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『ターミネーター』サラ・コナー戦いの歴史!

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TriStar Pictures / Photofest / Getty Images / ゲッティ イメージズ

 1990年代を代表するSFアクション『ターミネーター2』(1991)の正統続編『ターミネーター:ニュー・フェイト』が11月8日に公開を迎える。シリーズの生みの親であるジェームズ・キャメロンがプロデューサーを務め、T-800役のアーノルド・シュワルツェネッガーも出演する本作だが、やはり一番の目玉は、リンダ・ハミルトン演じるサラ・コナーの復帰だろう。リンダの鍛え上げた肉体と繊細な演技によって、戦うヒロインの代名詞となった彼女の戦いの歴史を振り返る。(編集部・入倉功一)(この記事は『ターミネーター』シリーズの内容に触れています)

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『ターミネーター』(1984)

 全ては1984年5月12日のロサンゼルスではじまった。このころのサラ・コナーは、レストランで働く普通の女子大生。屈強な戦士のイメージとはほど遠い、計算が苦手で注文も覚えられないウエイトレスだった。

 しかしその夜、街で一人時間をつぶしていた彼女の前に、銃を手にした大男が現れる。絶体絶命のサラを救ったのは、やはり彼女を追っていた謎の男。「死にたくなければついてこい」。サラを助けたカイル・リース(マイケル・ビーン)と名乗る男は、信じがたい運命を彼女に告げる。

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サラとカイル、危機的な状況のなか二人は愛し合うように。Orion Pictures / Photofest / ゲッティ イメージズ

「審判の日」と称される1997年8月29日、自我を持つ軍事ネットワークが核戦争を誘発し、人類の大半が失われた。そのコンピューター「スカイネット」によって人類は支配されたが、ある男が抵抗軍を率いて機械に対抗。そして2029年、人類の勝利は目前となる。窮地に立たされたスカイネットは、殺人アンドロイドT-800を時間転送機で1984年の過去に送り込む。人類のリーダー、ジョン・コナーの母親となるサラを殺すために。

 カイルはサラを守るために未来からやって来た戦士だった。必死にターミネーターから逃れる二人。最初はあまりに突飛な話を信じられなかったサラも、次第にカイルに心を開いていき、カイルは未来でジョンから渡されたサラの写真を大事に持ち続け、彼女に恋をしていたことを告白。二人は愛し合う。

 からくもT-800を破壊した二人だが、瀕死の重傷を負ったカイルはT-800を爆破する際に死亡。悲しみにくれながらサラは、下半身を失ってもなお迫るT-800をプレス機で破壊する。数か月後、カイルとの子であるジョンを身ごもったサラは、来る戦いに備えて、メキシコへと旅立つ。

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『ターミネーター2』(1991)

 それからのサラは、世界を回り、ジョンを未来のリーダーに鍛え上げるため、さまざまな男性と関係を重ねた。ニカラグア近辺で、元グリーンベレー隊員と暮らしていた時期もあるらしい。もはや女子大生の面影はなく、武器の扱いに長けた屈強な戦士へと変貌を遂げた。そのタフさは、腕の骨を折った相手に「人間には215本も骨があるのよ、一本くらい何よ!」とぶちまけるほど。ライフルからガトリングガンまで、あらゆる武器をため込んで「審判の日」に備えているが、未来を知らない人間には狂人扱いされ、ついにはスカイネットを生むサイバーダイン社の工場を爆破しようとして逮捕。州立病院の精神病棟に収監されてしまう。

 この1作目から2作目におけるサラの急激なキャラ変は、リンダ・ハミルトンの「サラをクレイジーにしてほしい」という希望によるところが大きかったという。本作のためリンダは、ウージー・ガルというすごい名前のトレーナーのもとで軍事訓練を受け、銃器の扱いもマスター。撮影時、絞りに絞ったリンダの肉体を見た、ボディービル界の伝説であるシュワルツェネッガーは「鍛え上げた筋肉だ、素晴らしい」と漏らしたという。

