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樹木希林、沖縄の基地問題に挑んだ若き大学生監督作を賞賛

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若手映画監督にエールを送った樹木希林
若手映画監督にエールを送った樹木希林

 仲村颯悟監督の5年ぶりとなる最新作『人魚に会える日。』の公開を記念し、女優・樹木希林をゲストに迎えたトークショーが3日に渋谷のユーロライブで行われ、樹木は「この映画がいま誕生したことは、とても意味があることだと思います」と若き才能の作品をたたえた。

 1996年に沖縄で生まれ、現在は慶應義塾大学在学中の仲村監督。長編デビュー作『やぎの冒険』(2010)が、ビートたけしや塚本晋也監督に賞賛されて話題を呼んだ。そんな仲村監督が辺野古への米軍基地移設問題に挑んだ本作。基地の存在を当たり前のものとして育った沖縄の高校生ユメは、基地建設により美しい海が奪われることに心を痛めて姿を消した同級生を探すため、建設計画が進む村を訪れる。そこでユメは、若者たちの葛藤や自然の中に宿る神の許しを乞いながら暮らす人々の思いに触れることになり……。

 仲村監督は「東京に来て6月23日の『慰霊の日』(沖縄での組織的戦闘が終結した日)を、東京の人はほとんど知らないということに衝撃を受けました。沖縄の人が日常的に感じていることを伝えることが、このギャップを埋めるのではと思った」と製作の動機を明かす。そして「今回はすべて学生スタッフだけで、伝えたいメッセージを伝えるために突っ走ったんです。熱量のあるものになったと思います」と続け、若々しい自信を見せた。

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 昨年、戦後70周年のテレビドキュメンタリーなどで辺野古を訪れた樹木は「そのままいい作品を作り続けてください。お金に振り回されてしまった監督をたくさん見てきたので」とエールを送ってから、「遠い島の遠い話になって、私も皮膚感覚で感じることは難しい。沖縄はあまりに美しいから、日本の生贄になっていることも際立って見える。(本作も)生贄が大きなテーマですね」と感想を述べる。仲村監督は「沖縄の人も、基地に賛成・反対のどちらが真実か、わからないで悩んでいる。それを東京や日本全体の人と考えられないかと思うんです」とコメントしていた。(取材/岸田智)

映画『人魚に会える日。』は沖縄県・桜坂劇場ほかで公開中 3月7日まで東京・ユーロライブにて限定公開 その後大阪、名古屋、宇都宮で順次公開

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