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意外な事実判明!?エルトン・ジョンと映画

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 音楽の世界でトップ・オブ・スターの一人として君臨するエルトン・ジョン。その孤独で華やかな半生を描いた『ロケットマン』が8月23日から公開されますが、音楽の世界だけでなく、映画の世界においてもエルトンの功績は輝いています。意外な事実も含め、エルトンと映画の関係って?(編集部・香取亜希)

映画音楽の制作で名曲誕生

ライオン・キング
不朽の名作アニメ『ライオン・キング』より Walt Disney Pictures / Photofest / ゲッティ イメージズ"

 エルトンがオリジナルサウンドトラックを担当した映画は、シャロン・ストーン主演の映画『ハリウッド・ミューズ』、アニメーション『エル・ドラド/黄金の都』などがありますが、最も有名な作品はディズニー・アニメーション映画『ライオン・キング』です。「サークル・オブ・ライフ」「ハクナ・マタタ」など名曲ぞろいで、アニメーション作品のオリジナルサウンドトラックとして、全世界売上1位を記録しました。

 特に劇中でシンバとナラの愛を表現し、エンディングでエルトン自身が歌った主題歌「愛を感じて」は大ヒットして、1994年度のアカデミー賞歌曲賞、ゴールデン・グローブ賞主題歌賞のほか、グラミー賞最優秀男性ポップ・ボーカル・パフォーマンス賞も受賞。映画界と音楽界ともに高い評価を得た、エルトンを語るうえで欠かせない曲の一つです。

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ライオン・キング
超実写版!『ライオン・キング』より (C) 2019 Disney Enterprises, Inc. All Rights Reserved.

 8月9日に公開された“超実写版”『ライオン・キング』では、エルトンがオリジナルソングを担当した「サークル・オブ・ライフ」「ハクナ・マタタ」「愛を感じて」などが新録されているほか、エルトン自身が歌唱する新曲「ネバー・トゥー・レイト」がエンドクレジットに収録されています。この曲はオリジナル・アニメーション版でタッグを組んだティム・ライスとの最強コンビが復活したもので、シンバの心境を物語っているような前向きで軽快な楽曲です。

名曲が映画を盛り上げる!

ムーラン・ルージュ
20th Century Fox / Photofest / ゲッティ イメージズ

 誰もが知るエルトンの名曲は、映画の中で印象的に使用されることもしばしば。ミュージカル映画『ムーラン・ルージュ』では、ビートルズやマドンナの名曲がカバーされる中、ユアン・マクレガーふんする売れない作家が、ニコール・キッドマンふんする高級娼婦に愛を告白するシーンで、エルトンの名曲「Your Song/ユア・ソング(僕の歌は君の歌)」を歌います。ユアンの歌唱力に驚かされるとともに、名曲の素晴らしさを今一度感じることができ、ヒロイン同様ユアンにメロメロになる名シーンです。

あの頃ペニー・レインと
『あの頃ペニー・レインと』より DreamWorks / Photofest / ゲッティ イメージズ

 そのほか、キャメロン・クロウ監督の『あの頃ペニー・レインと』では、エルトン初期の名曲「Tiny Dancer/可愛いダンサー」が使われています。バンドメンバーが誰からともなく自然発生的にこの歌を口ずさむことで、それまで険悪だったムードが一変するという、音楽の素晴らしさを感じる印象的なシーンとして描かれています。音楽雑誌「ローリングストーン」の記者出身のクロウ監督ならではの、楽曲に対する深い理解とリスペクトを感じさせます。

 同じくクロウ監督の『エリザベスタウン』でも、ジャズやカントリーミュージックの名曲が流れる中、エルトンの「My Father’s Gun/父の銃」が使われています。父親との葛藤をテーマにした作品でもあるので、オーランド・ブルームふんする主人公・ドリューの心情を最もよく表した曲として、エルトンの曲が流れるシーンは涙を誘います。

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本人役でカメオ出演歴あり

 マドンナ、ジェニファー・ロペスビヨンセレディー・ガガなど、ミュージシャンの中には、俳優としてテレビや映画で活躍する人もいます。表現するという点において、演技は相通じるものがあるのでしょう。エルトンの場合はというと、俳優として演技するというより、多くは本人役でカメオ出演します。

