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林明日香、手足が震えた収録 ポケモン映画の主題歌が“異例”だったワケ

エンドロールにもメッセージが詰まっている
エンドロールにもメッセージが詰まっている - (C) Nintendo・Creatures・GAME FREAK・TV Tokyo・ShoPro・JR Kikaku (C) Pokemon (C) 2017 ピカチュウプロジェクト

 7月31日時点で観客動員146万人、興行収入17億円超えの大ヒットを飛ばしている、ポケモン映画20周年記念作品『劇場版ポケットモンスター キミにきめた!』だが、同作にはストーリー以外にもポケモン映画としては“異例”だったものがある。それは、林明日香が歌うエンディング主題歌「オラシオンのテーマ ~共に歩こう~」だ。ポケモン映画のエグゼクティブプロデューサーである岡本順哉と林が同曲の秘話について明かした。

岡本順哉エグゼクティブプロデューサー

 エンディング主題歌を林が歌うことが公表されたのは、7月2日に行われた完成披露試写会上映の直後。ポケモン映画第6作の『劇場版ポケットモンスター/アドバンスジェネレーション 七夜の願い星 ジラーチ』で主題歌を担当した林が、第10作『劇場版ポケットモンスター/ダイヤモンド&パール ディアルガVSパルキアVSダークライ』の劇伴である楽曲「オラシオンのテーマ」に新たに歌詞をつけた歌を歌う。まさかの組み合わせにファンからは驚きの声が続出したが、当時の反響を振り返り岡本プロデューサーは「みなさんの予想をいい意味で裏切ることができてよかったです」と話す。

 しかし同曲ができるまでには、かなりの時間が要された。岡本プロデューサーいわく、ポケモン映画の主題歌決定のプロセスでは、まずはアーティストに依頼した後に楽曲を作り上げていくという段階が踏まれているという。しかし15年ほど主題歌を決めてきた彼でさえも、今年のエンディングは誰にすべきか悩み悩み、年が明けても全く固まらなかったそう。そこで岡本プロデューサーは、ポケモン映画としては“異例”の「アーティストよりも曲から先に決める」という手段を取った。

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 「今回の作品の特性も考えて、ポケモンらしい曲とは一体何だろうと正月に過去の映画を観返して、もともと好きだったこともあり『オラシオン』を主題歌にできないかなと。(レーベルの)ソニー・ミュージックさんに『この曲をエンディング曲にできますか?』と聞いてみたんです。『え!?』と驚かれましたけど(笑)。それで曲を先に作っていただいたんです」。誰が歌うのか決めないまま、デモ曲が届き、これを聞いた岡本プロデューサーはさらに一つの案を思いつく。

 「林明日香さんと仕事でご一緒するたびに、また仕事ができるといいなと思っていて。この曲を彼女が歌えば、20年を振り返りつつも、ゼロから始まる作品として世代をまたぐことができると感じたんです。今回の映画が『単純なリメイクなのでは?』というイメージも払拭できるとも思いました。またこちらから説明をせずとも、歌詞と歌手でお客さんにそれが伝えることができたらうれしいなと思ったんですよね。それで自分の中でようやく整合性がついて、お願いすることになりました」。

林明日香 - (C) Nintendo・Creatures・GAME FREAK・TV Tokyo・ShoPro・JR Kikaku (C) Pokemon (C) 2017 ピカチュウプロジェクト

 そして春先まで楽曲制作と検討を重ねたうえで、最後の「林明日香」というピースがはまることになった。一方で林にとって、このオファーは「夢だと思いました」とのこと。主題歌「小さきもの」を歌った当時の中学生の頃から、ポケモンにもう一度携わりたいと願っていたという彼女。だが喜びと一緒に、久々のシングル曲でポケモンの主題歌を歌うことへのプレッシャーも彼女のもとに訪れた。「レコーディングの日にはもうブルブルで(笑)。足や手が緊張で震えたことはあんまりないのですが、その日はみんなから心配されるくらい声も震えていたみたいで。『小さきもの』が自分自身にとってもあまりにもよくて、曲も愛されているということもあり、皆さんのイメージを壊したくなかったという思いがあったんです」。

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 その心配をよそに「オラシオンのテーマ ~共に歩こう~」は、岡本プロデューサーからも「『小さきもの』とはまた別の、人の心に残る曲」になったと思わず笑みがこぼれるほどの会心の出来となった。林にとっても、これまでの彼女の歌と“違う”という印象があったようで、「今までは『自分の歌!』と歌っていたのですが、それとは全然違う。歌う回数を重ねるごとに、この曲ではわたしではないだれかの気持ちが乗っていくような感覚があるんです。わたしの曲というよりも、皆さんの曲として皆さん自身と重ね合わせていただけたらうれしいです」と笑顔。また今作で、時間を重ねて絆が生まれていくサトシとピカチュウを観て、「サトシみたいに大きな愛を注げているのかなと思いました」と子供のために尽くす母の顔をのぞかせた林に、岡本プロデューサーは「本当に大人になったなと感じますよね」としみじみとしていた。(編集部・井本早紀)

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