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BLEACH・銀魂・ハガレン、ワーナーのやる気すごい…配給会社から見る少年漫画の実写化まとめ

実写版『銀魂』の主演を務める小栗旬 - 画像は今年3月に撮影されたもの
実写版『銀魂』の主演を務める小栗旬 - 画像は今年3月に撮影されたもの

 「BLEACH」「銀魂」「鋼の錬金術師」「東京喰種」「斉木楠雄のΨ難」などと今年に入って、人気少年漫画の実写化の発表が相次いだが、その中でも配給ワーナー・ブラザース映画という文字が多く見られるように感じられた。ということで、現状発表されている映画情報をまとめつつ、最近の少年漫画系実写映画について考えてみた。実写ドラマ等にも広げると「BSスカパー!」で放送される「弱虫ペダル」なども含まれるが、今回は映画のみに絞る。

【写真】実写版『銀魂』出演キャスト

 まず前提として考えておきたいのは、少年漫画を実写化する上で難しいとされているのは、原作にどこまで寄せるかという点だ。ストーリーはどの部分を描くのか、オリジナル要素を入れるのか、そしてビジュアルはどこまでキャラクターに似せるのか。原作ファンの間で話題に挙がるのもこの点が多い。実写化成功作として名前がよく挙げられる『HK/変態仮面』『るろうに剣心』『DEATH NOTE デスノート』から鑑みるに、主役クラス俳優のキャラクターづくりはファンから特に重要視されている。そして第2に、少年漫画のコマで表現されている主人公たちの技を、どのように表現するか。ハリウッドで実写化されたからといって、ファンの期待値を超えるCGで日本にやってくるわけではないのだ。

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 そして少年漫画は、福士蒼汰主演で実写化が発表された「BLEACH」のように累計発行部数が数千万部を超えている作品が多いことも特徴的だ。ゆえにファンも国内外に多く、実写化に対するファンが期待するハードルも必然的に高くなる。

 これらの前提の上で、それぞれの配給ごとの作品に移っていく。まずは昨年『進撃の巨人 ATTACK ON TITAN』『バクマン。』、そして今年『信長協奏曲(のぶながコンツェルト)』『暗殺教室~卒業編~』と次々と意欲作を配給してきた東宝。だが来年にかけての少年漫画の実写化作品で目玉といえば、9月に公開される広瀬すずほか旬な俳優をそろえた『四月は君の嘘』か。ほかは12月公開の『土竜の唄 香港狂騒曲』や、アスミック・エースと2017年に共同配給する映画『3月のライオン』といったファンタジー要素薄目の青年誌作品の実写化が今のところ並んでおり、比較的堅実な人間ドラマを中心にした作品が多いという印象を受ける。これによりゲーム原作ではあるが、「コロコロ漫画」などでメディアミックス展開している「妖怪ウォッチ」が、劇場版最新作『映画 妖怪ウォッチ 空飛ぶクジラとダブル世界の大冒険だニャン!』を実写×アニメのハイブリッド作品として進めていることが際立っている。

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 意外な線で攻めているのは松竹。「ヤングマガジン」連載ではあるが『彼岸島 デラックス』の公開を10月に控えているほか、同じく青年誌から石田スイの人気漫画「東京喰種トーキョーグール」、そして「週刊少年ジャンプ」で連載中の麻生周一による「斉木楠雄のΨ難」(ソニー・ピクチャーズ エンタテインメントと共同配給)などの実写化作品が待機作にある。中でもアニメ化され、累計発行部数1,800万部を誇る「東京喰種トーキョーグール」は実写化の際には、人間を食べる“喰種”(グール)と人間が対立し戦い合う同作において、主人公のカネキを誰が演じるのかはファンを中心に話題を集めた。同役は原作者の石田の強い希望の上、窪田正孝に決定したことが報じられており、これにはファンからも肯定的な意見が多く見られている。

 忘れてはいけないのが、『HK/変態仮面 アブノーマル・クライシス』『珍遊記』と実写化チャレンジ精神あふれる作品を送り続けている東映。今年は、永井豪によるヒット作「キューティーハニー」を実写化した『CUTIE HONEY -TEARS-』を10月に公開予定だ。ちょっぴりクセのある作品を実写化するのが東映らしさにあるのかもしれない。

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 そして満を持してワーナー・ブラザース映画の配給作品に移るが、今年だけで少年・青年漫画の実写化作品は『僕だけがいない街』『テラフォーマーズ』『デスノート Light up the NEW world』。さらに2017年から2018年にかけては、『銀魂』『鋼の錬金術師』『BLEACH』と大ヒット漫画の実写化が続く。しかも、実写化においてはより困難とされるファンタジー要素が強めの野心を感じられるラインナップだ。外資系のワーナーに関しては、世界50以上の国と地域で配給された『るろうに剣心 京都大火編』『るろうに剣心 伝説の最期編』のように世界公開も視野に入れやすいことが強みにあるだろう。

 山田涼介主演の『鋼の錬金術師』においては、エグゼクティブ・プロデューサーの濱名一哉氏は「日本発のワールド・クラスの巨大プロジェクトです。世界中をアッと驚かすような作品を目指していきたいです」と語っていた。一方でアニメ劇場版から配給していた『銀魂』に関しては、ホームページがランダムなデザインで表示される仕掛けを用意し、制作前から「銀魂」っぽさを押し出し原作ファンの心をつかんだ。ファンから賛否が非常に出やすい少年漫画の実写化だが、ワーナーのやる気が消える気配はなさそうだ。(編集部・井本早紀)

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