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2月の5つ星映画5作品はこれだ!【第81回:今月の5つ星】

今月の5つ星

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 アカデミー賞授賞式が行われる今月は、作品賞にノミネートされた火星SFアドベンチャー『オデッセイ』をはじめ、各賞候補の注目作がめじろ押し! ドラマ「SHERLOCK(シャーロック)」ファンは見逃せない特別編もついに日本で公開される。これが2月の5つ星映画5作品だ!

オデッセイ
(C) 2015 Twentieth Century Fox Film Corporation. All Rights Reserved

極限なのにノリノリ!マット・デイモンの痛快火星開拓史!

オデッセイ

 リドリー・スコット監督とマット・デイモンがタッグを組み、たった一人火星に取り残された宇宙飛行士のサバイバルを描くSFアドベンチャー。迎えの到着は4年後なのに、食料は31日分しかない……。絶望的な状況でマットふんする主人公マーク・ワトニーは、「食料の中にジャガイモがあった! 俺は植物学者だからイモを育てるぞ!」と即決。まさかの“火星農園”作りがスタートするワクワクの展開から、一気に映画に引き込まれる。全編を彩るファンキーなディスコサウンドの効果も相まって、幾多のピンチに見舞われるワトニーの火星生活は、限界ギリギリのはずなのにとにかくノリノリ。望みを捨てない意志の強さと科学を武器に極限状態を乗り切る、ワトニーの痛快な“火星開拓史”は、地球において、数々の困難を乗り越えて生命を育んできた人類の歩みを思わせる。鑑賞後、こんなにも明るい気持ちになれるサバイバル物はそうはないはず。音楽に合わせて縦ノリしながら楽しみたい、唯一無二の一本だ。(編集部・入倉功一)

映画『オデッセイ』は2月5日より公開

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キャロル
(C) NUMBER 9 FILMS (CAROL) LIMITED / CHANNEL FOUR TELEVISION CORPORATION 2014 ALL RIGHTS RESERVED

「愛」を語るにふさわしい圧倒的な美しさ

キャロル

 女優、物語、音楽、衣装、カメラワーク……映画を構成する全てが「愛」を語るにふさわしい圧倒的な美しさを放つ本作は、1952年のニューヨークを舞台に離婚訴訟中の人妻キャロルとデパートで働くテレーズの愛の逃避行とその先の運命を描いたラブロマンス。気品がありながら妖艶なキャロル役のケイト・ブランシェットと天使のように可憐なテレーズ役のルーニー・マーラは、視線や仕草などセリフ以外の部分にも感情を刻み込み、アカデミー賞主演&助演女優賞ダブルノミネートも納得の熱演で魅せる。同性愛的な要素が注目を浴びているが、主体性がなく人形のようだったテレーズがキャロルと出会うことで少しずつアイデンティティーを確立していく成長物語としても秀逸。「女であること」「男であること」など型にはまることを強いられる現実に疲れた人には「個」としての自分を優しく認めてくれる包容力ムービーとしてもお薦めだ。互いの欠けた部分を補い合うように愛し合う切なくも力強い二人に、観客は恋してしまうだろう。(編集部・吉田唯)

映画『キャロル』は2月11日より公開

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スティーブ・ジョブズ
(C) Universal Pictures (C) Francois Duhamel
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プレゼン舞台裏だけで浮かび上がるスティーブ・ジョブズ像に感服