 記憶に新しいのは、スパイ映画として人気のシリーズ2作目となる『キングスマン:ゴールデン・サークル』。マシュー・ヴォーン監督がエルトンの大ファンということで、実は1作目からオファーしていて、ようやく実現したそうです。役どころは、ジュリアン・ムーアふんする悪キャラに誘拐され、カンボジアの劇場で歌わされるという設定。しかも、昔エルトンのトレードマークだったハデハデの衣装を着せられて! いまやナイトの称号まで手にしているエルトンに、こんな格好させる!? というくらい、当時を知らない人から見たらコントのような衣装ですが、昔からのファンが見たら、なつかしくて妙に納得するはずです。ノリノリでやってのけるエルトンはさすが大物、器がでかい! そして、本作で主演したタロン・エジャトンが、この後『ロケットマン』でエルトンを演じることになるとは……縁を感じます。

アリー・myラブ
「アリー・myラブ」より FOX / Photofest / ゲッティ イメージズ

 そのほかにも、ブルース・ウィリス主演の劇場未公開映画『ブルース・ウィリスの逆襲』にリンゴ・スタージョン・ボン・ジョヴィら大物歌手と一緒に出演したり、キャリスタ・フロックハート主演の人気ドラマ「アリー・myラブ」で自身の歌を披露したりと、常にエルトンとして観客を楽しませることに徹しています。

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映画の祭典アカデミー賞に貢献

エルトン・ジョン
ティム・ライスと一緒に。おちゃめなエルトン! Ron Galella, Ltd. / Ron Galella Collection via Getty Images

 音楽と言えばグラミー賞、映画と言えばアカデミー賞です。過去に幾度となくグラミー賞を受賞しているエルトンですが、アカデミー賞とも深いかかわりがあります。まずは、大ヒットした『ライオン・キング』の主題歌「愛を感じて」でアカデミー賞歌曲賞を受賞しているので、オスカー像を持っているということ。しかもこの際、同作より「サークル・オブ・ライフ」「ハクナ・マタタ」もノミネートされていて、ノミネート5曲中3曲がエルトンの曲という快挙を成し遂げています。

エルトン・ジョン
デュエット中のエルトン&タロン。Rich Fury / Getty Images for EJAF

 また、毎年アカデミー賞授賞式の日には、エルトン・ジョン・エイズ基金が主催する「Elton John AIDS Foundation Academy Awards Viewing Party」が開催されています。アカデミー賞授賞式の中継を観ながらディナーを楽しむというもので、過去の参加者としてはスティーヴン・タイラーマライア・キャリーケイティ・ペリーら有名アーティストや、ジェイミー・フォックスキム・カーダシアンらさまざまな有名人たちが集まる恒例のイベントです。27回目となった2019年のパーティーでは、『ロケットマン』のタロンが、劇中でも披露した「Tiny Dancer/可愛いダンサー」をエルトンの弾き語りとともにデュエットし話題になりました。

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まさかの映画を製作総指揮!?

エルトン・ジョン
David M. Benett / Dave Benett / WireImage

 音楽、出演ときて、まさかの製作総指揮を担当した映画があります。日本では劇場未公開作品である『ノミオとジュリエット』と『名探偵シャーロック・ノームズ』です。1作目は「ロミオとジュリエット」をモチーフにしていて、主人公・ノミオの声を担当したのはジェームズ・マカヴォイ、ヒロイン・ジュリエットの声はエミリー・ブラントが務めたほか、マイケル・ケインマギー・スミスパトリック・スチュワートオジー・オズボーンら大物ぞろい。「シャーロック・ホームズ」シリーズをモチーフにした2作目は、前作のジェームズ、エミリーらが続投する中、名探偵シャーロック・ノームズの声を担当したのは、なんとジョニー・デップ

エルトン・ジョン
愛する家族と。 Michael Kovac/Getty Images for EJAF

 イギリス出身のエルトンだけに、ウィリアム・シェイクスピアやアーサー・コナン・ドイルなど、イギリスと代表とする作家の作品をモチーフにしているなのは納得ですが、なぜ映画? なぜアニメ? と謎が尽きません。とはいえ2010年と2013年に、パートナーのデーヴィッド・ファーニッシュとの間に代理母出産で生まれた息子2人がいるので、まだ幼い息子を喜ばせるために製作したのかもしれません。家族と過ごすために、長く家を離れることになるツアーから引退することを宣言しているエルトンならではの選択と言えます。『ロケットマン』の中でも、家族との関係に葛藤を抱えていたことが描かれていますが、エルトンにとって家族との関係、特に息子とのかかわりはとても大切なことなのでしょう。

 音楽だけでなく映画でもその才能を存分に発揮しているエルトン。『ロケットマン』ではそんなエルトンの半生が、ゴージャスかつユーモラス、ときにセンシティブに描かれています。そしてもちろん名曲盛りだくさんの華やかなミュージカルの一面もある本作は、エルトン同様に一級のエンターテイメント作品に仕上がっています。

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