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結婚記念日プレゼントすら簡単に買いに行けない!?SSFF&ASIA2020観客賞受賞作『プレゼント / The Present』

10分の極上無料短編映画体験

ブリリア ショートショートシアター オンライン × シネマトゥデイコラボ企画

 秋の深まるこの季節、長くなった夜には、おうちで映画タイムはいかがだろうか? 世界のショートフィルムを無料配信する Brillia SHORTSHORTS THEATER ONLINE(BSSTO) では、11月も選りすぐりの短編を配信。今年9月に開催された米国アカデミー賞公認・アジア最大級の国際短編映画祭「ショートショートフィルムフェスティバル&アジア2020」(SSFF&ASIA)から、オーディエンスアワード作品など受賞作品も公開する。

パレスチナ発!占領下に暮らす親子の姿を描く『プレゼント / The Present』

プレゼント
『プレゼント / The Present』より

『プレゼント / The Present』
監督 ファラー・ナバルシ
製作年 2019年
製作国 パレスチナ
上映時間 約24分
配信期間 11月11日より
SSFF&ASIA2020オフィシャルコンペティションsupported by Sonyインターナショナル部門オーディエンスアワード受賞

 ユーセフは、結婚記念日に妻へのプレゼントを買うため、幼い娘とヨルダン川西岸地区に出かける。兵士や分離フェンス、検問が待ち構える中での買い物は容易ではないのだった。

 イスラエルによる占領下に暮らすパレスチナ人親子を描いた作品。日本ではあまり知られていないが、監督によると父親を演じたパレスチナ人俳優サレ・バクリは多くの長編映画に出演する人気俳優とのこと。

 結婚記念日のプレゼントを買いに行くだけなのだが、その道中で人間が作った不条理に直面する親子。憤りややるせなさが全編を貫くが、ラストシーンでは、たくましい希望を示してくれる。

 ショートフィルムは長編と比べ少予算で期間も短く制作できる。そのため、ジャーナリスティックな視点で、現代を映し表現できる点が魅力だ。本作もフィクションでありながら、描かれているのは紛れもないパレスチナの「いま」だ。世界中の映画作家から新作が集まる国際短編映画祭は、その時々の世界の「いま」を知ることができる貴重な機会といえるだろう。

 SSFF&ASIA2020では会場とドバイにいるファラー・ナバルシ監督を結んでオンラインQ&Aが行われた。

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幻想的なパペットアニメーション『宇宙の恋 / Cosmic Fling』

宇宙の恋
『宇宙の恋 / Cosmic Fling』より

『宇宙の恋 / Cosmic Fling』
監督 ジョナサン・ランガガー
製作年 2019年
製作国 アメリカ
上映時間 約10分
配信期間 11月18日より
SSFF&ASIA2020 CGアニメーション部門優秀賞

 小惑星で一人、スタンは宇宙ゴミを銛で回収する日々を過ごしている。魂を満たすために、夢見るのは愛だけ。ある日スタンは、彗星に取り残された宇宙飛行士、ベアトリスが通り過ぎていくのを見つける。彼女と一緒になるため、スタンは思い切った行動に出る。

 宇宙で一人ぼっちで暮らす男性と、同じく一人で漂流する女性の、パペットアニメーション。監督は本作のアイデアを10年以上も温めてきたとのこと。制作方法やファンディングの面で時間をかけて準備し、撮影に臨んだそうそうだ。

 映像にこだわっているからこそ、ストーリーはいたってシンプルに。幻想的な雰囲気を味わっていただきたい1本だ。

 SSFF&ASIA2020ではロサンゼルスにいるジョナサン・ランガガー監督とのオンラインQ&Aが行われた。

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多様性とヒューマニズムを映す映画『サミラ / Samira』

サミラ
『サミラ / Samira』より

『サミラ / Samira』
監督 シャーロット・A・ローフス
製作年 2016年
製作国 ドイツ
上映時間 約16分
配信期間 11月4日より

 通訳をしているヤノッシュは、ある日ハンブルク空港の警察に呼び出された。若いアフリカ人女性がコンテナ船に身を隠し、自殺をほのめかしているという。自殺を止めるために、ヤノッシュは彼女に力を貸すと約束するが、彼の想像を遥かに超える出来事が待っていた。

 毎月オンライン開催している「BSSTOユーザー選考会」で選ばれた作品。ヨーロッパでは移民や難民問題が今も変わらずホットなテーマ。本作ではドイツ人の主人公が、ひょんなことからアフリカからの密入国者の赤ちゃんを拾うのだが……。

 ドイツに住みながらフランスにルーツを持ち、そして性的マイノリティーでもある主人公。見た目のわかりやすさから移民や難民が問題化されやすいが、社会では多様な人間が生きていて、誰一人として同じではないことを考えさせられる。舞台を日本に置き換えたらどんな映画が作られるだろうか?

 10分から20分程度の時間があれば視聴できるショートフィルム。忙しい日常の合間にも楽しめるのが魅力だ。携帯電話の料金見直しも進んでいる昨今、移動中の電車内や、出先の屋外でも作品を観やすくなるかもしれない。

 友達や恋人とお茶をする時間に、はたまた同僚と談笑する休憩時間に。ウィズコロナの対策はしつつも、ショートフィルムの新しい利用シーンが広がったら面白いかも……!?(大竹悠介)

今回紹介した各作品は「Brillia SHORTSHORTS THEATER ONLINE」で配信予定。

Brillia SHORTSHORTS THEATER ONLINE公式サイト

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