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第52回『モンスターズ・ユニバーシティ』『ワイルド・スピード EURO MISSION』『バーニー/みんなが愛した殺人者』『風立ちぬ』『ペーパーボーイ 真夏の引力』

今月の5つ星

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シネマトゥデイが選ぶ 今月の5つ星

ディズニー / ピクサーの『モンスターズ・ユニバーシティ』、スタジオジブリの『風立ちぬ』、2013年の興行収入を左右するこの夏注目の二大アニメのほか、『ワイルド・スピード』シリーズ最新作、『スクール・オブ・ロック』の監督&主演コンビによる実録ブラックコメディーなど、イチオシの夏映画がズラリ!

7月6日公開 夢をかなえられなかった大人たちに響くモンスターたちの青春 『モンスターズ・ユニバーシティ』 作品情報

前作『モンスターズ・インク』でサリーの相棒だったマイクを主人公にした本作の舞台は大学であり、彼らの青春時代の狂騒、そして夢をかなえるために奮闘するさまが描かれている。けれど、青春の明るい面だけを取り上げているわけではないのがピクサーの良いところ。憧れの大学生活で浮き足立つモンスターたちのはしゃぎっぷりがまばゆいばかりに映し出される一方で、「夢を見ることは誰でもできるけれど、誰もが夢をかなえられるわけではない」というシビアな、けれども絶対的な真理であるテーマが浮かび上がってくる。それは子どもたちよりも、むしろ夢をかなえることができなかった大人たちの胸に響くに違いない。ピクサー作品の常で子どもから大人まで楽しめることはもちろん、ぜひとも観てもらいたいのが前作をリアルタイムで観ていた子どもたち。多くがもう大学生活を経験しているであろう彼らは、本作で描かれる挫折の裏にある優しさ、そして励ましをきちんと読み取れる年齢になっているだろうから。(編集部・福田麗)

『モンスターズ・ユニバーシティ』©2013 Disney / Pixar. All Rights Reserved.
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7月6日公開 女同士の肉弾戦や戦車も飛び出す怒濤のカーチェイスに大興奮 『ワイルド・スピード EURO MISSION』 作品情報

続編ごとにスケールはもちろん、面白さも格段にアップしてきたカーアクションシリーズの最新作。前作で大金を手にし、豪華な逃亡生活を送っていたドミニク(ヴィン・ディーゼル)が、とある巨大犯罪組織に死んだはずの元恋人レティ(ミシェル・ロドリゲス)が加わっていると知り仲間を招集、新たなミッションに挑む。第6弾でもその勢いは失速せず、映画オリジナルの改造車に、戦車まで持ち出すヤリ過ぎなカーチェイスが展開。『エージェント・マロリー』ことジーナ・カラーノとミシェルによる迫力のキャット・ファイトなど、生身のアクションも盛りだくさんで、突っ込みどころ満載の物語も全く気にならない130分となっている。あまりのスゴさに爆笑必至な出来事の連続と、チームの絆の物語を巧みに織り交ぜたジャスティン・リン監督の実力には舌を巻くばかり。夏に向けて勢いをつけたい人々にぜひ観てもらいたい一本だ。ちなみにラストでは、日本人には特にうれしい衝撃シーンが登場。本編が終わっても決して席を立たぬようご注意!(編集部・入倉功一)

『ワイルド・スピード EURO MISSION』©Universal Pictures
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7月13日公開 実在の愛すべき犯罪者にふんしたジャック・ブラックがハマリ役 『バーニー/みんなが愛した殺人者』 作品情報

殺人犯バーニーの無罪を多くの住民が訴えるというアメリカで実際に起きた異例の事件を題材にした本作。世話好きで、社会貢献や奉仕活動に熱心なバーニーは、町のみんなから慕われ、好かれていた。だがある日、身の回りの世話をするなど親しい関係にあった大富豪の未亡人を殺害してしまう。バーニーは何者か? 善人か? 悪人か? という問いが観客に投げ掛けられる。事件を目の当たりにした住民の証言を随所に織り交ぜたドキュメンタリー風の作品構成は、バーニーを愛した人々みんなが彼の味方をするという「常識外れ」の事実を映画化するに適した、巧みな方法といえるかもしれない。バーニーは亡くなった人の顔や手をきれいに整え、天国への旅立ちを手伝う葬儀ディレクターという仕事の傍、町の人に節税のアドバイスをしたり、舞台演出や主演をこなすなど、多方面で能力を発揮する優秀な人物。その人柄を愛嬌(あいきょう)たっぷりに体現したジャック・ブラックに拍手を送りたい。(編集部・小松芙未)

『バーニー/みんなが愛した殺人者』©2011 Bernie Film, LLC and Wind Dancer Bernie, LLC. All Rights Reserved.
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7月20日公開 宮崎駿作品でいまだかつてないリアリスティックな時代の描写 『風立ちぬ』 作品情報

実在のゼロ戦開発者・堀越二郎の半生の物語に、同時代に生きた文学者・堀辰雄の小説「風立ちぬ」のエッセンスを加えた本作。まるで『となりのトトロ』に登場するネコバスのように野山を滑走する飛行機など、主人公・二郎の夢の中は、幻想的で美しい。だが、ファンタジックなシーンは、二郎の夢の中のみ。日本がたどった約30年の歴史を追う本作は、宮崎駿監督がメガホンを取った他のどんな作品よりもリアリスティックだ。そして、だからこそ、上空を怪しげに漂う爆撃機や地面が怒り狂ったように人々を襲う大震災の描写、そして主人公の声優に抜てきされた庵野秀明が吹き込んだ声に、宮崎監督のセンスが如実に表れている。6月に行われた本作の中間報告会見で鈴木敏夫プロデューサーは、本作が宮崎監督の「遺言」であることをほのめかしていたが、不景気、政治不信、そして震災という不安を抱えた「いま」に通じる激動の時代を描くことで、宮崎監督は何を伝えたかったのか? そのメッセージを、劇場でしっかりと受け取ってもらいたい。(編集部・島村幸恵)

『風立ちぬ』©2013 二馬力・GNDHDDTK
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7月27日公開 グロテスクな社会の暗部が暴かれていくさまに戦慄 『ペーパーボーイ 真夏の引力』 作品情報

大学を中退し、父親が営む新聞社の雑用係としてくすぶる青年ジャック(ザック・エフロン)のひと夏の体験を描いた本作は、ひと言で言えば「世間知らずのおぼっちゃん」の通過儀礼の物語。メガホンを取ったのが『プレシャス』リー・ダニエルズ監督だけに、決して生易しい青春映画ではない。物語の発端は、主人公の兄で記者のウォード(マシュー・マコノヒー)が調査する保安官殺人事件の容疑者ヒラリー(ジョン・キューザック)の婚約者シャーロット(ニコール・キッドマン)がやって来たこと。ジャックのシャーロットへの恋心を軸に、刑務所の面会室で本能のままにシャーロットと「愛の交歓」に興じるヒラリーのえたいの知れない実像や、モーテルの一室で黒人男性たちにリンチされた兄の秘密など、グロテスクな社会の暗部が暴かれていくさまは、まるで見世物小屋を見ているかのよう。それぞれイメージを一新する役柄に挑んだキャストの怪演がスゴい。そして、シャーロットを救うために沼地に足を踏み入れたジャックが遭遇する、あまりにも残酷な悲劇。「見てはならないものを見てしまった」という冷や汗をかくような生々しい感覚が、トラウマのように残ることだろう。(編集部・石井百合子)

『ペーパーボーイ 真夏の引力』©2012 Twentieth Century Fox. All Rights Reserved.
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