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2020年 第70回ベルリン国際映画祭コンペティション部門18作品紹介(2/3)

第70回ベルリン国際映画祭

『ベルリン・アレクサンダープラッツ(原題) / Berlin Alexanderplatz』

ベルリン・アレクサンダープラッツ
(C) Stephanie Kulbach / 2019 Sommerhaus / eOne Germany

製作国:ドイツ、オランダ
監督:ブルハン・クルバニ
キャスト:ヴェルカー・ブンゲイェラ・ハーゼ

【ストーリー】
アフリカからヨーロッパを目指していた不法移民のフランシスは、船が嵐に遭遇した時に、もし無事に上陸できたなら今後は心を入れ替えて真面目に生きると心に誓う。その願いは叶ったものの、難民生活は思った以上に過酷で、彼はドイツの麻薬の売人と接触を持つことになる。

【ここに注目】
1980年に西ドイツでテレビドラマ化もされた、アルフレート・デーブリーンの小説「ベルリン・アレクサンダー広場」を基にした人間ドラマ。不法移民としてアフリカからドイツに渡って来た主人公が、罪に手を染めながらも、ある女性と出会ったことでなんとか自らの運命を変えようともがく姿を映し出す。現代に舞台を移して描かれる、主人公の閉塞感や格差社会、そしてクラシカルな“ボーイ・ミーツ・ガール”の物語が観客の心に響くに違いない。

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『ザ・イントルーダー(英題) / The Intruder』

ザ・イントルーダー
(C) Rei Cine SRL, Picnic Producciones SRL

製作国:アルゼンチン、メキシコ
監督:ナタリア・メタ
キャスト:エリカ・リバスナウエル・ペレス・ビスカヤール

【ストーリー】
イネスは恋人とのバカンスの最中に不幸に見舞われて、そのトラウマが引き金となり、次第に現実と虚構の世界の境界線が曖昧になっていく。あまりにもリアルな悪夢と、同様に繰り返し聞こえてくる音が、知らない間に彼女と母親の日常生活までも侵食し始める。

【ここに注目】
初監督作『ブエノスアイレスの殺人』(2014)で注目されたアルゼンチンの俊英、ナタリア・メタが監督と脚本を務めて放つサイコスリラー。ある悲劇をきっかけに少しずつ狂い始める主人公の人生を、悪夢や効果的な音の演出で鮮やかに描写する。『永遠に僕のもの』(2018)のセシリア・ロス、『天国でまた会おう』(2017)のナウエル・ペレス・ビスカヤール、『人生スイッチ』(2014)のエリカ・リバスらアルゼンチンの名優たちが豪華共演。

『ファースト・カウ(原題) / First Cow』

ファースト・カウ
(C) Allyson Riggs / A24

製作国:アメリカ
監督:ケリー・ライヒャルト
キャスト:ジョン・マガロオライオン・リー

【ストーリー】
19世紀初頭、旅に出た孤独な男がオレゴン準州で猟師たちの仲間に入り、1人の中国人移民と親しくなる。やがて2人に金儲けをするチャンスが巡ってくるが、それは近所の金持ちが所有する牛から盗んだミルクを使う商売だった。

【ここに注目】
ジョナサン・レイモンドの小説を『ウェンディ&ルーシー』(2008)、『ライフ・ゴーズ・オン 彼女たちの選択』(2016)のケリー・ライヒャルト監督が映画化。主人公を『マネー・ショート 華麗なる大逆転』(2015)のジョン・マガロ、移民男性を『やっぱり契約破棄していいですか!?』(2018)のオライオン・リーが演じた。何も持たない貧しい2人が、希望を求めながら友情を築いていく姿を描いたヒューマンドラマ。

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『イレイディエイテッド(英題) / Irradiated』

イレイディエイテッド
(C) Rithy Panh

製作国:フランス、カンボジア
監督:リティ・パニュ

【ストーリー】
カンボジア出身のリティ・パニュ監督が焦点を合わせたのは被爆者。広島と長崎で投下された原子爆弾の被害に遭いながらも、生き延びた人たちが語る過去や原爆体験によって紡がれるドキュメンタリー。

【ここに注目】
第66回カンヌ国際映画祭ある視点部門グランプリを受賞した『消えた画(え) クメール・ルージュの真実』(2013)などで知られる、アジアを代表するドキュメンタリー作家リティ・パニュ。社会派の作品にとりわけ関心が高いベルリン国際映画祭だが、映画祭スタッフは本作について「完璧であり必要不可欠な作品。強い力があり、まぶたの裏に焼きつき、心に響く」と絶賛している。

『ザ・ソルト・オブ・ティアーズ(英題) / The Salt of Tears』

ザ・ソルト・オブ・ティアーズ
(C) G. Ferrandis 2019 / RECTANGLE PRODUCTIONS CLOSE UP FILMS -ARTE FRANCE CINEMA RTS RADIO TELEVISION SUISSE

製作国:フランス、スイス
監督:フィリップ・ガレル
キャスト:ロガン・アンテュオフェルモウーヤラ・アマムラ

【ストーリー】
リュックは田舎からパリの芸術学校の選抜試験を受けに行き、街でジャミラに出会う。実家に戻ったリュックが恋人のジュヌヴィエーヴに会っている頃、ジャミラはリュックとの再会を心待ちにしていた。芸術学校に合格したリュックはパリへ行くが、彼に捨てられたジュヌヴィエーヴは子を宿していた。

【ここに注目】
ギターはもう聞こえない』(1991)、『恋人たちの失われた革命』(2005)などのフランス人監督、フィリップ・ガレルによる恋愛映画。ガレルと共に脚本を手掛けたジャン=クロード・カリエールアルレット・ラングマン、音楽のジャン=ルイ・オベールなど、ガレル作品に欠かせないスタッフが参加。主演は、ガレル監督が教えていた演劇学校で見つけたというロガン・アンテュオフェルモ。『イレイディエイテッド(英題) / Irradiated』にも出演するアンドレ・ウィルムが共演する。

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