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コンペティション部門全20作品を紹介!

第70回ベネチア国際映画祭

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ベネチア国際映画祭

8月28日~9月7日(現地時間)に、開催される第70回ベネチア国際映画祭。今年は、宮崎駿監督『風立ちぬ』がコンペティション部門に選出されたほか、坂本龍一がコンペ部門の審査員を務めることも話題に。コンペティション部門に選出された全20作品を紹介します!

ベネチア国際映画祭ニュース
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サクロ・グラ(原題) / Sacro Gra
サクロ・グラ(原題) / Sacro Gra

【製作国】イタリア
【監督】ジャンフランコ・ロッシ
【キャスト】ジャンフランコ・ロッシ

【ストーリー】
ローマをぐるりと取り巻くおよそ70キロに及ぶ環状フリーウェイ周辺には、さまざまな人々の暮らしが息づいている。アパートで娘と同居する識者やシュロの林に魅せられた者たちが、アスファルトに覆われた長い道の周りでそれぞれの人生を営み……。

【ここに注目】
大都会ローマへと続く動脈ともいえる環状高速道路を舞台に、イタリアの俊英ジャンフランコ・ロッシが贈るドキュメンタリー。監督、脚本、プロデュースなどを器用にこなす彼は、2008年に『ビロウ・シー・レベル(原題) / Below Sea Level』で本映画祭のオリゾンティー部門ドキュメンタリー賞を獲得。コンペティション部門初参加となる気鋭の作家がどれだけの健闘を見せるのか、気になるところだ。

ミス・バイオレンス(英題) / Miss Violence
ミス・バイオレンス(英題) / Miss Violence

【製作国】ギリシャ
【監督】アレクサンドロス・アブラナス
【キャスト】Themis Panou、Eleni Roussinou

【ストーリー】
11歳の誕生日にバルコニーから投身自殺を図った少女アンゲリキの死に顔には笑顔すら浮かんでいた。警察は彼女の自殺の原因をどうにか突き止めようと躍起になるが、家族は事故だと主張して譲らず、何事もなかったように振る舞うのだった。

【ここに注目】
長編第2作目にしてベネチア国際映画祭のコンペ部門に選ばれるという栄誉を手にしたアレクサンドロス・アブラナス監督が手掛ける異色家族ドラマ。2008年の長編処女作『ウィズアウト(原題) / Without』が、2008年テッサロニキ国際映画祭で最優秀監督賞などを受賞。ギリシャ国内での評価は高いものの、国際舞台での評価はまだまだ未知数な新進気鋭の監督だけに、世界三大映画祭の一つであるベネチア国際映画祭での快進撃が注目される。

ストレイ・ドッグズ(英題) / Stray Dogs
ストレイ・ドッグズ(英題) / Stray Dogs
©homegreen films and jba production

【製作国】台湾、フランス
【監督】ツァイ・ミンリャン
【キャスト】リー・カンションルー・イー・チン

【ストーリー】
不動産屋の広告ボードを持つ仕事をする男は、わずかな収入で生計を立て、夜は台北の廃ビルで息子と娘と共に眠りにつく。彼には憑(つ)かれたように壁をあがめる、奇妙なところがあった。彼の誕生日、ある女が家族に加わる。それは過去の強い感情を解放する鍵となるかもしれなかった。

【ここに注目】
監督2作目『愛情萬歳』でベネチア国際映画祭金獅子賞を獲得して以来、発表した長編作品が全て三大映画祭のコンペ部門に選出。輝かしい受賞歴を誇る台湾の鬼才ツァイ・ミンリャン。本作でも、主演は監督の作品に欠かせない、リー・カンションが父親役を演じている。『黒い眼のオペラ』以来となるベネチア国際映画祭。変わらぬ作家性も見たいが、新しい一面にも期待したい。

ディー・フラウ・デス・ポリツィステン(原題) / Die Frau Des Polizisten
ディー・フラウ・デス・ポリツィステン(原題) / Die Frau Des Polizisten

【製作国】ドイツ
【監督】フィリップ・グレーニング
【キャスト】Alexandra Finder,、David Zimmerschied,

【ストーリー】
4歳の娘を持つ若い夫婦がドイツの小さな町に引っ越してくる。やがて彼らは新しい町での暮らしにも慣れ、夫は警察官として働き始めるのだが家族の間はぎくしゃくし始め、妻や娘と彼の間には見えない溝のようなものが感じられるようになる。

