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名匠ロブ・ライナー来日 政府のウソで戦争なぜ 新作『記者たち』制作の動機

『スタンド・バイ・ミー』『恋人たちの予感』で知られる名匠ロブ・ライナー監督
『スタンド・バイ・ミー』『恋人たちの予感』で知られる名匠ロブ・ライナー監督

 映画『スタンド・バイ・ミー』(1986)などの名匠ロブ・ライナー監督が1日、最新作映画『記者たち~衝撃と畏怖の真実~』を引っ提げ来日。日本外国特派員協会で会見を行い、本作製作への熱い思いを語った。
 
 イラク侵攻の際に「サダム・フセインは大量破壊兵器を保有している」という事実のように思われている事象に疑問を投げかけた中堅新聞社ナイト・リッダー社の記者たちが、真実を追いかける姿を描いた本作。「ベトナム戦争のころは、徴兵される年齢になっていた」と振り返ったライナー監督は「そのときと同じで、(政府が)ウソを根拠にして戦争をはじめ、大惨事が巻き起こった。なぜそれを止められないのかという思いからこの映画を作ったんです」と製作の動機を述べる。
 
 続けてライナー監督は、「9.11」の同時多発テロで一般市民が抱いた不安感情を巧みに利用して、イラク侵攻が導かれたと強調。「なぜアメリカの一般市民が政府のウソをうのみにしてしまったのか、それを検証したかった」と付け加える。さらに「健全な民主主義は、独立した自由なメディアがなければ成立しない」と述べると、現在のドナルド・トランプ政権のもと、国営放送かと思うような偏向報道がまかり通っていることへの危惧を表明し、事実をしっかりと伝えるメディアの必要性を説いた。
 
 また、同作が本国アメリカよりも他の国での反応がいいと明かしたライナー監督は「アメリカはいまだ『9.11』のトラウマと向き合っている段階で、メディアも政府と逆のことを主張すると、非愛国者にみられてしまうという思いがあるのだろう」と分析。「世界報道自由度ランキング2018」(国境なき記者団発表)で、日本は世界で67位となっているが、ライナー監督は「そこまで自由度が落ちているのは気になるところですが、自由な国として、この映画を受け入れてもらえたらうれしい」と語った。
 
 この日は、元ナイト・リッダー社記者のケン・モリツグ氏もモデレーター(司会者)として出席。モリツグ氏は「政治家だけではなく、ビジネス(の世界)においても、真実を市民に伝えたくないと思っている人はいます。でもジャーナリストは、良い悪いではなく、民主主義には真実を伝える必要がある」と強調すると、ライナー監督のチャレンジを大いに称賛していた。(磯部正和)

【動画】豪華スター共演『記者たち~衝撃と畏怖の真実~』予告編

映画『記者たち~衝撃と畏怖の真実~』は3月29日より全国公開

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映画『記者たち~衝撃と畏怖の真実~』予告編 » 動画の詳細
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