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長谷川博己、大河で明智光秀役 「主役から見る景色」実感

大河ドラマ「麒麟がくる」より
大河ドラマ「麒麟がくる」より - (C)NHK

 2017年放送の「おんな城主 直虎」以来、3年ぶりに戦国を舞台にした大河ドラマ「麒麟がくる」が19日よりスタートする(NHK総合・日曜20時~ほか)。舞台は群雄割拠の戦乱が繰り広げられる戦国初期。のちに本能寺の変を起こし、織田信長を討つ智将・明智光秀の謎めいた前半生にもスポットが当てられる。その明智を演じるのが長谷川博己だ。近年、歴史的評価に変化がみられる明智を演じることに「非常に興奮している」という長谷川が、作品にかける思いや見どころを語った。

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 明智光秀と言えば1582年、安土桃山時代に「本能寺の変」で謀反を起こし、織田信長を自害に追い込んだ人物という認識が主だろう。しかし、その生い立ちや人物像は謎に包まれている。長谷川も「反逆児として信長を殺したという悪のイメージが強いですが、中にはそうではないという歴史家の意見もある。その意味では、いろいろな解釈ができるし、(脚本家の)池端(俊策)さんが描く光秀にはすごく興味があります。もしかしたら賛否が出るかもしれませんが、何か起きるんじゃないかという楽しみに興奮しながら撮影に臨んでいます」と目を輝かせる。

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 戦国大河という部分での武骨さや、伝統的感覚が視聴者から期待されることは意識しつつも、「今の時代性も感じられるような新しさもしっかり見せられる作品になっていると思う」と自信をのぞかせる。これまで、作品に入る前には、役柄に対して入念なリサーチを行っていたという長谷川だが「(1973年放送の大河ドラマ)『国盗り物語』の総集編や(1978年の大河ドラマ)『黄金の日日』なども好きで観ていました。資料もたくさん読みましたが、調べれば調べるほど、光秀という人物がわからなくなる。あまり振り回されることのないようにやっていきたい」と光秀像の奥深さを強調する。

麒麟がくる

 そんななか、長谷川にとって印象的だったのが、脚本家の池端から「本能寺の変」から逆算して役を考えないでほしいと言われたことだった。脚本の池端とは、2016年放送のNHKドラマ「夏目漱石の妻」以来のタッグとなる。「池端先生の脚本は、行間で表現が変わる曖昧なで淡い色合いを持っています。とにかく『……』が多いんです。こちらも善悪わかりやすい人物にはしてはいけない。正解を求められるような局面もあるのですが、そこでは瞬発力が要求される。相手の行動や息遣いでシーンの意味が変わるような本なんです」

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 2013年放送の「八重の桜」以来、2度目の大河にして主役を務める。「主演というのは全体をちゃんと見通さないといけない」と主演の使命を語る長谷川。一方で「僕は基本的には役に入り込みたいタイプなので、責任が重いポジション」と構えることも多いようだ。それでも主役として、一筋縄ではいかない猛者たちの芝居を受け、しっかりと調和を保つことを意識している。それはとても難しいことだと言いつつ、「主役から見る景色はなかなか気分がいいですね」とその位置に立ってみなければわからないことを楽しんでいる様子だ。

麒麟がくる

 光秀をいかに多面的に見せるのか。このことに池端をはじめ、作品に関わるキャスト、スタッフが尽力している。長谷川は「光秀は今の時代に必要なヒーローなのかもしれない」とし、その理由を「品性と知性を持って、上の人間に対してズバっと物を言うところがある。今の世の中、そういう人がいればいいなとみんな思っている。また一方で、できる人間だからこそ無理難題も課せられるというのも、いかにも現代的ですよね」と説明する。

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 1年にも及ぶ長期戦の大河ドラマ。「一つのキャラクターを1年演じるというのは、大河でしか経験ができないこと。それを主役としてやらせていただけるなんて、役者冥利に尽きます。もちろんすごく大変で疲れすぎて『もう嫌だ!』と思うこともありますが、素晴らしいロケやオープンセットのなかで演じていると、こんな幸せなことはないと感じます」と大役を務める重責を実感しつつ、気力充実で撮影に臨んでいる。(取材・文:磯部正和)

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