【ここに注目】
ドイツで監督や脚本、ドキュメンタリーを手掛けるフィリップ・グレーニング監督による人間ドラマ。2000年製作の『L'amour, l'argent, l'amour(原題)』がロカルノ国際映画祭をはじめ各国の映画祭で評判に。脚本なしで子どもの視点によって描かれるという斬新な手法で撮影された本作。三大国際映画祭初参加の監督にどのような評価が下されるか、熱い視線が注がれる。

ヴィア・カステラーナ・バンディエラ(原題) / Via Castellana Bandiera
ヴィア・カステラーナ・バンディエラ(原題) / Via Castellana Bandiera

【製作国】イタリア、スイス、フランス
【監督】エマ・ダンテ
【キャスト】エレナ・コッタ、エマ・ダンテ

【ストーリー】
パレルモの路地で2台の車が立ち往生。乗車している女は互いに道を譲ろうとせず、食事や睡眠のために中断しながらも静かな戦いは続く。女の戦いは、パレルモの太陽より強情で、男たちにも増して残酷だった。彼女たちを眺めていた人々は、どちらが先に降参するか賭けを始め……。

【ここに注目】
監督のエマ・ダンテはイタリアの演劇界で演出家として数々の賞を受賞し、映画監督としては本作がデビュー作となる新鋭。今回の作品は自身の処女小説を映画化したもので、監督の故郷であるシチリア島のパレルモを舞台に、女たちの戦いをユーモアを交えて描いた作品だ。自らも出演するほか、『ボローニャの夕暮れ』のイタリアの若手実力派女優アルバ・ロルヴァケルなどが共演する。

ジョー(原題) / Joe
ジョー(原題) / Joe

【製作国】アメリカ
【監督】デヴィッド・ゴードン・グリーン
【キャスト】ニコラス・ケイジタイ・シェリダン

【ストーリー】
15歳のゲイリーの一家はホームレスで、大酒飲みの父が常に暴れていた。家族を支えるため職を探しに街へ出掛けたゲイリーは、元詐欺師のジョー・ランサムと出会う。

【ここに注目】
ラリー・ブラウン著の短編を映画化。元詐欺師にふんするニコラス・ケイジが贖罪(しょくざい)の気持ちから少年ゲイリーの苦境を救おうと試みる様を描く。監督とケイジは美しく、それでいてダークな世界観を構築したと公言し、絶対の自信を持って本映画祭に挑む。なお、グリーン監督は『プリンス・アヴァランチェ(原題) / Prince Avalanche』でベルリン国際映画祭コンペティション部門銀熊賞を受賞している。

あなたを抱きしめる日まで
あなたを抱きしめる日まで

【製作国】イギリス
【監督】スティーヴン・フリアーズ
【キャスト】ジュディ・デンチスティーヴ・クーガン

【ストーリー】
BBCの特派員の助けを得て、フィロメーナはアイリッシュ修道院で暮らすため、幼い頃に手放した息子アンソニーを捜索することに。息子は養子先のアメリカでマイケルと改名され、政治家となっており、同性愛者でエイズ患者であることを知る。

【ここに注目】
BBCの特派員マーティン・シックススミスが発表した「The Lost Child of Philomena Lee」を、映画『クィーン』でベネチア国際映画祭国際批評家連盟賞を受賞したスティーヴン・フリアーズ監督が映画化。修道院のおきてで養子捜索を行わない同意書にサインした母親役にジュディ・デンチ、彼女に協力する特派員役にステーヴ・クーガンがふんする。実話ベースのセンシティブな題材ゆえ、名匠の采配を見届けたい!

ザ・ルーフトップス(英題) / The Rooftops
ザ・ルーフトップス(英題) / The Rooftops

【製作国】アルジェリア、フランス
【監督】メルザック・アルアッシュ
【キャスト】Adila Bendimerad、Nassima Belmihoub

【ストーリー】
アルジェのテラスで繰り広げられる、夜明けから夜の終わりまでの五つの物語。

【ここに注目】
ドキュメンタリーからコメディーまで手掛ける、アルジェリアのベテラン監督メルザック・アルアッシュ。カンヌ国際映画祭ある視点部門で上映された『Bab El-Oued City(原題)』やアラブの春の始まりを題材にした『Normal!(原題) / ノーマル!』などで知られる。本作は、ボーカルの女性を描く作品など五つの短編で構成。革命後のアルジェリアがどう描かれているのかも気になるところ。

