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『スター・ウォーズ』スカイウォーカー家の人々:第7回(最終回)レイの物語

スター・ウォーズ特集

 12月20日日米同時公開の最新作『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』は、全9作のサーガの最終話。そこで、“正史”とされる映画とテレビシリーズを基に、これまでの全ストーリーを、スカイウォーカー家の人々それぞれのドラマとして見直してみた。最終回の今回は、スカイウォーカー家の一員かどうかはまだ謎に包まれているが、新たな三部作の主人公であるレイを振り返る。(平沢薫)

※この連載は、その人物の生涯を知るために、作品が公開された順ではなく出来事の起きた順で紹介しています。

孤児として育ちフォースに目覚めた新たな主人公レイ

辺境で育った孤児が力のあるジェダイに

レイ
孤独な少女だった。 Walt Disney Studios Motion Pictures / Photofest / ゲッティ イメージス

 エピソード1である『スター・ウォーズ エピソードI/ファントム・メナス』からエピソード3にあたる『スター・ウォーズ エピソードIII/シスの復讐』の主人公はアナキン・スカイウォーカー(ジェイク・ロイドヘイデン・クリステンセン)。エピソード4である『スター・ウォーズ』からエピソード6にあたる『スター・ウォーズ/ジェダイの帰還』の主人公はルーク・スカイウォーカー(マーク・ハミル)。そしてエピソード7である『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』からエピソード9にあたる『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』の主人公となるのが、レイ(デイジー・リドリー)だ。

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レイ
運命の出会い! Walt Disney Studios Motion Pictures / Photofest / ゲッティ イメージス

 彼女は幼い頃両親に辺境の惑星ジャクーで置き去りにされ、それから一人で廃品収集業をしながら成長してきた。それが、レジスタンスのドロイドBB-8を助けたことから、生活が激変する。レイはハン・ソロ(ハリソン・フォード)やレイア(キャリー・フィッシャー)と出会い、アナキンからルークに伝わったライトセーバーに遭遇してフォースの力が覚醒し、フォースの暗黒面に落ちたカイロ・レン(アダム・ドライヴァー)と互角に戦うまでになる。

 そして、『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』ではルークのもとで修行をして、カイロ・レンをベン・ソロに戻そうとする。そこでファースト・オーダーの最高指導者スノーク(アンディ・サーキス)に殺されそうになるが、カイロが彼女と共闘し、スノークを倒す。そしてカイロに「共に新しい秩序を作ろう」と誘われるが、彼女はそれを拒否して、レジスタンスの人々の元に戻り、彼らと行動を共にすることになる。これがレイのこれまでの歩みだ。

レイは両親の素性を知らずそれを知りたい

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カイロ・レンとの初対面。 Walt Disney Studios Motion Pictures / Photofest / ゲッティ イメージス

 彼女はこれまでの主人公たち、アナキンやルークと同様、宇宙の辺境の砂漠の惑星で育ち、強いフォースの力を持っている。しかし、彼女にはこの2人と大きな違いがある。

 それは両親が誰なのかを知らず、それを知りたいと強く思っていることだ。レイは『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』では、両親が自分を迎えに来てくれるのではないかと願っている。ハン・ソロと親しくなるのも、彼を一種の父親的な存在として思う気持ちがあったからだろう。だから、カイロ・レンが父ハンを倒すのを見て強い衝撃を受ける。『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』では、カイロに「本当は両親が何者か知っているはずだ」と言われて、「名も無い人たち」だと答えるが、まだどこかで「でもひょっとしたら」と思っているのに違いない。

レイ
名字が知りたい。 Walt Disney Studios Motion Pictures / Photofest / ゲッティ イメージス

 そして、レイのこうした思いが『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』のドラマの中心の一つになるのではないだろうか。そもそも、レイというキャラクターには最初から名字がない。これだけでも、彼女の名字がドラマの重要な要素になることは明らかだろう。

 彼女の両親が誰なのかを考察する上で気になるのが、監督J・J・エイブラムスがヴァニティ・フェア誌で語った、「レイとカイロのフォースの関係は、私たちが考えているより深い」という発言だ。これがどういう意味なのかが、『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』で明かされるはずだ。

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レイはカイロ・レンをライトサイドに引き戻すのか?

レイ
カイロ・レンとの関係はいかに!? Walt Disney Studios Motion Pictures / Photofest / ゲッティ イメージス

 しかし、主人公3人の相違点についてもっとも注目しなくてはならないのは、ルークとレイの大きな共通点だろう。それは、善を信じる心だ。ルークは最初から、父ダース・ベイダーについて「まだ善の心が残っている」と言い、その信念のもと父を訪ねる。同じように、レイはカイロ・レンになってしまったベン・ソロについて、ルークに「彼は今も迷っている。私が会って話せばベン・ソロは帰ってくる」と言ってカイロに会いにいくのだ。『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』ではカイロは戻らなかったが、『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』でレイとカイロ・レンの対決は、はたしてどんな結末を迎えるのだろうか。

ヴィラン列伝:スノーク

 『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』に三部作最大の悪役のように登場したのがスノークだ。銀河帝国に代わる独裁政権集団ファースト・オーダーの最高指導者だ。彼は『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』でカイロ・レンを操り、『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』ではカイロとレイを接近させるが、同作でカイロにあっさり倒された。しかし、その素性は不明なまま。『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』でフォースのダークサイドの力を使うシーンはあるが、彼がシスなのかも明らかにされていない。しかし『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』には、『スター・ウォーズ』からのシリーズ最大の悪役銀河皇帝パルパティーン(イアン・マクディアミッド)が登場する。となると、銀河皇帝とスノークの関係が判明するのかも?

 もう一つ気になるのが、スノークの倒され方。彼はカイロ・レンにより胴体を二分されて倒されたが、「胴体切断」は『スター・ウォーズ エピソードI/ファントム・メナス』でオビ=ワン・ケノービがダース・モールを倒した時と同じ。そのダース・モールは後にアニメ「スター・ウォーズ:クローン・ウォーズ」シリーズで実は生きていたことが判明する。スノークもひょっとして……!?

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