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「弱虫ペダル」を映画化する意義とは?三木康一郎監督に直撃!

映画『弱虫ペダル』の三木康一郎監督に直撃!
映画『弱虫ペダル』の三木康一郎監督に直撃! - (C)2020映画「弱虫ペダル」製作委員会 (C)渡辺航(秋田書店)2008

 累計2,500万部を突破した渡辺航の大人気スポーツ漫画「弱虫ペダル」。これまでアニメ化や舞台化、ドラマ化もされた同作が、King & Prince永瀬廉主演で初めて実写映画化される。メガホンを取った三木康一郎監督に、同作を映画化する意義を聞いた。

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 本作は、アニメ好きな高校生の小野田坂道(永瀬)が、自転車競技部に入部したことで仲間と共に走ることの喜びを知っていく物語。三木監督はこの高校生たちのストーリーを“リアル”に描くことに映画化の意義があると感じたという。

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 「実際に生身の人間がこういう物語をリアルにやるとどうなるか、今回はそこを一番やりたかったんです。舞台やドラマもありましたが、映画にするならどういう風にやればリアルなのかを考えました。本当にレースってこういう感じだし、自転車ってこういうものだよっていうのを一番伝えたかった。でも、自転車はそれがなかなか大変でした。車のレースだったら乗っている人があまり見えないので色々変えられますけど、自転車は人間が見えちゃうので、規模を大きくすればするほど、リアルを追求すればするほど撮影は苦しくなってくるんです」

 監督のリアリティーへのこだわりは、キャラクターのビジュアルにも反映されている。「(原作通り)鳴子の髪を真っ赤にするか、巻島の髪を真緑にするか。その時はみんなで『どうするか?』となりましたが、緑の要素は若干残しながらも『高校生として実際にいそう』というところを逸脱してほしくないと言いました。映画にするなら、本当にいるんじゃないか、本当にこれってレースなんじゃないか、という部分を外さないでちゃんとやりたいなと思いました」

三木康一郎監督
三木康一郎監督

 リアルを追求した結果、レースシーンはCGを一切使わず、俳優陣が実際に自転車を漕いで撮影することに。その結果、暑さや寒さ、風の強さといった環境に左右されながらペダルを踏むということがいかに大変なのかを知ることができ、俳優陣からはより実感のこもった表情が引き出された。ロケ撮影によってそうした良い効果を得られたが、三木監督によると実は当初はCGを使用するプランもあったという。

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 「まず、日本には撮影できる道路がないんです(苦笑)。例えば、集団で100人走るシーンがあるんですけど、普通の道路を封鎖できない。誰かが入ってきたら危ないので全部封鎖するしかないんですけど、それをやらせてくれる道路はなかなかないですね。さらには、雨とか風とか気候ですごく左右される撮影になるので、そういうことを考えると、やっぱり部屋でグリーンバッグのなか(自転車を)漕いでるところを撮って合成するっていうCGの方がいいんじゃないかっていうことだったんです」

 「今はすごくCGが発達しているので、多分それでもかっこいい映像ができるとは思いました」という三木監督だが、最終的にCGの使用をやめたのはリアルへのこだわりがあったためだ。

 「自転車って漕ぐだけじゃないですか。戦いのシーンとかならいろいろと動きができますが、自転車はゴールに向かって漕いでいるだけ。『果たしてCG合成されているものが観たいか?』と思ったんです。やっぱり実際に50kmの直線をしっかり走ってもらったり、20度の坂を一生懸命駆け上がってもらったりした方が、お客さんに伝わるんじゃないかなと思いました。そこで、CGという発想は全部捨てて、全部俳優陣がリアルな場所でやるという方向になりました」

 三木監督が「設定がちょっと変わったとしても、『弱虫ペダル』の根底にあるものだけはぶらしちゃダメだ」と原作の熱さを大切にすると同時に、リアルへのこだわりを貫き通した本作。俳優陣が実際に全力疾走するレースシーンは、スクリーン越しでもその熱量が伝わってくる。(編集部・吉田唯)

映画『弱虫ペダル』は8月14日より全国公開

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