リントレピド(原題) / L'intrepido
リントレピド(原題) / L'intrepido
©claudio iannone

【製作国】イタリア
【監督】ジャンニ・アメリオ
【キャスト】アントニオ・アルバネーゼ、リヴィア・ロッシ

【ストーリー】
ミラノに暮らすアントニオは、さまざまな職に就き、毎日働き詰めだがそれなりに幸福だった。臨時の職で雇われても、どんな仕事も器用にこなすことができた。この冷たい都会で、アントニオは尊厳と情熱を失わずに生き抜いてきた。

【ここに注目】
『いつか来た道』ではベネチア国際映画祭金獅子賞に輝き、ヨーロッパ映画賞を3度も受賞したジャンニ・アメリオ監督が、今回5度目のコンペ部門ノミネート。主演は、人気コメディアンで『La lingua del santo(原題)』ではベネチア国際映画祭主演男優賞を受賞したアントニオ・アルバネーゼ。主人公の中年男は、彼のために書かれたという。狙うは2度目の金獅子賞だが十分に射程圏内だろう。

トラックス(原題) / Tracks
トラックス(原題) / Tracks

【製作国】イギリス、オーストラリア
【監督】ジョン・カラン
【キャスト】ミア・ワシコウスカ、アダム・ドライバー

【ストーリー】
1977年、ロビンは4頭のラクダと犬を引き連れてアリススプリングスを出発、約2,700キロの大陸中央砂漠を通過し、西オーストラリア州の洋岸までの旅が始まる。ナショナルジオグラフィックのフォトグラファー、リックが彼女の9か月間を追う。

【ここに注目】
オーストラリアの著名人ロビン・デヴィッドソンの同名回想録を映像化。1980年代にはジュリア・ロバーツ主演で映画化の企画があったが頓挫した。本作は映画『英国王のスピーチ』の製作陣によるもので、オーストラリアでロケ撮影を敢行、製作費は約11億円を費やした。映画『アリス・イン・ワンダーランド』のミア・ワシコウスカが出身国の実在の人物を演じることにも注目したい。

トム・アット・ザ・ファーム(英題) / Tom at the Farm
トム・アット・ザ・ファーム(英題) / Tom at the Farm
©clara chapardy

【製作国】カナダ、フランス
【監督】グザヴィエ・ドラン
【キャスト】グザヴィエ・ドラン、ピエール=イヴ・カーディナル

【ストーリー】
広告マンの青年トムは、恋人の葬式のため田舎へと向かう。しかし、農場に住む恋人だった男の母親は、トムの名も、その関係についても知らなかった。トムはその恋人の兄弟に脅され、真実を隠しておくことにする。

【ここに注目】
現在24歳、子役出身のカナダ人監督グザヴィエ・ドラン。過去の3作品はそれぞれカンヌ国際映画祭の監督週間、ある視点部門で上映され、前作『わたしはロランス』が9月に日本公開を控えている。本作はストックホルム症候群を扱うサイコスリラーで、カナダの人気劇作家、ミシェル・マルク・ブシャール原作の映画化。三大映画祭のコンペティション部門には初の参加となる、期待の新星の活躍に注目だ。

チャイルド・オブ・ゴッド(原題) / Child of God
チャイルド・オブ・ゴッド(原題) / Child of God

【製作国】アメリカ
【監督】ジェームズ・フランコ
【キャスト】スコット・ヘイズ、ジェームズ・フランコ

【ストーリー】
1950年から60年代の米国テネシー州のセビア郡、レスター・バラードの人生は転落の一途をたどる。両親が亡くなり、家も失い、山の中で暮らすことを強いられるのだった。極限的な孤独のため、彼は凄惨(せいさん)な犯罪に手を染めていく。

【ここに注目】
コロンビア大学やイェール大学などの大学院で学んだジェームズ・フランコ監督が、巨匠コーマック・マッカーシーの同名小説の映画化に臨み、共同脚本も兼ねている本作。原作に忠実に、それでいて映画ならではの見せ場を工夫しているという。2009年の短編から三大映画祭に何らかの形で出品し続けてきたフランコ、近年はドキュメンタリー映画の製作にも携わっているだけに、彼の手腕に期待は高まる。

