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『万引き家族』には『そして父になる』の続編的な要素があった

第31回東京国際映画祭

実父が亡くなったことも明かしたリリー・フランキー
実父が亡くなったことも明かしたリリー・フランキー

 開催中の第31回東京国際映画祭JapanNow部門で『万引き家族』の特別上映が31日に行われ、スペシャルトークショーに主演のリリー・フランキーが登壇。同作には是枝裕和監督の『そして父になる』の続編としての思いが込められていることを明かした。

【動画】樹木希林さんも登壇した4月の『万引き家族』完成披露試写会

 『万引き家族』は犯罪でしかつながることができなかった家族の絆を描いた衝撃の感動作。第71回カンヌ国際映画祭の最高賞パルムドールを受賞したほか、世界各国の映画祭で各賞を受賞するなど、その勢いは止まらない。

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 リリーは「こんなに長く(上映が)続いて観ていただけるのは映画として一番うれしいことですよね」としみじみと語ると、本来、役者として「欲」は出さない方だと言うが、本作では「欲が出るという、よくない気持ちを思う瞬間があった」と撮影中から自身にとって特別な作品であったこともうかがわせた。

 そう思わせる理由の一端を担っているのか、リリーは「是枝さんは今回、『そして父になる』で僕が演じたお父さん(斎木雄大役)の続編のような、あのお父さんが他のシチュエーションで生きていたらどうなのか? という(設定で作られた)」と説明。また、『そして父になる』撮影時、雄大役には「裏設定がいっぱいあった」と是枝監督の思いが詰まった役であったことも明かした。

 そんな雄大役の精神を受け継いだ『万引き家族』の治役について「是枝さんからのリクエストは一つ。『最初から最後まで見るべきところのないお父さんでいてください』。だから、見事にいいところが一つもない」と自信を見せるリリー。

 とはいえ、苦労もあったようで「自分で言うのもいやらしいですけど、声がいいもんですから、下品なおじさんをやるのに声を変えたいと思っていた」と苦笑い。それについては、共演した樹木希林さんからも「声に品があり過ぎる」と指摘されていたのだとか。

 その樹木さんは先月、惜しまれながらも逝去。リリーはここ数か月の間に、実父や師匠に当たる方も亡くなったそうで「『(受賞)おめでとう』と『お悔やみ』を交互に聞いている中で、この映画が上映している間は何も終わっていないような嬉しさがあるし、世界中の人に観ていただける映画になって本当にうれしい」と感慨をにじませていた。(取材:錦怜那)

樹木希林、リリー・フランキーの服を追い剥ぎ!?映画『万引き家族』完成披露試写会 その1 » 動画の詳細
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