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古田新太×松坂桃李、実写映画初共演 吉田恵輔監督が女子中学生の死を通して現代社会の暗部描く

サスペンス映画『空白』で共演する古田新太と松坂桃李
サスペンス映画『空白』で共演する古田新太と松坂桃李

 俳優の古田新太が、約6年ぶりとなる主演映画『空白』(2021年公開予定)で松坂桃李と実写映画で初めて共演することが5日、明らかになった。ティーンの万引き未遂事件が、学校の担任や父親の職場をも巻き込んで思いもよらぬ事態を巻き起こしていくさまをシニカルに描くサスペンスで、『ヒメアノ~ル』(2016)、『犬猿』(2018)などの吉田恵輔がメガホンを取り、オリジナル脚本を手掛ける。古田は、交通事故で死亡した女子中学生の父親で事件の真相を追求する漁師に、松坂は、女子中学生が万引きしたとされるスーパーの店長にふんする。

 物語は、スーパーの化粧品売り場で万引き現場を店主に見られ逃走した女子中学生が、乗用車とトラックに轢かれ死亡した事件から始まる。「娘が万引きをするわけがない」と疑念をエスカレートさせ事件の関係者に圧力をかける女子中学生の父・添田充(古田)、加熱するワイドショー報道によって追い詰められていくスーパーの店長・青柳直人(松坂)、車ではねた女性ドライバーらを通し、思わぬ方向に感情が増幅する危険をはらんだ現代社会を映し出していく。『新聞記者』『宮本から君へ』(いずれも2019)などの河村光庸プロデューサーが企画した。

 古田と松坂は、2016年から2018年にかけて2作にわたって公開された映画『パディントン』で、それぞれ「人間のお父さん」「主人公のクマ」の声優を務めているが、実写映画での共演は初。古田は、松坂に「いつもふざけてばかりのおいらですが、ちょっと頑張って哀しいお父さんを演じられたらなと思います。社会の何かおかしいなというようなものの話のタネになるような作品になれば。桃李とは“パディントン”と“お父さん”なので、何の問題もありません」と信頼を置いている様子。

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 一方、松坂は本作に「タイトル通りの作品です。シンプルではありますが様々な解釈ができる、そんな映画になる気がします。撮り終えた時に『空白』という作品が自分にとってどんな答えをもたらす映画になるのか、それを問いかけながら撮影に臨みたいと思います」とコメント。古田との共演に「主演の古田新太さんとは実写では初共演になります。どんな作品においても圧倒的な存在感があり直球でも変化球でも受け止めて下さる方という印象です。そんな古田さんと今回、どんなキャッチボールができるのか楽しみでもあり、怖くもあります」と期待を込める。

 吉田監督は近年の報道の在り方に問題提起しつつ、本作の意図を以下のように語っている。「最近のゴシップニュースはまるで魔女狩りかと思わせる。人の不幸で飯を食い、ストレス発散で悪意のコメント。本当腐っている……と言いつつ自分自身も、それを楽しんでいる気もする。所詮、他人事みたいな想像力の無さがそうさせているのだろう。無感情、無関心の空白な世界。偉そうに世直しするつもりはない。皆様と一緒に少しだけ想像するきっかけになる作品を作れたら幸いです。素晴らしいキャスト、スタッフと共に空白な世界に何か色をつけれるよう努力します」

 本作では愛知県蒲郡市を中心に全編オールロケを敢行。2020年3月下旬よりクランクイン、4月中旬クランクアップ予定。(編集部・石井百合子)

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