ジェラシー(英題) / Jealousy
ジェラシー(英題) / Jealousy
©2013 guy ferrandis sbs productions

【製作国】フランス
【監督】フィリップ・ガレル
【キャスト】ルイ・ガレルアナ・ムグラリス

【ストーリー】
男には過去に捨てた女と娘がいたが、今は別の女と暮らしている。30歳の舞台俳優である彼は女を強く愛していた。彼女はかつて将来を嘱望された女優だった。しかし、その女は彼をだまし、彼の元を去ってしまう。自殺未遂をした彼の元を妹が訪れる。彼に残ったのは妹と演劇だけだった。

【ここに注目】
前作『灼熱の肌』に続いて、ベネチア国際映画祭コンペ部門への出品を果たしたフィリップ・ガレル監督。今回は、監督作常連の息子ルイ・ガレルに加えて、娘のエステル・ガレルも出演、『シャネル&ストラヴィンスキー』のアナ・ムグラリスが共演する。『ギターはもう聞こえない』では銀獅子賞、『恋人たちの失われた革命』では監督賞を受賞。金獅子賞にあと少しで手が届きそうではあるが、結果やいかに?


ザ・ゼロ・セオラム(原題) / The Zero Theorem
ザ・ゼロ・セオラム(原題) / The Zero Theorem

【製作国】イギリス、アメリカ
【監督】テリー・ギリアム
【キャスト】クリストフ・ヴァルツマット・デイモン

【ストーリー】
近未来のロンドン近郊、ソフトウェア開発者レスはスーパーコンピューター・ゼロの定理に触れる機会を得る。そしてある極秘プロジェクトに携わるのだった。

【ここに注目】
テリー・ギリアム監督による『Dr.パルナサスの鏡』以来の長編となるSF映画。クリストフ・ヴァルツが演じたのは自身の人生を左右するであろう一本の電話を待つ内向的な主人公の男。その男が極秘プロジェクトを命じられ、人類の存在理由に迫っていく内容とされている。先頃のコミコンで発表された10分間の映像から、デザインは『ブレードランナー』、色彩は「セサミストリート」と報じられた。鬼才ギリアム作だけに奇想天外な世界が待ち受けているはず。


アナ・アラビア(原題) / Ana Arabia
アナ・アラビア(原題) / Ana Arabia

【製作国】イスラエル、フランス
【監督】アモス・ギタイ
【キャスト】ユヴァル・シャーフ、サラ・アドラー

【ストーリー】
7人の人々が住むヤッファとバートヤムの境にあるコミュニティー。そこは周辺から孤立していた。ある日、彼らに会いに若いジャーナリストがやって来る。そのことが、過去の感情とトラウマ、失望を呼び起こし……。

【ここに注目】
日本でもここ数年でイスラエルの巨匠として知名度を上げたアモス・ギタイ監督。金獅子賞レースには『プロミスト・ランド(原題) / Promised Land』以来4度目の挑戦となり、昨年のベネチア国際映画祭で自身の父親についてのドキュメンタリー『ララバイ・トゥ・マイ・ファーザー(英題) / Lullaby To My Father』がコンペ外で上映されたばかり。80分余りをワンテイクで撮影したことも話題になりそうだ。


アンダー・ザ・スキン(原題) / Under The Skin
アンダー・ザ・スキン(原題) / Under The Skin

【製作国】イギリス、アメリカ
【監督】ジョナサン・グレイザー
【キャスト】スカーレット・ヨハンソンポール・ブラニガン

【ストーリー】
ハイウェイで人間を捕獲し、餌として資源の乏しい故郷の惑星に送る異星人のローラ。ところが地球上の生命体系は複雑で思い通りにいかなくなる。

【ここに注目】
ジャミロクワイの音楽PV「ヴァーチュアル・インサニティ」の映像作家ジョナサン・グレイザーによる、映画『記憶の棘』に次ぐ3作目にあたる本作。ミッシェル・フェイバー著の同名小説を基にしたSF映画で、エイリアンの視点による地球を描く。スカーレット・ヨハンソンがセクシーな魅力を振りまいて男を誘惑する女性を演じる。スタイリッシュな映像美でSF映画に新風を起こす可能性も大きい。なお、ベネチア国際映画祭コンペ出品は『記憶の棘』以来2度目になる。