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シュワちゃんもビックリしたリンダ・ハミルトンの肉体美 TriStar Pictures / Photofest / ゲッティ イメージズ

 「審判の日」が迫るなか、サラは職員たちをたたきのめして病院から脱出。必死に逃げる彼女の前に、カイルを殺した殺人機械T-800が幼いジョンと共に現れる。彼は、液体金属性の最新型ターミネーターT-1000から現代のジョンを守るため、未来のジョンが送り込んだ味方だった。そしてサラは、かつて自分が撃退したターミネーターの部品が回収され、スカイネット誕生の基となるCPUが開発されてしまうことを知る。

 待つのではなく、未来を変えよう。決意したサラは、CPU開発に勤しむサイバーダイン社の技術者ダイソンを殺害するため彼の自宅へと向かうが、彼をかばう妻子を前に何もできず、泣きながら銃を置いた。

 腕の皮をはがして骨組みを見せつける、T-800の説得力抜群なパフォーマンスで、ダイソンはサラたちに協力することを決意。サイバーダイン社に乗り込み全てを爆破するが、ダイソンは犠牲となってしまう。そしてサラ一行は、執拗に迫るT-1000を辛くも撃破。サラたちと家族の絆を築いたT-800はしかし、スカイネット誕生の未来を消すため自ら溶鉱炉へと沈み、全てを消し去った。

 「審判の日」は回避された。運命は変わった。

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『ターミネーター:ニュー・フェイト』(2019)

 自身の運命を変え、平和な日々を取り戻したかと思われたサラだが、『ターミネーター:ニュー・フェイト』の予告編によると、その後もターミネーターを狩る日々を送っていた模様。サラの戦いは終わっていなかった!

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サラ・コナーは相変わらず強かった!(c)2019 Skydance Productions, LLC, Paramount Pictures Corporation and Twentieth Century Fox Film Corporation. All rights reserved

 人類の運命は変わらなかったのか? サラは、自分の代わりに未来を変える特異点となったらしき女性ダニー(ナタリア・レイエス)を助けるため、分裂する新型ターミネーターREV-9に対抗。ダニーを守るため、かつてのカイルのように未来からやって来た女性戦士グレース(マッケンジー・デイヴィス)はなぜか機械の体を持ち、T-800まで彼女たちを手助けしているカオスな状況。果たしてサラは、今度こそ平和な未来を手にできるのか。

別の時間軸のサラ

 『ターミネーター:ニュー・フェイト』は『ターミネーター2』の正統続編だが、本作ができるまでに、キャメロンが直接かかわらない続編やリブート版が製作された。この違う時間軸におけるサラの戦いを簡単に振り返る。

 2004年が舞台の『ターミネーター3』(2003)のサラは、すでに白血病で死亡している。しかし、「審判の日」が来る未来を予期し、自分の墓に大量の武器を隠すことで、ジョンたちを助けた。核戦争後の未来が舞台の『ターミネーター4』(2009)では、サラのメッセージが吹き込まれたカセットテープをジョンが聞いている。

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『ターミネーター3』サラの棺を担ぐT-850 Photofes / ゲッティ イメージズ

 テレビドラマ「ターミネーター:サラ・コナー クロニクルズ」(2008~2009)のサラは、『ターミネーター2』後にダイソン殺害の免罪をきせられ、FBIに追われながらジョンを育てている。再びジョンを守るために未来からやってきた美少女ターミネーター・キャメロンと出会った彼女は、2007年へタイムスリップして戦うことに。サラ役は、後に「ゲーム・オブ・スローンズ」でサーセイを演じるレナ・ヘディが務めた。

 実質的なリブートとなる映画『ターミネーター:新起動/ジェニシス』(2015)のサラは、少女時代にT-1000によって両親を殺されたところをT-800に助けられ、彼に育てられてきた。そしてやはり「審判の日」を回避するために戦う。サラ役は、デナーリス役でやっぱり「ゲーム・オブ・スローンズ」に出演したエミリア・クラークが務めている。

参考資料:「ターミネーター2 4Kレストア版」Blu-ray

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