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『ジョーカー』アドリブから生まれた本編ダンスシーン公開

階段のダンスと共に印象的なトイレのダンスシーンの一部が公開
階段のダンスと共に印象的なトイレのダンスシーンの一部が公開 - (C)2019 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved TM & (C) DC Comics

 世界中でセンセーショナルな話題を振りまいている衝撃作『ジョーカー』(全国公開中)の本編シーンが公開された。本作のポスタービジュアルでも印象的に使用された、トイレにおけるダンスシーンの一部が収められている。

【動画】『ジョーカー』本編ダンスシーン

 コメディアンを目指す心優しい主人公アーサー・フレックが、悪のカリスマ・ジョーカーへと変貌していくさまを描く本作。公開されたのは、地下鉄で、ある衝撃的な事件を起こして公衆トイレに逃げ込んだアーサーが、突如としてダンスを踊り出す場面。実はこのダンス、アーサー役のホアキン・フェニックスと監督のトッド・フィリップスが、相当な苦悩の末に生み出したものだった。

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 もともとこの場面は、事件を起こしたアーサーが自分の拳銃を隠すシーンになるはずだった。しかし「僕にはアーサーに起きていることを掘り下げる機会のように思えたんだ。彼が長い間ずっと抑えてきた、ずっと戦い続けてきた彼の中にあるジョーカーの部分が遂に解き放たれたシーンだと思った。彼は1人でトイレの中にいるから、言葉のないコミュニケーションで変化が起きていることを描かないといけなかった」というホアキン。「でも僕は、それが何かハッキリとわからなかった」

 しかし、このシーンでジョーカーへの変貌を垣間見せる必要があることは「明らかだった」という。そこでフィリップス監督に提案したのがダンスだ。「トッド、奇妙に思えることはわかっているよ。でも、ダンスのように感じられるんだ。ハッピーでも怒りに満ちたものでもない。ほとんど誰かが憑りつかれたみたいものじゃないとだめだ」と言ったものの、ホアキン自身もそれが何のダンスなのか、つかめなかったという。

 こうして撮影現場で頭を抱えてしまった2人。それを助けたのが、作曲家ヒルドゥル・グーナドッティルによる劇中スコアだった。フィリップス監督は「前の晩にヒルドゥルから曲をもらっていたのを思い出して、ホアキンに聞かせたら、彼もすっかり気に入った。ホアキンがその曲に合わせてスローダンスを始めたかと思ったら、突然アーサーから優雅な一面が出てきた。“影の分身”が現われたんだ。急いでカメラを回し始めたよ。あの瞬間が変貌の始まりになったんだ」と語る。

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 つまり、ジョーカーへの変貌を見事に捉えたこのダンスは、ホアキンのアドリブだったということだ。フィリップス監督も「振付師がいたわけではなく、僕が指示したものでもない。全てホアキンが作り上げたものなんだ」と証言。ホアキンも「トッドが流してくれた曲は本当に効いたよ。“つかめるかもしれない”と言ったら、トッドは“僕がいたら邪魔になるだろうから、あとは任せた”と、打ち合わせはおしまい。撮影前に身のこなしを研究したり、リハーサルでダンスの練習もしたけれど、あの曲からつかんだインスピレーションがターニングポイントになったんだ。アーサーを理解する意味でもね」と語っている。

 同作はベネチア国際映画祭で金獅子賞(グランプリ)を獲得し、ホアキンもその熱演によって、アカデミー賞主演男優賞へのノミネートが確実視されている。その演技を支えたヒルドゥルのスコアをはじめ、作品賞を含む各部門ノミネートへの期待も高まる。(編集部・入倉功一)

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