スティーブ・ジョブズ

 『スラムドッグ$ミリオネア』ダニー・ボイルが監督、『ソーシャル・ネットワーク』アーロン・ソーキンが脚本を手掛けた本作。伝記映画となると否応なしに題材の取捨選択が映画の良し悪しを決めるが、スティーブ・ジョブズ本人が全面協力したウォルター・アイザックソン著の評伝を原案に、ジョブズが手掛けた3大製品(1984年のMacintosh、1988年の NeXT Cube、1998年のiMac)のプレゼンの舞台裏を描くという大胆な構成で物語を成立させるのはさすが。そして何より登場人物たちがしゃべりまくり、会話で人物造形できているソーキンの脚本には感服してしまう。ただ細かい背景なども会話で説明されていくため、ジョブズについての知識がある方がより楽しめるかもしれない。マイケル・ファスベンダーはじめ、俳優陣は文句なしにそれぞれの役を全うしている。個人的には地味ながらもリアリティーを感じさせるアンディ役のマイケル・スタールバーグに拍手を送りたい。(編集部・石神恵美子)

映画『スティーブ・ジョブズ』は2月12日より公開

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SHERLOCK/シャーロック
(C) 2015 Hartswood Films Ltd. A Hartswood Films production for BBC Wales co-produced by Masterpiece. Distributed by BBC Worldwide Ltd.
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クラシカルな二人が逆に新鮮!

SHERLOCK/シャーロック 忌まわしき花嫁

 シャーロック・ホームズ(ベネディクト・カンバーバッチ)を、文字通り現代によみがえらせて人気を博したテレビドラマ「SHERLOCK(シャーロック)」シリーズの特別編。現代を舞台にしたこれまでのシリーズから一変、本作で描かれるアーサー・コナン・ドイルの原作通りのヴィクトリア朝のロンドンはスクリーン映えもよく、立ち居振る舞いもクラシックになったシャーロックとジョン・ワトソンマーティン・フリーマン)が掛け合いをするさまは逆に新鮮で楽しい。特にマーティンのクラシカルな演技はかなりいい雰囲気。ヴィクトリア朝風に変わったもののよく見れば現代の要素を残しているシャーロックの部屋や、まさかの姿で登場するおなじみのキャラクターたちなどファンを喜ばせる要素が満載で、さらに脚本は基本ゴシック調のゴーストストーリーだが複雑なプロットを持っており、謎を解き明かすべく映画館に通い詰めたくなるはず。(編集部・市川遥)

映画『SHERLOCK/シャーロック 忌まわしき花嫁』は2月19日より公開

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ヘイトフル・エイト
(C) MMXV Visiona Romantica, Inc. All rights reserved.
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黒人蔑視への憎悪を体現したサミュエル・L・ジャクソンの怪演が圧巻

ヘイトフル・エイト

 近年、アカデミー賞の常連になりつつある人気監督クエンティン・タランティーノの新作は、南北戦争後、吹雪で雪山の小屋に閉じ込められた8人の男女の数奇な運命を描いたミステリー。居合わせたのは、高額の懸賞金がかかった犯罪者デイジーを伴った2人の賞金稼ぎをはじめ、保安官(自称)、イギリスなまりの絞首刑執行人ら腹に一物ありそうなクセ者ばかり。そこで賞金稼ぎのマーキス(サミュエル・L・ジャクソン)が8人のうち誰かが素性を偽っていると言い出したことからみな疑心暗鬼に陥り、やがて一人が毒殺され、ロッジは地獄絵図と化していく。一見、何のかかわりもないと思われる彼らの間にいくつもの因縁が浮上していくマジックのような「偶然」のストーリーテリングは『パルプ・フィクション』(1994)を彷彿させ、延々と続く会話劇が突如、急展開を見せる衝撃&快感は『デス・プルーフ in グラインドハウス』(2007)を思わせる。『ジャンゴ 繋がれざる者』(2012)などでも黒人差別を糾弾してきたタランティーノだが、本作の会話の中で過剰なまでに人種差別用語が乱発されるのが印象的だ。オスカーにノミネートされたのはタランティーノ組初参加でキーパーソン・デイジー役のジェニファー・ジェイソン・リーだったが、この黒人蔑視への憎悪を集約したかのような切れ者の賞金稼ぎマーキスにふんしたサミュエルにこそ引き込まれる。(編集部・石井百合子)

映画『ヘイトフル・エイト』は2月27日より公開

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