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タランティーノ『レザボア・ドッグス』オーディション秘話を明かす

ちょっと老けた? タランティーノ監督
ちょっと老けた? タランティーノ監督

 公開25周年を記念して、トライベッカ映画祭で上映された映画『レザボア・ドッグス』。4月28日(現地時間)ニューヨークのビーコン・シアターで、上映後にQ&Aが行われ、クエンティン・タランティーノ監督が当時の製作過程を振り返った。

【写真】『レザボア・ドッグス』フォトギャラリー

 本作は、宝石店襲撃に失敗した強盗たちの確執を描いたバイオレンスアクション。強盗のために集められた男6人は、色を使ったコードネームでお互いを呼び合い、宝石強盗を遂行するが、警察に銃撃されてしまう。命からがら逃げてきたMr.ホワイト(ハーヴェイ・カイテル)とMr.オレンジ(ティム・ロス)は、Mr.ピンク(スティーヴ・ブシェミ)から、6人の中に裏切り者がいることを知らされるが……。

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 主演のハーヴェイについてタランティーノ監督は、「(友人の勧めで)僕の脚本を読んだハーヴェイは気に入ってくれて、出演したいだけでなく『製作者も務めて企画を進めたい。電話をくれ!』と製作のローレンス(・ベンダー)にメッセージを残してくれたんだ。(その話を聞いて)僕はその場で踊り回ったよ」と当時を振り返る。

 そのハーヴェイは最初からMr.ホワイトを演じることが決まっていたが、残りの5人については通常のキャスティングを行ったそうだ。「当時、僕らが所有していたお金をすべて費やし、テレビドラマ『L.A. LAW/7人の弁護士』のキャスティングディレクターを雇い、ロサンゼルスでキャスティングを行ったんだ。そこにはティム・ロス、マイケル・マドセン、クリス・ペンら俳優のほか、歌手のトム・ウェイツもいた。彼はハーヴェイ以外で僕の脚本を称賛してくれた一人で、『脚本が素晴らしい! 詩的だ』と言ってくれたんだよ」と語る。その後ハーヴェイからニューヨークでのオーディションも勧められ、スティーヴ・ブシェミが決まったそうだ。

 警察の耳をそぎ落とす衝撃的なシーンを演じたMr.ブロンドことマイケル・マドセンについては「(重要な役なため)Mr.ブロンドの日と決めて最終オーディションを行い、俳優たちがそれぞれ3つのシーンを演じる予定だった。ところがマイケルは部屋に入ってくるなり、『他の2シーンは何も準備してきていない。俺がこれまでに演じてきたものに多少加えてきた』と言ったんだ。僕は彼の度胸が信じられなかったね! でも、その唯一の演技シーンが素晴らしかったんだ。彼の演技はオーディション用ではなく、カメラの前に立つ準備ができていた演技だったんだよ」と称賛した。(取材・文・細木信宏/Nobuhiro Hosoki)

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