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チェーホフ作品の魅力を名女優アネット・ベニングが語る

チェーホフ作品の魅力を語ったアネット・ベニング
チェーホフ作品の魅力を語ったアネット・ベニング

 映画『アメリカン・ビューティー』『キッズ・オールライト』などのアネット・ベニングが、新作『ザ・シーガル(原題)/ The Seagull』について、5月11日(現地時間)、ニューヨークのパリス・シアターでの上映後Q&Aで、マイケル・メイヤー監督と共に語った。

【写真】アネットのご主人と言えばこの方、ウォーレン・ベイティ!

 本作は、ロシアの劇作家アントン・チェーホフの戯曲「かもめ」を映画化したもの。大女優イリーナ(アネット)は愛人のボリスを連れて久しぶりに兄ピョートルの田舎屋敷に滞在する。イリーナの息子で作家志望のコンスタンチンは、女優志望のニーナを主役に据えた劇を披露するも、その劇はイリーナに嘲笑。自暴自棄になったコンスタンチンから距離を置いたニーナは、イリーナの愛人ボリスに惹かれ始め、彼を追いモスクワで女優になる決心をするが……。トニー賞受賞作『春のめざめ』の舞台演出家でもあるメイヤー監督がメガホンを取った。

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 これまでにも何度もチェーホフの作品に出演してきたというアネットは、「どの作品にも愚かなキャラクターと素晴らしいキャラクターが描かれていて、チェーホフは自分が描いたキャラクター全部を愛していると思うわ。それぞれのキャラクターに、共感できる部分や同情できる部分が含まれているの。それに、彼は真の悪役を作らないところが、わたしが彼の作品に興味を持つ理由の一つだわ。でも20代の頃より、おそらく今の方が、それぞれのキャラクターの滑稽さを理解できていると思うわ」と月日を経ても、尽きないチェーホフ作品の魅力を語った。

 そんなアネットに「チェーホフが生きていたら?」と質問すると、「今作に関わる前に、チェーホフの最新の伝記本を読んだの。彼には(妻以外にも)モスクワ芸術座で主演女優を務めたメアリーという愛人がいて、44歳の若さで結核で亡くなったときも、彼女と一緒にいたらしいわ。とてもハンサムだし、 (学生時代の)わたしは、チェーホフの作品に惚れ込んでいたから、もし彼が生きていたなら、おそらく『ワインを一緒に飲まない?』と誘っていたと思うわ」と笑顔で答えた。

マイケル・メイヤー監督
アネットとの相性の良さを明かしたマイケル・メイヤー監督

 脚本完成前に本作への出演を決めたというアネットとのタッグについて、メイヤー監督は「撮影前には彼女の自宅で中華料理や寿司などを食べながら、読み合わせをしたよ」と仲の良さをうかがわせながらも、「最も時間をかけて準備をしたのは、ニーナに惹かれ、イリーナとの愛人関係を解消しようとするボリスをイリーナが説得して、ピョートルの屋敷にとどまらせようとするシーンだね。リハーサルは撮影前夜に行ったんだけど、僕、アネット、ボリス役のコリー・ストール、撮影監督マシュー・J・ロイド、そしてステディカムで撮影したジョナサン・ビーティー以外のスタッフを全て帰らせて行ったんだ。それは、最終的に特別な準備になったよ」と濃密な撮影を振り返った。同シーンは劇中、重要な鍵を握る注目のシーンに仕上がっている。(取材・文・細木信宏/Nobuhiro Hosoki)

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