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「池中玄太」の最終編!? 西田敏行&石橋冠監督の切なる思い

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石橋冠監督&西田敏行の名コンビが再び…
石橋冠監督&西田敏行の名コンビが再び…

 テレビドラマ「池中玄太」シリーズでお茶の間の人気を博した俳優・西田敏行石橋冠監督の名コンビが、映画『人生の約束』で再びタッグを組んだ。テレビ一筋の石橋にとって、本作は初の長編映画監督作品。「人間と人間が密につながっていた昭和という時代の良さを平成の今に運びたかった」という石橋監督の切なる思い、その原点はやはり西田と共に情熱を注いだ「池中玄太」にあった。

【動画】『人生の約束』予告編

 本作は、仕事一筋の会社経営者・中原祐馬(竹野内豊)が、亡き親友の故郷・富山県射水市を訪れ、江戸時代から続く「新湊曳山まつり」や住民たちとの触れ合いを通して、自身の人生を再生していく姿を情感たっぷりに描き出す。西田をはじめ、竹野内豊、江口洋介ビートたけしら豪華俳優陣の共演も見どころだ。

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 今回、映画初挑戦にあたってオリジナル脚本を書き下ろした石橋監督だが、「当初は『魂の遍歴』というタイトルで『池中玄太』の最終編を作ろうと思っていた」と告白。「あのドラマを観て育った人たちから、今になってやたらと声を掛けられるので、トシちゃん(西田)と二人で『あの後、玄太はどうなったのか』を日本海の方で撮ろうと。これは企画書まで書きましたが、長門(裕之)さんと坂口(良子)さんが亡くなったことから断念した」と経緯を語る。

 ただ、今回の映画に「その時に抱いた想念がいい感じで混ぜ合わさった」という石橋監督は、「僕としては『池中玄太』の最終編を撮ったという感覚を持っている」と納得の表情。祭りを誰よりも愛する町内会長・玄さん役で出演した西田も万感の思いがあるようで、特に祭りで『玄さん、いやさー!』と声を掛けられるシーンは、「感極まりましたね。僕の心の中にある『池中玄太』への鎮魂の思いを持ちました」としみじみ。

 自らを「映画監督の新人」と称しながら、ドラマ同様、老練な手腕でテンポよく撮っていったという石橋監督。「映画だからテイク3くらい出した方がさまになるかな?」とうそぶくも、「テイク1のあの初発のライブ感がスリリングで好きなんだよね」と本音を明かすと、西田も「冠さん(石橋監督)は、俺の即興をちゃんと拾って入れてくれるので、演じていても楽しい。ジャズセッションを楽しむ感覚」と大いに共感。だが、そのルーツは「池中玄太」で見せた若き日の西田の“遊び心”にあると石橋監督は振り返る。

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 「あの頃はもうハチャメチャ。こっちはCMのタイミングで切りたいのに終わってくれない。だから『音を消していく』という手法を生み出した」と吐露。すると西田は、「ゆっくり音がフェイドアウトしていくんですよ。監督によってはバサッとカットする非情な方もいますが、冠さんは工夫しながら限界まで拾ってくれた」と感謝しきりだ。

 そんな石橋監督が、俳優・西田敏行の魅力を明かす。「しなやかで、そこにいるだけで魅力的。表面に出さないが熱心な人」と評し、「役者の理想型」と太鼓判を押す。西田を崇拝する竹野内から、演技の相談を受けたという石橋監督は、「トシちゃんはセリフを覚えてくるが、現場へ来ると全て忘れて芝居をする。自分のハートで受け止めたことだけを発するから、セリフが生きるし、セリフの奴隷にならないんだ。役者は生き物と同じ、それが演技なんだよ」と熱弁を振るったという。これを照れくさそうに聞いていた西田は、「セリフの奴隷にならない……なんか染みるなぁ。これ、自分をアピールする時に使わせていただきますね」と茶目っ気たっぷりに語っていた。(取材・文:坂田正樹)

映画『人生の約束』は2016年1月9日より全国公開

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