに分数が異なり、これまで31分から47分までさまざまだったが、今回は52分。その長さに相応しいスケールの大きさも必見だ!

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<もう観ちゃった方向け:ネタバレあり>舞台はタトゥイーン!きっとこうだったであろう光景の連打に感涙!

(C)2020 Lucasfilm Ltd.

 シーズン1が旧作とのリンク満載だったので、今回もそうだろうとは予測していたが、それにしてもここまで詰め込んでくるとは! この大量すぎるリンクファヴロー監督の『スター・ウォーズ』愛の現れだろう。

 まず、なんと第1話からボバ・フェットが登場。最初は、保安官コブ・ヴァンス(ティモシー・オリファント)が装着しているアーマーの形で登場。敵との戦闘時、マンドーが背中のジェット・パックを誤作動させるシーンは『スター・ウォーズ/帝国の逆襲』でハン・ソロ(ハリソン・フォード)が誤作動させるシーンのオマージュだろう。そして、ラストシーンでは素顔で登場。ボバはジャンゴ・フェットのクローンなので、ボバを演じるのは、新3部作でジャンゴを演じたテムエラ・モリソン大人になったボバがアーマーなしで描かれるのは『スター・ウォーズ』史上初になる。

 そして、今回の敵として登場するクレイト・ドラゴンは、『スター・ウォーズ/新たなる希望』で砂漠に横たわる化石として登場、オビ=ワン・ケノービ(アレック・ギネス)がタスケン・レイダーからルーク(マーク・ハミル)を救う時に発声した吠え声は、このドラゴンの声だった。また、『スター・ウォーズ/新たなる希望』のデス・スター攻撃の作戦会議で標的が小さいという話が出た時、ルークが故郷ではもっと小さいウォンプ・ラットを撃っていたと言うが、その生物はマンドーが町に入る時に2匹で姿を見せる

 ほかにもガモーリアンアビシンなど旧作に登場した種族や、R5ユニットなど旧作のドロイドが多数登場、さらに濃いファン向けのアイテムもある。その一つは、シーズン1に出てきて喝采を浴びたカムトーノ。『スター・ウォーズ/帝国の逆襲』のクラウドシティの市民が抱えていた容器で、実は旧式のアイスクリーム製造機だが、SW世界では貴重品の保管庫。シーズン1の第3話ではマンドーへの賞金が保管されていたが、今回は保安官が思い出話の中で盗んで逃げる。さらに、ボツになった幻のキャラクターまで登場。『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』に登場予定でオモチャも発売されたが本編には登場しなかった、花笠に似た帽子を被ったキャラクター、ズヴィオが格闘場の客席にいる。また今回は、小説やオンラインゲームとのリンクも多く、保安官コブ・ヴァンスは小説「スター・ウォーズ アフターマス」の登場人物だ。

(C)2020 Lucasfilm Ltd.

 しかし今回、監督の『スター・ウォーズ』愛がもっとも注がれたのは、タスケン・レイダー、通称サンド・ピープルだろう。彼らに新たな光が当てられる。砂漠の遊牧民の彼らは、開拓民たちを襲う凶暴な種族だと敵視されてきた。だが、マンドーは彼らの言語を話し、彼らも実態を知っており、人々に「彼らは荒っぽいが、砂漠も過酷だ。彼らはその砂漠で何千年も生き延びてきた」「彼らは侵略者だが、約束は守る」と語る。そして、人々はタスケン・レイダーと協力することになる。

 そんな物語に相応しく、タスケン・レイダーのいる光景がいつも美しい。砂漠の夜、彼らと一緒に囲む焚き火の暖かな輝き。また観たいと思うと、もう一度登場するので、ファヴロー監督もお気に入りの光景だったのではないか。二度目には、焚き火の近くで彼らの一人が騎乗動物バンサの歯を磨いていて、彼らがこの動物を愛し、よく世話をしていることがわかる。

 また、強い陽光の下、タスケン・レイダーを乗せた数頭のバンサが砂漠を一列になって進む光景も、砂漠の広大さと静寂を際立たせて美しい。この光景には元ネタがあり、『スター・ウォーズ/新たなる希望』でオビ=ワンが「彼らは足跡から隊列の人数が推測されないように一列で進む」と言ったのを踏まえたものだが、そんなことを知らなくても、この光景はタトゥイーンに馴染んでいて、きっとこの惑星ではこうした光景がずっと繰り返されてきたに違いないと思わせる。こうして初期『スター・ウォーズ』の世界をそのまま引き継ぎながら、より広く、より深く描いてくれるのが「マンダロリアン」シリーズなのだと痛感させられる。

 今回のラストシーンを観ると、次回の中心人物はボバ・フェットだろう。ルークもアナキンも見た、タトゥイーンの2つの太陽が沈む夕暮れを見て、ボバ・フェットは何を思ったのか。早く次回が観たくてたまらない! (平沢薫)

10月30日(金)よりディズニープラスにて独占配信中
(毎週金曜日17:00に新エピソードが配信:全8話)

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