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「けものフレンズ」流行の軌跡 たーのしー!フレンズ急増の背景

「けものフレンズ」公式サイトのスクリーンショット
「けものフレンズ」公式サイトのスクリーンショット

 今期最もネットを沸かせているであろうアニメ「けものフレンズ」。ネット上には「すごーい」「たーのしー!」「きみは○○なフレンズなんだね」といった“フレンズ語”があふれたり、最終回一つ前の11話では生放送を予定していた動画共有サイトでの視聴ページがダウンしたことがネットのトップニュースになったりと、話題を集め続けている同アニメだが、第1話放送当初から爆発的な人気を誇っていたわけではなかった。徐々に人気を獲得していった経緯を振り返ってみる。

【画像】「けものフレンズ」脚本家・田辺茂範は、剛力彩芽のコスプレ挑戦ドラマも担当

 まず「けものフレンズ」とは、超巨大総合動物園「ジャパリパーク」で起こる、動物たちがヒトの姿になった「アニマルガール」と、パークに訪れた少女「かばんちゃん」の冒険を描いた物語だ。だが、かばんちゃんはなぜ自分がジャパリパークにいるのか、そもそも自分は一体誰であるのかさえもわからない。そんなかばんちゃんの前に現われたサーバルキャットの「サーバルちゃん」は、「図書館」ならば彼女が一体誰なのか調べることができるかもしれないと、図書館までの案内役を買って出る。

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 として始まる第1話だが、基本的にアニメはCGで動くほんわかとしたビジュアルのキャラクターたちの和やかな会話や、それぞれの動物たちの習性(唾を吐くアルパカ、会話の途中に爪をとぎ始めるネコ科など)の描写などを中心に進行していく。目に見えるものなどに対して「すごーい」「たーのしー!」「わたしもやりたーい」と純粋な気持ちでしゃべるサーバルちゃんの様子には、かわいらしい女の子たちがしゃべる“日常系アニメ”のような癒やし要素がたっぷりだ。だが癒やし系アニメ枠の競争率も高い昨今、これだけで王の座を目指せるほど、アニメ界隈もゆるふわっとはしていない。事実第1話放送時には、今のような流行の兆しはまだ見えていなかった。

 しかしアニメが進んでいくうちに、徐々に建物に設置されたソーラーパネルやところどころ塗装が剥げているバス等、ヒトの文明が見え隠れするようになっていく。そして第4話では、砂漠にヒトを楽しませるための巨大迷路アトラクションがあったことが明らかになり、そこにいたツチノコからは「(ヒトは)絶滅していなかったのか」という不穏な言葉がこぼれるなど「ジャパリパーク」が有する謎が登場し、これに反応するファンが急増。ネット上にファンたちによる考察の輪が広がっていった。さらにこの第4話の放送後に、「けものフレンズ」ファンが「すごーい」「たーのしー!」とネット掲示板で“フレンズ語”で会話している様子がTwitterなどを介して拡散され、爆発的に知名度を高めた。この二つの要因が重なった結果、第5話の実況ツイート数は第4話の約3倍以上の数値をたたき出した。

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 日曜午前帯が似合う「たーのしー!」くて「すごーい」かわいらしいアニメかと思いきや、実は深夜アニメらしい奥や闇が深い大人向けのアニメだった……。いきなり主要人物が死ぬ衝撃的な展開で注目を浴びた「魔法少女まどか☆マギカ」や、今期流行ったドラマ「カルテット」のように、深読みできる楽しみを作中に潜ませることは、ファンを世界観に没入させていくきっかけになる。一方で考察までは求めないライトファンにも「けものフレンズ」は、“フレンズ語”や、星野源が自身のラジオですごく気に入ったと紹介した同アニメの主題歌「ようこそジャパリパークへ」方面からもアプローチすることができた。そしてさらに認知度を高めた背景には、主人公のかばんちゃんに悲劇が訪れる暗喩で終わった第11話が、ニコニコ生放送での放送がサーバーの不調も相まって視聴ページに繋がりにくい事態に陥ったことが話題になったこともある。

 当時の状況について、アニメの公式Twitterでは、「本日の『けものフレンズ』第11話のニコニコ生放送の配信において、瞬間的なアクセス集中が発生し視聴画面にアクセスしづらい状況が発生しました」と説明していた。絵柄からは想像できない衝撃的なラストを見せた第11話、その11話がアクセス集中を起こすほどだったらしい……と、これを契機により「けものフレンズ」という言葉が広がっていく。そして28日深夜の最終話放送前には、エンディングを考えるツイートが相次いだり、SHARPの公式Twitterがファンからの「かばんちゃんを助けて」というツイートに、「【おねがい】弊社が保有する技術や製品に、フレンズの未来を託すのはお控えください。重すぎて受け止めきれない」と反応したりと、“フレンズ”の伝染力は最終回を控えて格段に上がっていっている。最終回前にこれだけ盛り上がっている様子をみると、最終回自体もさらに新たな“フレンズ”を引き込む爆弾を持っているのではないかという期待を抱いてしまう。(編集部・井本早紀)

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