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沖田修一監督に聞く!おすすめ青春映画5選

『クール・ランニング』より
『クール・ランニング』より - Buena Vista Pictures / Photofest / ゲッティ イメージズ

 女優の上白石萌歌を主演に迎えた青春映画『子供はわかってあげない』(近日公開)でメガホンを取った沖田修一監督に、“おすすめの青春映画5作品”を聞いた。沖田監督が選んだ5作品をコメントと共に紹介する。

沖田修一監督が選んだ一本!『滝を見にいく』予告映像

『クール・ランニング』(1993)

 1本目の『クール・ランニング』は、1988年のカルガリーオリンピックで世界中の注目を浴びたジャマイカのボブスレー選手団の実話に着想を得た作品。陸上競技でオリンピックを目指すも、運悪く選考会で転倒して夢を絶たれてしまった主人公が、それでも夢を諦めず、“ボブスレー”で常夏の国ジャマイカから冬季オリンピックに挑む姿をレゲエ音楽に乗せて軽やかに描く。大ヒットを記録し、ジョン・タートルトーブ監督の名前を世界に知らしめるきっかけになった。

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 「金持ちの息子のジュニアが、連れもどしに来たお父さんに、エレベーターで、たてつくシーンが観たくて、もう何度も観てしまいます。たまたまテレビでやっていたので、つけたら、もう最後の滑走シーンでしたが、それでも泣けました。すごい破壊力。楽しいです。やっぱりこういう映画は」(沖田監督)

『がんばっていきまっしょい』(1998)

 2本目は女優・田中麗奈の出世作として知られる磯村一路監督の『がんばっていきまっしょい』。敷村良子の小説を基に、愛媛県・松山にある高校で女子ボート部を立ち上げた少女が、初心者ばかりの仲間たちと共にボートに打ち込んでいく姿をみずみずしく活写した青春映画だ。

 「若い女の子が、光浴びて、力一杯ボートをこぐ。もう何もいりません。堤防から飛び降りる最初のシーンが観たいのです。いつの間にか、できた仲間と一緒に電車に乗っているシーンも好きです。はしょり方がすごい」

『滝を見にいく』(2014)

 3作目は、沖田監督自身がメガホンを取った『滝を見にいく』。温泉付き紅葉ツアーに参加した7人のおばちゃんたちが、観光ガイドとはぐれてしまい、突然のサバイバル生活を余儀なくされるさまを追った作品で、沖田監督らしい独特なテンポとオフビートな笑いが炸裂する。いわゆる“スター俳優”は不在だが、「40歳以上の女性・経験問わず」という条件でオーディションを通して選ばれたおばちゃん役のキャスト7人の個性が光る。

 「青春映画です。山でおばさまたちが迷いますが、煌めきを取り戻します。自作なので、コメントは控えますが、これも立派な青春映画」

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『バタアシ金魚』(1990)

 4本目に選ばれた『バタアシ金魚』は、望月峯太郎の同名マンガを実写化した青春映画。水泳部の少女(高岡早紀)に一目惚れしたことから、なんとか彼女の気を引こうと、カナヅチにもかかわらず水泳部に入部した高校生(筒井道隆)の恋模様が展開する。『東京タワー オカンとボクと、時々、オトン』や「深夜食堂」シリーズで知られる松岡錠司監督の商業映画デビュー作だ。

 「先日、『子供はわかってあげない』という映画を監督しましたが、参考になるかもしれないと思い、見返したら、やっぱり面白かったです。もちろん、高岡早紀さんも素晴らしいですが、筒井道隆さんとババアの家のシーンが最高です。漫画も映画も面白いなんて、すごいことです」

『トキワ荘の青春』(1996)

 5本目には、市川準監督の『トキワ荘の青春』が選ばれた。"漫画の神様"手塚治虫が住んだ伝説のアパート・トキワ荘を舞台に、後に有名漫画家となる石森章太郎や赤塚不二夫、藤子・F・不二雄らの若き青春の日々を描き出す。主演は本木雅弘鈴木卓爾阿部サダヲ古田新太生瀬勝久ら、今や日本映画界で知らない者はいない豪華な面々の共演も見どころとなっている。

 「共同廊下のシーン、あの画が良すぎて、奥行きのある長い廊下を撮るたび、この映画を思い出します。いいシーンは数え切れませんが、赤塚役の大森嘉之さんが、廊下で泣いているのを、森安役の古田新太さんが、慰めるシーンが好きです」

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沖田監督が初の漫画原作映画化!『子供はわかってあげない』

子供はわかってあげない
(C) 2020「子供はわかってあげない」製作委員会 (C) 田島列島/講談社

 最新作『子供はわかってあげない』で田島列島の漫画を実写化した沖田監督。漫画原作映画化はこれが初となり、映画化発表の際には「何気なく手にして読んだ、好きな原作でした。田島列島さんの描かれた、独特のユーモアのようなものを、映画にするのが、難しそうでしたが、それ以上に楽しそうで、挑戦してみることにしました」とコメントしていた。

 物語は、水泳部に所属する高校2年生の美波が、書道部の男子“もじくん”と出会ったことから動き出す。もじくんとの出会いを機に、幼い頃に別れた父親の居所を探しあてた美波は、怪しげな父に戸惑いながらも夏休みを一緒に過ごすことになり……。美波役は上白石萌歌、もじくん役は石井裕也監督の映画『町田くんの世界』でオーディションを通して主演を勝ち取った細田佳央太が務め、千葉雄大古舘寛治斉藤由貴豊川悦司ら個性豊かな俳優陣が脇を固めている。(編集部・吉田唯)

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