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『MOZU』男たちの正義

長谷川博己、狂気に向かう男・東が疑う「正義」とは?

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『劇場版 MOZU』でも狂気は健在! 東を演じる長谷川博己
『劇場版 MOZU』でも狂気は健在! 東を演じる長谷川博己 - (C) 2015劇場版「MOZU」製作委員会 (C) 逢坂剛/集英社

 それぞれが抱える信念のために思いをめぐらす「MOZU」の男たちの中でも、長谷川博己が演じる狂気の犯罪者・東和夫は、最も謎に満ちた存在だ。元公安刑事という過去を持ち、時には無謀な捜査で巨大権力に立ち向かう公安警察のエース倉木(西島秀俊)をほんろうする東にとって、「正義」とはいったい何なのか。『劇場版 MOZU』でさらに過激なパフォーマンスを見せる長谷川が「東和夫」の視点から真摯(しんし)に語った。

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長谷川博己(東和夫)にとっての「正義」とは?

 東を演じていく中で、その人物像を徐々に発見していったと語る長谷川は、「国籍も、性別も、年齢もわからない存在」をイメージしたという。「東自身が道化を演じている部分もある。『真夏の夜の夢』の妖精パックのようにね。だから僕は『演じている人間をさらに演じる』という感覚で、独特のセリフ回しも楽しみながら表現した」と述懐。倉木に執拗(しつよう)にまとわりつく東の心理については、「硬派な倉木にも、きっと人間的な部分があるはず。それを東が『なぁ、本当は俺みたいやりたいんだろう?』と挑発し、彼の殻を突き崩したかったのでは?」と推測する。

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 「オメラス(理想郷)の平和はもう終わりだ!」と宣言し、どんどん狂気へと向かっていく東。そんな彼にとって「正義」とは、どのように映っていたのだろうか。「東という男は、『正義』というワードが持つ偽善的な部分をよく知っている人間。それを道化として、あえて表現しているところがある」と説明。「本作はアジテーションとなる映画。世の中で起きている、いわゆる『正義』と呼ばれる出来事を『今一度、疑ってみろよ!』というメッセージが込められていると思う」と分析してみせた。

笑顔の裏に恐怖!過激なフィリピンロケ

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ロケットランチャーを放つシーンも必見! (C) 2015劇場版「MOZU」製作委員会 (C) 逢坂剛/集英社

 大掛かりなフィリピンロケを敢行した本作。とくにアクションシーンでの登場が多かった長谷川は、「日本では味わえない雰囲気。経験はないがまるでハリウッド映画を撮っているようだった」と迫力に満ちた現場を回想する。とくに印象深かった撮影については、「ロケットランチャーをぶっ放すシーンですね、あれはすごかった」と声を弾ませる。「爆発音と熱風の中、何かの破片が飛び散り、僕の後ろで『カメラがやられた!』と大騒ぎになっていた。映像では狂喜乱舞しながらずっと笑っていましたが、なかなか怖いものがありました」と笑顔で裏話を明かした。

 本作は、逢坂剛のハードボイルド小説「百舌」シリーズを基にした連続テレビドラマの劇場版にして完結編。妻の死の真相を追う公安警察のエース・倉木の前で、二つの大規模テロ事件が発生。事件の裏で新たな犯罪計画を進める日本事件史最大の闇“ダルマ”との死闘をアクション満載で描く。(取材・文:坂田正樹)

『劇場版 MOZU』は11月7日より全国公開

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