パークランド(原題) / Parkland
パークランド(原題) / Parkland

【製作国】アメリカ
【監督】ピーター・ランデズマン
【キャスト】ポール・ジアマッティザック・エフロン

【ストーリー】
第35代アメリカ合衆国大統領ジョン・F・ケネディが、テキサス州ダラスでのパレード中に暗殺された1963年11月22日、その時一体何が起きたのか。関係者の証言を交えて悲劇の1日の出来事を時系列で追う。

【ここに注目】
ヴィンセント・バグリオーシの著書「リクレイミング・ヒストリージ・アサシネーション・オブ・プレジデント・ジョン・F. ケネディ」を基に映画化。いまだ謎だらけの大統領暗殺事件、その搬送先であるパークランド記念病院を舞台に進行する。メガホンを取ったピーター・ランデズマン監督が脚本も手掛けており、監督デビュー作にして米国の歴史の闇に着手する本作。くしくも本年はケネディ氏逝去から50年の節目にあたる。製作には俳優トム・ハンクスが名を連ねており、トムの息子コリン・ハンクスが医師役で出演している。


風立ちぬ
風立ちぬ
©2013 二馬力・GNDHDDTK

【製作国】日本
【監督】宮崎駿
【キャスト】庵野秀明瀧本美織

【ストーリー】
戦争や大震災、世界恐慌に見舞われ、重苦しい雰囲気に包まれた大正から昭和にかけての日本。イタリア人航空機設計者カプローニを崇拝する堀越二郎は、自分もいつか彼のように優美な飛行機を作りたいと願っており……。

【ここに注目】
新作を発表するたびに世界的な注目を浴びる宮崎駿監督がメガホンを取り、1930年代の日本を舞台に、飛行機造りに情熱を傾けた青年の姿を描く最新作。今回は2004年の『ハウルの動く城』、2008年の『崖の上のポニョ』に続き本映画祭での3作品連続のコンペ参加となり、最高賞の金獅子賞を狙う。2005年には同映画祭で、優れた映画人に授与される栄誉金獅子賞を日本人で初めて獲得している監督だけに、ベネチアでの新たなる快挙に期待がかかる。


ジ・アンノウン・ノウン(原題) / The Unknown known
ジ・アンノウン・ノウン(原題) / The Unknown known
エロール・モリス監督-Stephen Lovekin / Getty Images

【製作国】アメリカ
【監督】エロール・モリス
【キャスト】ドナルド・ラムズフェルド、エロール・モリス

【ストーリー】
ラムズフェルド元米国国防長官が、これまでの自身の政治家としてのキャリアを振り返る。下院議員に初当選した1960年代初期から、ブッシュ前大統領政権時代に指導的役割を果たしたイラク戦争についても口を開く。

【ここに注目】
エロール・モリス監督が、ジェラルド・R・フォードとジョージ・W・ブッシュの下で国防長官の座に就いたラムズフェルド元国防長官へのインタビューを敢行したドキュメンタリー。『フォッグ・オブ・ウォー マクナマラ元米国防長官の告白』が第76回アカデミー賞ドキュメンタリー長編賞を受賞。『スタンダード・オペレーティング・プロシージャー』では第58回ベルリン国際映画祭銀熊賞を手にしている監督が、今回賞レースにどう絡んでくるかが楽しみだ。


ナイト・ムーブス(原題) / Night Moves
ナイト・ムーブス(原題) / Night Moves
©tipping point productions, llc

【製作国】アメリカ
【監督】ケリー・ライヒャルト
【キャスト】ジェシー・アイゼンバーグダコタ・ファニング

【ストーリー】
自然環境を守るため、3人の急進的なエコロジストたちはダムの爆破計画を企てる。グループのリーダーの青年と彼らに資金を提供する裕福な家庭に育った少女、そして陰の立役者の男性らは、それぞれに役割分担しながら慎重に事を進めていく。

【ここに注目】
『ソーシャル・ネットワーク』でアカデミー賞にノミネートされたジェシー・アイゼンバーグと、『17歳のエンディングノート』のダコタ・ファニング共演のスリラー。ケリー・ライヒャルト監督は、『ミークス・カットオフ(原題) / Meek's Cutoff』で2010年に本映画祭でカトリックメディア協議会賞を獲得した実力派。今回審査委員長を務めるベルナルド・ベルトルッチは若々しさにあふれる作品を好む傾向にあるため、若者が主人公の本作が金獅子賞に輝く可能性も高い。

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