韓国発ゾンビパニック『新感染』続編、終末描写に名作漫画の影響

人間ドラマも『新感染半島 ファイナル・ステージ』より
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 韓国発の大ヒットパニックホラー『新感染 ファイナル・エクスプレス』(2016)の続編『新感染半島 ファイナル・ステージ』を手掛けたヨン・サンホ監督が、閉鎖空間から“半島”へと舞台を広げた、本作の世界観に影響を与えた作品を語った。

【動画】『新感染半島 ファイナル・ステージ』予告編

 本作の舞台は、人間を凶暴化するウイルスが猛威をふるってから4年後の“半島”。前作『新感染』では、釜山行きの高速鉄道内という限定空間におけるパンデミックを描いたが、今回は、パンデミックから家族を救えず絶望的な日々を送っていた元軍人ジョンソク(カン・ドンウォン)を主人公に、2,000万ドルが積まれたトラックをソウルから回収する任務に駆り出されたチームの脱出劇を描く。

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 大量のゾンビと狂気にとらわれた人間を相手にした、迫力のアクションが展開する本作。大胆な舞台の転換について、監督は「前作『新感染』で作った、列車に引っ張られるCGのゾンビが非常によくできていたことが、今回の手がかりになりました。続編までの短い期間にVFX技術が格段に向上したこともあって、これなら、終末的なポストアポカリプスの世界を表現できると思ったんです」と明かす。

敵はゾンビだけじゃない! 『マッドマックス』×『AKIRA』な世界観(C)2020 NEXT ENTERTAINMENT WORLD & REDPETER FILMS.All Rights Reserved.

 その言葉の通り、荒廃した都市で繰り広げられる迫力のカーチェイスは、終末もの映画の代表作『マッドマックス』シリーズをほうふつさせる。「子供のころ、初めて観たポストアポカリプス映画が『マッドマックス2』です。文明的な人間が、荒廃した世界で野蛮化するさまにショックを受けました」という監督だが、さらに大きな影響を与えたのが、日本を代表する大ヒット漫画だった。「この映画は、砂漠ではなく崩壊した半島が舞台なので、高架道路や地下鉄を利用した、都市が舞台のカーチェイスを意識しました。構成を練っている時に最も影響されたのが、大友克洋さんの『AKIRA』。それも、映画ではなく漫画版の方です。アニメ版にはないポストアポカリプス要素が描かれていると思うし、ネオ東京にアメリカの工作員たちが入ってくる部分は、この映画を作るうえですごく参考になりました」

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 前作よりアクションがパワーアップしても、家族の絆を描く人間ドラマは健在だ。半島で生き残っていたある母娘にピンチを救われたジョンソクは、かつて助けられなかった家族の姿を彼女たちに重ねる。監督は「この映画が、前作と主人公が違っても世界観を共有しているように、テーマもつながっています。決して血縁ではないですが、絆で結ばれた新しい家族の形を見せているんです」という監督。さらに「アニメ版『ソウル・ステーション/パンデミック 』は、皮肉を込めた悲劇的なエンディングを迎えましたが、実写では普遍的なメッセージである、希望を伝えたいと思いました。特に、今回はより強くね」

 謎のウイルスの蔓延で国家機能がマヒする様子は、どうしても現在のコロナ禍を想起させるが、監督にとっても現在の状況は予想外だったという。「初期段階では、コロナ禍がここまで長引くとは思っていませんでした。前作を撮った時、韓国ではMERSの影響が残っていたことで、少し苦労をしたんです。けど、まさかまたこんなことが起こり、ここまでの事態になるとは思っていませんでした。ただ、この映画で私は、孤立した人々が絶望のなかでいかに希望を見出すのかを描きたかった。その点は、時代に合ったメッセージになっているのではないかと思います」(編集部・入倉功一)

映画『新感染半島 ファイナル・ステージ』は2021年1月1日よりTOHOシネマズ日比谷ほかにて全国公開

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