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名作ぞろい!アガサ・クリスティのミステリー映画

今週のクローズアップ

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(C) 2020 20th Century Studios. All rights reserved

 アガサ・クリスティ好きですか? 全世界をだます「ミステリーの女王」。もはや好きとかそういう次元ではなく尊敬しちゃいます。そんなアガサ・クリスティの小説が原作の映画『ナイル殺人事件』が12月18日に日本公開されます。本当は10月23日公開だったのですが延期されてしまいました……。でも大丈夫! この特集で取り上げるアガサ・クリスティの映画を観て、新作公開まで乗り切っていきましょう!(編集部・海江田宗)

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■“意外な”怖さにびっくり『アガサ・クリスティーの奥さまは名探偵』

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『アガサ・クリスティーの奥さまは名探偵』で奥さまを演じたカトリーヌ・フロ - Eric CATARINA / Getty Images

 人気キャラクター“おしどり探偵トミー&タペンス”が活躍する「親指のうずき」を映画化。好奇心旺盛で探求しはじめたら止まらない奥様プリュダンスと、のんびりした夫ベリゼールの物語です。夫の叔母の遺品を整理していたときに見つけた一枚の風景画になぜか胸騒ぎを覚えるプリュダンス。その小さな好奇心はやがてある田舎町の忌まわしい事件を呼び覚ましてしまいます。

 夫婦はフランスの田舎にある大豪邸でラブラブで優雅な生活を送っており、出てくる田園風景もとても美しいです。“奥さまは名探偵”というフレーズから感じるコミカルなシーンもありつつ、物語の軸となる“謎の部分”はさすがアガサ・クリスティ。本格的で見応えがあります。

 そしてなんと言っても驚かされるのが夫婦のラブラブさやちょっとくだらない笑いからは想像もできないシリアスシーン。「ここだけどうした!?」ってくらいガチでシリアスです。油断しているところに突如出てくる怖さにドキッとさせられること間違いなしです。

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■絶対ネタバレはしてはいけない『情婦』

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『情婦』 写真:AFLO

 短編推理小説「検察側の証人」とそれを基にしたアガサ・クリスティ自身による戯曲を、『サンセット大通り』『七年目の浮気』などのビリー・ワイルダー監督が脚色した法廷ミステリー。原作の「検察側の証人」は1925年に発表、映画自体も1957年製作のクラシックな作品ですが、白黒なのにまったく色あせない名作中の名作です。

 毒づいているのにそれがなぜか小気味よい老練な弁護士ウィルフリッド卿が、とある殺人事件の容疑者レナードの弁護依頼を引き受けます。法廷では数え切れないほど次々に新たな証言や事実が明らかになっていき、物語は二転三転……そして予測不能のラストへとつながっていきます。

 ミステリー作品は全般的にそうですが、その中でも特にこの作品はネタバレ禁止。誰かと共有したくなるラストの衝撃は鑑賞前の人に伝えたらいけません。裁判起こされます。映画ファンなら本作の結末を知っている人も多そうですが、不用意なネタバレは絶対にやめておきましょう。最後まで観て真相を理解したあとで、クリスティやワイルダー監督が仕掛けた罠を確認しながらもう一度観るのも楽しい作品です。

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■このアリバイ、見抜けるか!?『華麗なるアリバイ』

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『華麗なるアリバイ』のパスカル・ボニゼール監督 - Alessandra Benedetti - Corbis / Getty Images

 推理小説「ホロー荘の殺人」を映画化したのが2010年日本公開のフランス映画『華麗なるアリバイ』です。フランスの小さな村にある大邸宅に集まった上流階級の男女9人のうち1人が殺され、残り8人が容疑者となります。

 “元・愛人”“現・愛人”“かつての恋人”など複雑な愛の矢印が交錯しており、誰にとっても動機は十分ですが、アリバイを崩すことは困難。9人の関係性が秀逸で、93分という少し短めの映画の中にこれだけの謎が詰め込まれているのかと驚きます。

 ちなみにこの作品は2009年に開催された「フランス映画祭2009」で上映されており、出演しているアンヌ・コンシニとともに来日したパスカル・ボニゼール監督は、1日かけて撮影した殺人シーンを数日後にまた撮り直したことをアンヌにツッコまれていました。でもそれだけ殺人シーンは重要だったということでしょう……。

■まさに名探偵!『オリエント急行殺人事件』

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まさに名探偵!『オリエント急行殺人事件』より -(C)Paramount Pictures/Photofest

 アガサ・クリスティが生み出した名探偵エルキュール・ポワロが登場するのが『オリエント急行殺人事件』です。ここではアルバート・フィニーが一見、世界的に有名な名探偵とは思えない不思議なポワロを見事に演じた1974年製作の方を取り上げます。

 出発シーンの何か起こりそうなドキドキ感が“不穏で楽しい”オリエント急行に乗ってロンドンへと向かうポワロは、大富豪ラチェットが殺害される事件に遭遇します。列車という密室の中で起きた事件の容疑者は1人の車掌と12人の一等客室の乗客たち。結末に向けて一人ずつ尋問していき最後に全員を集めて犯人を発表するさまはまさに探偵物。観ている側にすべての情報を伝えながら、予想できないラストへと連れて行ってくれます。

 『十二人の怒れる男』で知られるシドニー・ルメットがメガホンを取り、個人的には物語を彩るイギリスの作曲家リチャード・ロドニー・ベネットが手がけた音楽が最高です。ミステリーの楽しさはもちろん、作品全体がまとった高級感も味わえます。アルバート・フィニーによる名探偵ポワロ、物語の序盤ではちょっと頼りないのに、だんだんと迫力が増していき最後は怖いくらいです……。

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■そして新作『ナイル殺人事件』

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 冒頭に公開延期について触れた『ナイル殺人事件』は、推理小説「ナイルに死す」をケネス・ブラナーが監督・主演を務めて映画化した作品です。エジプトのナイル川をめぐるクルーズ船が舞台となり、巨額の遺産の相続人となった新婚アメリカ人美女が殺害された事件の解明に名探偵エルキュール・ポアロが挑みます。

 『TENET テネット』での悪役も見事だったケネスが2017年製作の『オリエント急行殺人事件』に続いてエルキュール・ポアロにふんし、『ワンダーウーマン 1984』のガル・ガドット、『君の名前で僕を呼んで』のアーミー・ハマーが共演しています。ピラミッドやアブ・シンベル神殿といったエジプトの名所が登場し、謎解きはもちろん、人間の「心の謎」にも迫っています。

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 実は今年はアガサ・クリスティの生誕130周年にして名探偵ポアロシリーズ出版100周年。新作を前に名作ぞろいのアガサ・クリスティ映画の謎を、もう一度解き直してみるのはいかがでしょうか。

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